12月第二日曜日。大雪に入り日本海側は関西から北陸、北海道にかけて、文字
通り大雪に見舞われているとのことで、本格的な冬が到来。日中、小平周辺は冬
の陽差し恵まれましたが、夕方から風が強くなり冷え込んできました。 21日の冬
至まで10日余りは一年中で最も日暮れが早く、せかせかしがちに。
そろそろ紅葉も見納めどきではないかと、小川橋から彫刻の谷緑道と玉川上水堤
を下流に向かって歩いてみました。「あれ、何の紅葉かしら?」 と、足を止めたの
は彫刻の谷緑道の中ほどでした。もう葉は殆ど落ちてしまっていましたが、枝先
の一部に花を残しながら葉が真っ赤に!半年ほど前に歩いた時の画像ファイル
を調べてみたところ、ニワナナカマド (庭七竈)ではないかと…。
初夏から秋口にかけて涼しげな羽状の葉を茂らせ、純白の小花の房をたわわにつ
けていたニワナナカマドは、秋に美しく紅葉するナナカマドとは別種で、バラ科の落
葉低木の園芸種だそうです。中国北部、河北・山東省などに分布しており 別名は
チンシバイ(珍珠梅)。ナナカマドという和名は、"大変燃えにくく、竃に7度入れても
燃えない"ということから付けられた説、7度焼くと良質の炭になる"という説もあり、
備長炭として利用されているとか。
小川橋から下流の上水堤は目下、落葉の絨毯を敷きつめたようで、その上を踏ん
で歩くのは気が引けるようでした。でも次から次へと降り積もって、シャカシャカと忙
しない音を立てながら、風と追いかけっこを。
市街地で落葉を踏みしめて歩けるのは幸せですが、沿道の家々では雨樋を詰まら
せたり、落葉掃きに悲鳴を上げていると聞きました。落ち葉を詰め込んだ大きなポリ
袋を道々で見かけました。こうして袋詰めしてあると、農家や家庭菜園、菊作りなど
をしている方が持ち去ってくれるそうです。
いこい橋付近だったでしょうか、ミズキの黄葉が幹に影を投げかけ、その光と影が
くっきり。まだ午後2時を回ったばかりなのに、陽は傾きかけて…思ひばかり先走り
するようでした。そんなに急ぐ“旅”でもないのに
新小川橋近くまで下ってきた辺りで、堤に植わっているヤマモミジが有終の美を飾
るように燃えて、向かいのお宅の屋根瓦に差し掛かっていました。数日後からは散
り紅葉の掃除に追われることでしょうね。幹回り1メートル近い大木でした。
もう少し下流の水路際では赤や黄とは違った紅葉も。マルバウツギの葉だそうで、
ダークな色調が何とも優雅です。自然のアートというか、自然から教わることがた
くさんあると改めて思いました。もう短日の陽はすっかり西に。
今宵はお気に入りの ちあきなおみ の『喝采』を聴いて夜長をすごすことにします。