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忘れ得ぬ人々& 道草ノート

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折々通信No.58 彼岸を前に

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        彼岸花彼岸を待たず満開に
   9月も第三日曜日を迎え、夕方6時にはもう日が落ちて、時の過ぎるのが一段と早
   く感じられる候になりました。秋雨前線の影響で不安定な天候の日が続いておりま
   したが、一昨日、小平霊園を訪ねましたら、正門近くの彼岸花が もう満開状態でし
   た。明日の敬老の日が彼岸入りですが、玉川上水堤の彼岸花もここ数日がピーク
   ではないかと。
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   彼岸を迎える頃に開花することから彼岸花とされ、真っ赤な6枚のリボン状の花弁
   をカールさせた6個の花が複雑に絡み合って、燃え盛る炎さながら。
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   墓地付近に多く見られ、毒々しくも見えることから「死人花」とか「地獄花」とされる
   地方も多く、私も 「毒花だから触ってはダメ」と聞かされて育ちました。一方、お釈
   迦さまが法華経を説かれたときに、天がこの花を降らせたことから 「天上花」ある
   いは「曼珠沙華」とする正反対の説もあります。いずれにしても記録的な猛暑が各
   地で観察される近年は、彼岸花の開花も早まっているようです。
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   玉川上水・久右衛門橋下流の堤で赤紫色のゲンノショウコが数輪咲いていました。
   白花種もあり、どちらも古くから下痢止めの妙薬に使われ、効能がよいことから「現
   の証拠」と。以前は堤のあちこちに自生しておりましたが、出会うことが少なくなって
   残念です。赤紫も白花も花が終わった後につけるロケット状の実が弾けると、神輿
   の屋根の形になって、とても面白かったのに。
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   中央公園付近の南岸には、ショウジョウソウ(猩々草)も花をつけていました。トウダ
   イグサ科の多年草で、ポインセチアと同じく茎先の小葉(苞葉ともいう)が猩々の顔
   のように赤くなることが名前の由来。赤色化した葉に目が奪われて目立ちませんが、
   葉の上につけている黄緑色の小さな粒々が花です。黄色の蕊を覗かせています。
   猩々は猿のような赤い顔、赤い髪をした中国の伝説上の妖怪で、日本では能のほ
   か各種芸能に登場します。なお、ポインセチアはトウダイグサ科の常緑低木で、猩
   々木とも呼ばれるそうです。
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   小平市立四中南側の上水堤では、真っ白な綿毛のボンボンに出会いました。竹製
   耳掻きの頭についているフアフアの刷毛にそっくり。ダンドボロギクの綿毛でした。
   草丈1メートルあまり、多数に分岐した茎の頭にタンポポの綿毛のような冠毛を。
   その綿毛のボンボンが風に吹かれて、崩れて飛散寸前の姿も。ダンドボロギクは
   キク科の一年草で雑草の類ですが、1933年に愛知県の段戸山で発見されたの
   で、その名前が付けられたそうです。
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   冠毛は非常に繊細で直ぐ飛散してしまうので繁殖力は旺盛、森林伐採地や山火
   事の跡にはびこることが多く、アメリカでは Fire Weed (火の草)と呼ばれている
   とか。しばらく立っているとくしゃみが止まらくなり、目もちかちか。花粉症の方は要
   注意かもしれません。
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   このところ、仲秋の名月も十六夜も見えない日が続いて残念ですが、今宵は立待
   月とか。
by love-letter-to | 2016-09-18 21:04 | 折々通信 | Comments(0)