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忘れ得ぬ人々& 道草ノート

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折々通信No.89 風光る

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          守りたき緑の遺産や風光る

 4月も半ば、第3日曜日に。久しぶりに快晴サンデーを迎えたような

       気がします。初夏のような陽気に誘われて玉川上水へ。

       染井吉野はもう葉桜になりましたが、新緑が眩しくて、花に負けない

       ほどカラフルです。芽吹き始めは茶っぽく、くすんでいたケヤキも鮮

       やかな黄緑色に。緑白色だったクスノキも黄緑色に。前を行く人たち

       は新緑の中へ溶け込んで行くよう!この時節は風光る候とも。

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      新緑と一口に言っても若緑、浅緑、薄緑、萌黄、薄萌葱、若苗色、若菜

      色、若葉色、柳色…と、日本の伝統色には様々な美しい表現が。

      そんな豊富な新緑に出会える玉川上水は、歴史的遺産だけでなく、

      “緑の遺産”も有しており、次代へ受け継がなければと思います。

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      旧小川水衛所跡の橋から水路を眺めると、老銀杏の枝先が流れに

      垂れかかり、幼葉が舞っているようでした。

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      鎌倉橋から下流の桜橋にかけては、堤の緑の中にフデリンドウが!

      草丈5~10センチ、花の大きさは3~4センチ前後で、まだ落ち葉

      も残る堤でコバルトブルーの花を。7~8輪も開花している株もあ

      れば、1~2輪の小さな株もあり、小鳥の雛が嘴を開いて餌をねだ

      っているような姿にも見え、清楚で愛らしい。

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     フデリンドウ(筆竜胆)はリンドウ科の越年草で、花冠の先は5つの

     長い裂片と5つの短い裂片(副片という)に分かれて、上向きに開

     花。コバルトブルーの花は日が照らないと開かす、花を閉じている

     姿が筆先に似ていることから、その名前がつけられたという。上水

     堤の貴重な宝石のような存在です。

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     桜橋上流右岸の自生野草観察ゾーンでは、ニリンソウの群落が開

     花して、見頃に。大きい群落になると、畳3~4枚分に白い5弁の清

     楚なお花畑に。近隣では数少ないニリンソウのサンクチュアリでし

     ょう。

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     ニリンソウ(二輪草)はキンポウゲ科の多年草で、その名のように

     一茎に二輪の花をつけますが、川中みゆきのヒット歌謡の歌詞のよ

     うに、まず一輪が咲いて、少し遅れて二輪目が開花。

     白い花びらに見えるのは萼で、通常は5枚ですが、6~7枚つけてい

     る例も殖えてきました。

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     ニリンソウの群落から1キロ余り下流・小桜橋~茜屋橋にはイチリン

     ソウの群落も3ヵ所ほどあります。同じキンポウゲ科の多年草です

     が、頭花は4~5倍くらい大きく、葉も3つに大きく分かれ2回羽状

     に分裂して切れ込みが深くニリンソウとは違います。同じ場所に咲

     いてないので、比較できないのが残念!

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     イチリンソウの群落の近くで、白花タンポポにも出会いました。日本

     在来種であり、本州関東以西、四国、九州に分布し、西の方ほど多い

     そうです。



by love-letter-to | 2017-04-16 23:42 | 折々通信 | Comments(0)