近在に花は咲けども春寒し
2月第2日曜日の今日も「早春賦」の歌詞通り、春は名のみで、 風
の寒さが身に凍みる一日でした。3月並みの温かさで立春を迎えたの
に、その翌日からドーンと冷え込んで、日本海側では中国、近畿から
東北にかけて豪雪に見舞われております。
その間、旧友を訪ねて五日市線武蔵引田へ。拝島~武蔵五日市間は、
日中30分に1本の電車しかなく、ホームで長々と待つことになりまし
た。駅周辺にはコンビニもなく、ホームの端から端まで行ったり来た
り。南側に広がる畑地の真ん中に紅梅でしょうか、この寒さの中でも
満開状態でした。百草園など近在の梅も見頃を迎えているとのこと。
自宅から小平駅までのバスの車窓、小平から拝島までの電車からも河
津桜が咲いているのを目にしました。
伊豆河津桜も見頃を迎え、河津桜まつりも始まったそうですが、多摩
地域でも最近、河津桜が目立つようになりました。早咲きでピンクの
色が鮮やかですから、植栽が進んでいるのかしら?
上は自宅近くの個人宅で撮った河津桜です。まだ幼木ですが立春早々
から開花しました。
そして桜草も。冷たい北風にもめげず…。
玉川上水堤でも、小桜橋~茜屋橋間にアセビが開花。小さなランプ型
の花をつけた房をたわわにつけていました。馬酔木と書いてアセビ、
ツツジ科の常緑低木です。
枝葉に「アセボチン」という有毒成分を含んでおり、馬が食べると酔
払って足がなえることから「足癈(あしじひ)」と呼ばれ、次第に変
化して「あしび」そして「あせび」となったそうです。
近世までは馬が主要な陸上交通手段で、山路や街道筋にもアセビが多
く自生していたそうです。万葉集にも「「わが背子に わが恋ふらくは
奥山の あしびの花の 今盛りなり」など、大伴家持の3首が。
茜屋橋下流左岸にはウグイスカグラもチラホラ、小さなラッパ型のピン
クの花を。5月頃に赤く熟する実は鶯の大好物で、神楽を舞うように
群がることから鶯神楽の名前になったそうです。
花径は1㌢にも満たないけれど、赤く熟した実はナツグミをの半分くら
いで、甘酸っぱくて美味しい実です。鶯ならずとも野鳥たちの大好物ら
しく、熟れるや否や彼らに食べられてしまうようで、なかなかお目にか
かれません。