忘れ得ぬ人々& 道草ノート

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折々通信No.56 秋暑し

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           薮蘭や開かずの雨戸十数年
   9月最意初の日曜日を迎えました。東北、北海道を襲った迷走台風10号で、河川が
   氾濫。行方不明者や孤立した集落が岩手県内に800戸以上もあると伝えられ、救出
   活動が続いております。東京近郊でも日中は蒸し暑い日々が続いて、新涼が待たれ
   る候。玉川上水堤ではヤブラン(薮蘭)が薄紫色の花穂を林立させて秋色に。
   上水堤を週に1~2回 歩くようになって10年あまり。その間、門扉や雨戸が閉まった
   ままの家が目立つようになりました。老夫婦や一人暮らしで手が回らないのかしら?
   それとも寝込んだり、病院か施設に入っておられるのかしら…と、身につまされるこの
   頃です。
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   人が住んでいる気配のない家の軒先にも元気で、こんもり葉を密集させているヤブラ
   ンは日陰・日向、湿潤・乾燥いずれにも強いラン科の常緑草で、上水堤でも下草やフェ
   ンスの足元に大小の群落をなしています。
   10~30㌢近くもある花茎には、花径4~5㍉ぐらいの薄紫色の花をたくさんつけて穂
   状に。花被片は6枚、花柱の周りに 6本の雄蕊が黄色の葯を。花が終わるや否や薄
   緑色の実になり、秋が深まるれて濃緑色から黒に変化していきます。黒い実をつけた
   まま越冬している姿もよく見かけます。
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   このところ鎌倉橋から上流の中央公園付近にかけて、カナカナカナと甲高い蜩の鳴き
   声を耳にすることが多くなりました。ケケケケとけたたましく聞こえることもあります。午
   後3時を回ったナと時報の合図でもあります。そろそろ引き上げようかと足元を見たら、
   下草の所々にキツネノマゴ(狐の孫)も開花していました。
   草丈10㌢ほどの頂部に淡い桜色をした唇型の花が一つ二つ。マッチ棒の頭くらいの
   大きさですが、その存在をアピールするかのように咲いています。
   上唇は白色で下唇の内面だけが薄紅色をしており、狐とは関係ないイメージですが、
   毛の密生している花穂の間から覗いている小さな花が、子狐を連想させたのかも知れ
   ません。
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   先月半ばから相次いだ台風や移動性低気圧により、激しい雨に見舞われることも多か
   ったせいか 上水堤に茸類がニョキニョキ。中央公園付近の新堀用水沿いには大小の
   傘を広げた茸の一団が。茸図鑑を調べても名前が特定できませんでしたが豊作です。
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   上水沿いの下草の間にはホットケーキ大の傘を広げた茸も。
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   鎌倉橋近くのフェンスの下では茸のパレードに出会いました。これら茸が放出する菌類
   が上水の植生と関わって、自生野草を守っているのかもしれません。
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   数日前に訪ねた昭和記念公園の北部ゾーンにある「トンボの湿地」では、頭から胴体
   まで真っ赤なショウジョウトンボ(猩々蜻蛉)に出会いました。猩々は中国の伝説上の
   動物で、それを題材にした能楽などで真っ赤な貌に赤い装束をつけて演じられること
   から、大酒呑みや 緋色のものを指すことが多いようですが、ショウジョウトンボも真っ
   赤でした。
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   赤とんぼと呼ばれるアキアカネは尾の部分だけが赤いけど、ショウジョウトンボは目
   玉まで赤くて、群れて飛ばないそうです。オスは単独で池の縁に縄張りを堅持し、縄
   張りの縁に沿って力強く哨戒飛行。他のオスが飛来すると 20㌢ほどの位置関係を
   保ちながら、にらみ合い低空飛行を見せるとか。警戒心が強く戦闘的なトンボだと、
   湿地の管理をしているボランティアが話しておりました。
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by love-letter-to | 2016-09-04 16:54 | 折々通信 | Comments(0)