寒木立耳を澄ませば四十雀
1月第3日曜日の今日は、今冬一番の強い寒波の影響で日本海側から
関西、東海地方にかけても大雪に。2㍍を超す積雪で、屋根に積もっ
た雪が崩れ落ちたり、除雪作業中に命を落としたり、ことに年老いて
豪雪地方で暮らすのは大変だと胸が痛みます。新潟の限界集落に別荘
を持つ友人の話では、雪下ろしを頼むと1日2万円はかかるそうです。
小平でも日中の気温は4℃。朝は戸外の水道菅が凍って、路面も粉を
振りかけたように凍っていました。こんな日は日向でも底冷えがして、
上水堤を歩く姿も少なく、野鳥の声や羽ばたきがクリア-です。
寒波が押し寄せる数日前には、上水堤の貫井橋付近でオオイヌノフグ
リが開花していました。今月3日に歩いた時にも数えるほどですが、
コバルトブルーの4弁の花びらを広げていました。
オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢)だなんて気の毒な名前ですが、春に
先駆けて開花。オオバコ科の越年草で全国至る所で見られ、瑠璃唐草、
天人唐草、星の瞳などファンタジックな別名も。
回田町の駐車場のヘリにはホトケノザ(仏の座)も、例年より2週間以
上も早く開花していました。年明けから温かい日が続いていたので、
仏様の台座に似た葉の上で浮かれだしたように見えました。
でも、オッとどっこい、季節はそうそう簡単に冬から春へギアチェンジ
してくれません。アップダウンの激しい年になりそうです。
上水沿いの民家の庭でもロウバイが香り、小金井公園・梅の園の素心蠟
梅(そしんロウバイ)も満開に。半透明でツヤのあるクリームイエローの
花びらがまるで蝋細工!臘月(ろうげつ:旧暦12月)に咲くことから蝋梅、
あるいは蠟梅と。冬の花で、上品な香りは冬の厳しさを和らげてくれます。
フェンスに遮られて上手く撮れなかったのですが、休耕地ではナズナ(薺)
も草丈が40㌢前後になって、白い小花をわんさか開花。春の七草の一つ
で、三味線のバチに似た実も結んでいました。その実の姿から別名ペンペ
ングサ、シャミセングサ(三味線草)と。ネーミングが何とも巧みで…。
ノゲシも路傍の脇や上水堤でも開花していました。ノゲシ(野芥子)は、葉
がケシに似ているだけで、ケシとは全く別種でキク科ノゲシ属の一種。
別名のハルノノゲシと呼ばれることが多いようです。花はそっくりで葉の
棘が鋭く、ごわごわしているのはオニノゲシ。市街地では越年化している
のか、最近は季節を問わず咲いているのを見かけます。
これからしばらく極寒の日が続いて、上水ウォークもさぼりがちになりま
すが、厳冬期でないと見られない花やシーンもあり、ボチボチと…。