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忘れ得ぬ人々& 道草ノート

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道草フォト575 その279 春隣り

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   如月や祈り虚しく…2月1日、最初の日曜日を迎える早々、悲報が届きました。イ
   スラム過激派組織・イスラム国に拘束されていたフリージャーナリストの後藤健二
   さんも、殺害されたとの報。極悪非道な行為と批難し、人道支援だと繰り返しても
   通じない組織から敵視され、日本と日本人はテロの標的にされることになってしま
   いました。
   やり場のない気持ちで近所に用足しに出たら、風は身を刺すほど冷たいけれども
   陽は燦々!卑小な頭でウツウツとしているよりも、散歩にようとウォーキングに。
   二日前に降った雪がまばらに残る道筋で寒紅梅かしら?あかしあ通りと五間通り
   の交差点近くで紅梅が開花していました。草も木も春に向かっているのですね。
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   あかしあ通りでは、先日見落としたスズメのカタビラ (雀の帷子)が、米粒より小さ
   い花穂を風に震わせていました。ちっともじっとしてくれないけれど、よく見ると着
   物の襟元のように合わさった花穂の先は淡いピンク色で、なかなか繊細な造形で
   す。
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   スズメは小さいことを意味しており、カタビラ(帷子)は単衣(ひとえ)の着物のことで、
   花穂が雀の帷子に見なされたそうです。古い時代に麦類の栽培とともに各地に帰
   化した植物とされています。繁殖力が盛んで地にへばりついて群落をつくるので、
   農作業にとっては厄介な雑草の類ですが…。
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   小桜橋の近くではアシビがちらほら開花し始めていました。このアシビは私の知る
   限り、近隣ではいち早く開花して春を告げます。今春は遅めですが、小さなチュー
   リップ型の花穂をたくさんつけていました。
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   馬酔木と書いてアシビ。アセビとも。「我が背子に我が恋ふらくは奥山の馬酔木の
   花の今盛りなり」など、万葉集にも詠まれているほど古くからの常緑低木です。か
   つては峠道や街道筋にも多く棲息しており、往来する馬が食べると酒に酔ったよう
   になったということから馬酔木の名に。有毒で人が食べると足がしびれることから、
   “あししびれ”と呼ばれ、アシビになった説も。日陰に昨年の花が実になって残って
   いました。

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   先月28日まで東京ドームで開かれていた「東京国際キルトフェスティバル」にも、出
   かけてきました。キルトでつづる「大草原の小さな家」特別企画を、覗いて見たくって。
   アメリカの作家で教師でもあったローラ・エリザベス・インガルス (1867 - 1957年)
   の自伝的小説シリーズは、かつてテレビドラマシリーズでも感動的でした。その感動
   をもう一度と出かけてみたのですが、8日間で20万人も訪れるそうで、会場は人、人
   人で埋め尽くされそうな混雑でした。
   上は西部開拓時代の幌馬車の幌を、鷲澤玲子さんのグループでキルト作品に仕上
   げたそうです。鷲沢さんは三浦百恵さんのキルトの先生で、かつては国立に教室が
   ありました。
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   百恵さんの出品作「ローラへ」は一番人気で、会場係が「一列に並んで、立ち止まら
   ないで!」とマイクで連呼していました。旅先で見た煉瓦造りの建物の煉瓦の並べ方
   が素敵で、その並べ方を参考にとりどりの小さな花が咲く草原を作品にしたそうです。
   優しく春らしい色調のタペストリーでした。
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   「大草原の小さな家」をイメージした作品。
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   ローラは日本で言えば幕末から第二次大戦後まで、アメリカ中西部を転々と移住しな
   がら90歳の生涯を送った女性でした。ドラマや本では、ことに4人姉妹だったローラの
   母親の聡明さと骨惜しみなく働く姿が印象的でした。キルトはそもそも西部開拓時代を
   逞しく生きた 女性の知恵と工夫から生まれたものです。使い古しの布や余り布をつな
   ぎ合わせて、布団カバーや敷き物、ひざ掛けなど…その時代の女性の写真とキルト作
   品の展示に魅せられてきた春隣りでした。
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by love-letter-to | 2015-02-01 20:28 | 道草フォト575 | Comments(0)