喜寿にして田んぼで書初め初体験
年明けて2回目の日曜日、日中の気温も7℃しか上がらず、午後から
冷たい雨も降ってきました。明日は成人の日。雪にならないといいけ
ど…。
「田圃で凧揚げをして、書初めをしませんか」と、紙匠・吉田徳雄さ
んから誘われ、正月二日、八王子小比企町の磯沼牧場で行われたイ
ベントに参加してきました。例年、三が日は近くの神社に初詣するく
らいで、寝正月に近い過ごし方をしてきた私には初体験ばかりでした。
年末年始ダイヤのバス電車を乗り継いで、京王線山田駅から徒歩7~
8分、なだらかな小比企丘陵の南斜面に広がる磯沼牧場へ午前10時
にたどり着いた時は、5~6組の親子やアウトドア愛好家たちが和凧
に絵や字を書いていました。「北側に山を背負っているから、ここは
温かいんですよ」と、牧場主の磯沼正徳さん。
磯沼牧場では市街地にある牧場のロケーションを有効活用して、牧場
体験、牛やヤギ、ヒツジなどとのふれ合い教室など様々なイベントを
実施しており、書初め・凧揚げ会も今年で3回目。立川駅南口で和紙
と書道用品専門店を開いている吉田さんの指導で、凧に絵を描いて尻
尾と糸をつけて、磯沼家の田圃で凧揚げを楽しんだ後、長い巻紙に参
加者で書初めをしようという催しでした。
この日のランチはミルク雑煮と聞いて、牛乳と餅のミスマッチな取り
合わせが不安でしたが、磯沼家の田畑で採れた糯米でついた餅に大根
とネギ、絞りたての牛乳を使ったミルク雑煮も、マイルドで信じられ
ないほど美味でした。ダッチオーブンで煮込んだチリコンカーン、炭
火焼のフランクフルト、ビーフの燻製の炙り焼き…いずれも初体験の
味でした。特にマシュマロを炭火で少し焦がした味は忘れられません。
北野街道と湯殿川沿いにかけて広がる田圃は、電線に遮られない新春
の青空が広がって、凧揚げに最高!
半紙大の手づくり凧でも、よく上がりました。「凧揚げ日和だ!」と、
吉田さんも目を細めていました。
約1時間、凧揚げを楽しんだ後、大きな筆で参加者が一字ずつ「あけ
ましておめでとう…」と、書初めに挑戦しました。吉田さんが用意し
た巻紙は長さ20㍍あまり。田圃に長々と。
墨をたっぷりつけた筆の重さ5~6キロにもなり、膝で支えながら字
を書くそうで、幼児たちはパパやママに支えてもらいながら、字を書
く体験をしました。
自然の中で日本の伝統である書道を体験するのが狙いだそうです。
墨の香りが正月晴れの空に広がって行きました。
またとない経験をした2017年の初体験でした。