折々通信No.47 消えゆく山百合

        山百合や花の重さに耐えて咲く
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   今年も半年が過ぎて、7月に入りました。本当に月日が経つのが早過ぎて、世の動き
   について行けない日々。バングラデシュで、またも悲惨なテロ事件が起きてしまいまし
   た。国際協力機構のプロジェクトに参加している日本人技術者ら7人が犠牲に。
   心の置き所なく玉川上水堤へ。東京都内も最高気温が35℃を越す猛暑日でしたが、
   上水堤は緑の厚い日除けシートに覆われて、目も心もクールダウン。私にとって最高
   の居場所かも。中央公園から商大橋にかけて500㍍ほどの上水堤に、ヤマユリ(山百
   合)が棲息している場所が10数ヵ所あるはずですが、年々減少しています。
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   6弁の花びらが開くと、直径30㌢以上になるユリ科の中でも最大級の花を咲かせる山
   百合。細長い茎は花の重さに耐えきれない上に、堤の壁面の崩落も進んで…。
   鎌倉橋から下流50㍍ほど壁面にかろうじて留まっている2株は、水面に向かってそれ
   ぞれ2輪の花をつけていましたが、5㌢も壁面の崩落が進めば 水路に根元から落下し
   てしまうでしょう。風前の灯です。
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   鎌倉橋と小松橋の中間辺りには、6輪もの大輪をつけた山百合が今夏も見ることがで
   きました。支柱を立てて見守って下さっている方がおられるようです。
   純白の花びらの内側に、赤紫色の斑点と中脈に沿った黄色い帯があり、気品と優雅さ
   は“ユリの女王”に相応しく、真っ赤な蕊が芳香を漂わせていました。
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   その対岸にも壁面に這うような姿で、4輪もの大輪をつけた山百合が咲いていました。
   南面に棲息している山百合は希少なだけに、その行く末を祈らざるを得ませんでした。
   ヤマユリの花言葉は「純潔」だそうです。
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   日当たりのいい上水堤には目下、ヤブカンゾウ(薮萱草)が真っ盛りで、野萱草と競うよ
   うに緋色の花を輝かせていました。ラッパ型の一重の野萱草の花に対して薮萱草は八
   重で赤橙色も濃いめです。
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   薮萱草もユリ科ワスレグサ属の多年草ですが、中国原産の史前帰化植物で食用に栽
   培されていたものが野生化したので、人家近くの草地などに多いそうです。
   野萱草と薮萱草の競い咲く上水堤は、居ながらにして高原を歩いているような気分にし
   てくれました。大切にしたい景観です。
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   商大橋から下流にかけての堤には、涼味を感じさせてくれるチダケサシも咲いていまし
   た。枝分かれした茎に、淡いピンク色の小花を群がり咲かせていますが、ほっそりした
   花弁の花は夏には珍しい軽やかな風情です。
   乳蕈(ちだけ)という茸は採集するとき、もぎ取った口からミルク状の液が滴ってくるの
   で、この野草の茎に刺して持ち帰ったことから乳蕈刺しという名称に。
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by love-letter-to | 2016-07-03 20:40 | 折々通信 | Comments(0)

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