5月も半ばを過ぎて第三日曜日に。街中の緑も新緑から真緑へと移り、季節も時代
も矢のような速さで、過ぎて行くように感じられるこの頃です。
時代の歯車に追い立てられないようにと、努めて買い物や散歩は車や人通りの少な
い裏通りを選んで歩くようにしています。今の季節は 住宅地の生垣や庭木の緑も目
に染みるようです。フェンスやブロック塀越しに咲いている薔薇に出会うのも愉しみで
す。AKBメンバーのような蔓バラもあれば、故ダイアナ妃かグレース王妃が微笑んで
いるような薔薇もあって、なかなかドラマティック!
品種は殆ど分かりませんが、一重の紅いばらコクテールは顔なじみに出会ったように
懐かしく、風が小止みになるまで見惚れておりました。
コクテールは最近、カクテルCocktailと称されますが、私がバラ愛好家から教わった
当時はコクテールと。バラの育種で有名なフランスの名門 メイアン社で1957年に誕
生した蔓バラClimbing Roses。かつて一世を風靡したバラの名花だそうです。
コクテールと目と鼻の先にある お宅の入り口では、黄色のバラのアーチが毎年素敵
です。今年は大型連休前後に 真夏日のような日が続いて、見頃はアッと云う間に終
わってしまい残念でした。
その代りに薄紫色のクレマチスが、フェンスにからまって大輪を見事につけていまし
た。バラのパートナーと言われるクレマチスはつる性植物で、テッセン(鉄線)とも呼ば
れますが、テッセンとクレマチスは別種だそうです。
テッセンは中国原産で鉄線蓮と称され、雄蕊が花びら化していますが、ヨーロッパで
品種改良されたクレマチスには雄蕊があるそうです。
にじバスの学園東3丁目アパート前停留所近くにあるお宅では、ミルクチョコレート
色のタイル壁にコーディネートしたブラウン系のバラを這わせており、とてもシック。
ティーブラウン系のバラは、映画「クロワッサンで朝食を」を好演したジャンヌ・モロ
ーのような気品があります。
同じ一中通り沿いには自然石風のブロック塀に、真紅のバラが映えていました。
ちょっとレトロな雰囲気です。同じバラでも、建物の外壁やエクステリアとのコーディ
ネートが大事なんですね。コクテールもチラッと覗いて…。
警察学校北側の通り沿いにあるガーデンのフェンスには、白と黄色のモッコウバラ
をミックスさせていました。 白いモッコウバラには 淡い香りがあり、黄色一色よりも
スィートな感じです。また機会を見つけて街中のバラ巡りを紹介したいと思っており
ます。
玉川上水堤ではエゴノキの花がどっと咲いていました。例年より1週間くらい開花が
早く、日中の気温が高めのせいか散るのも早くて…。足元はもうエゴの花のカーペッ
トを敷きつめたようになっています。
こんなに季節が早め早めに進んで行くと、そのつけが局地的な豪雨や旱魃、熱波な
どによる悪循環を招くのではないかと…。
もう散ってしまっているかもしれませんが、水路沿いにヒメウツギ、マルバウツギなど
ウツギの仲間、バラ科のコゴメウツギとノバラの清らかな花も上水の夏を告げて…。