杜鵑老いも若きも早足で
十月に入って2回目の日曜日。先月からはっきりしない天候のせいか、風邪を引いて
しまいました。まだ咳込んだら止まらず、道草散歩も 買い物ついでに少し足を伸ばす
程度ですが、久しぶりにグリーンロード沿いをのんびり歩いてみました。
3連休中とあって若いカップルや家族連れ、ウォーキングを楽しんでいる姿も多く、行き
交う人々が早足で歩いているのについて行けず、「花の木公園」でひと休み。木製ベン
チの前で、杜鵑(ホトトギス)が風と戯れているようでした。
4~5本植わっているハナミズキ(花水木)の紅葉が始まり、実はもう真っ赤に熟れて空
を仰いでいました。ここ数日で一気に紅葉がすすんだみたい。
道沿いのお宅の庭先では、真っ白な花弁の秋明菊(シュウメイギク)が見頃でした。
日本原産ではなく、古い時代に中国から渡来。菊の名前がついていますが、キンポウ
ゲ科のアネモネの仲間だそうです。英名はジャパニーズ・アネモネとか。ピンクが多い
ようですが、白の方が名前に相応しいような気がします。
数日前に上水堤で出会ったのは、花穂の毛が金色に輝いて見えるキンエノコロ。俗に
エノコログサと呼ばれる花穂より一回り大きめで、褐色化したエノコログサとは違って、
穂そのものは緑色なのに毛が金茶色なんです。同じ日にほぼ同じ場所で撮ったエノコ
ログサと比べてみると、その違いが歴然とします。右は通常のエノコログサです。
犬っころの尻尾のようだから、イヌッコロからエノコロの名前になったそうですが、“猫じ
ゃらし” とも呼ばれて親しまれてきたエノコログサ。毛が紫色のムラサキエノコロもある
そうです。私も一二度出会ったことがあります。
“赤まんま”と呼ばれて親しまれてきたイヌタデ(犬蓼)も今が花の最盛期で、道々に繁
茂しています。ご飯粒をまんまと呼んだり、ままごと遊びなんか廃れてしまった現在で
は、“赤まんま”なんて死語に近いかも知れませんが、昔のまんまの姿で咲いています。
何の役にも立たないタデということから、犬蓼と名付けられた雑草の類ですが、上水堤
にはまだ自生環境が保たれている証でしょう。頑張れと言いたいです。
下草の茂みに一二輪咲いていたのはタマスダレ(玉簾)。晩夏から秋口に咲く花ですが、
透き通るような白い花弁を開きかけていました。遅れ咲きしているようです。
キツネノカミソリなどと同じヒガンバナ科の球根植物で、ニラや細葱に似た葉がよく茂る
ので、簾に見たてられ、その葉の間から覗く玉のような蕾の姿から玉簾の名前がつけら
れたとか。
まだ風邪が治りきってないので、この辺で。