忘れ得ぬ人々& 道草ノート

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心の杖と夢

       ◇ 心弾む年賀状 ◇
高橋二六さんから頂く賀状も毎年心待ちにしている。宛名も二六流の筆文字で書かれており、賀詞も毎年ありきたりではなくてすこぶる楽しい。
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二六さんに初めてお会いしたのは昨年で16回目を迎えた『世界障害者絵画展』のスタートの年だった。平成3年より毎年、小平市天神町の三菱電機ビルテクノサービス人材開発センターの体育館で開催されている。

先天的あるいは病気や事故災害などで手に重い障害を負いながらも、足や口で筆を使いながら絵を描くことに生き甲斐を見出し、芸術作品を生み出している国内外の画家たちの作品展だ。絵を見る限りでは、手が不自由な人が描いたとは全く感じさせない作品ばかりで、それぞれの労作に心酔してしまう。

前向きに生きることの素晴しさを、ひたむきな命の輝きを、秘めたる力の大きさに感動せずにはいられない。アフリカや東欧諸国の画家もいて世界とのつながりも深く感じられる。
世界でも例の少ない素晴しい絵画展ではないだろうか。

       ◇ 小平市の一隅で世界障害者絵画展開催 ◇
エレベーターやエスカレーター、空調、セキュリティなどビル設備の運営管理を業務とする企業の人材開発センターで、何故、世界の身体障害者の作品が展示されるようになったのか…。小平市の一隅で・・・。
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この企画を発案した高橋二六さんの話では、全国から研修や新しい技術の習得に訪れる社員のために新装した宿泊棟が殺風景で、壁に飾る絵を探し歩いていた時、『世界身体障害者協会』の作品に出会ったそうです。

「その出会いから作品を譲って頂くことになったのですが、自分たちだけが見るのは勿体無い力作ばかりで、地域の人たちにも楽しんで貰いたい」と、人材開発センターの社員の手作りで公開が始まった。回を追うごとに手弁当で有給休暇を使って会場係に駆けつける社員が増え、全社的に広がったと感激している高橋さんだ。

現在では同社の支社のある都市をはじめ全国160都市を巡回して、約42万人が観覧しているそうだ。そのきっかけを作り、定年退職される直前の10回展まで責任者を務めた高橋二六さんだが「絵との出会い、人との出会いが花咲き実を結んだようです」とテレるばかりだ。

       ◇ 二六流書道の作品展 ◇
退職後しばらくして顔を合わせたとき「字を褒めてくれる人がいて、我流ですが書道を始めました」と聞いて、高橋さんから頂いた礼状や賀状の“絵のように味のある筆文字”に感激してきた私は、やっぱり目の効く人がいるんだナと嬉しかった。

2001年の賀状には「仲間の誘いを受けて1月松明けから三人展を開催することになりました。絵画と写真に私の書を12~13点ずつ展示します」と、遠慮がちに書かれていた。

たしか3日目だったと思うが、京橋の『並樹画廊』で開催されている『第一回 三人展』に出向いて、高橋さんにとっては初めての作品展を拝見した。「一期一会」「心」「夢」などの文字が温かくて墨の色の奥深さに見とれてしまった。
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高橋さんは小学5~6年生の頃に書道会に入って字を書くのが楽しかったものの、それ以来筆を握ったことはなかったそうだが、私は“好き”に勝るものはないと思っている。“惚れる”のが最高の“道連れ”だ。そして幸せだ。

退職後、惚れ込んだ書とテニスを道連れにしている高橋さんは、何時お会いしても幸せそうで、私まで幸せにしてくれる。

       ◇ 夢と心の杖となった言葉を初個展で ◇
2006年のゴールデンウィーク明けには「初めての個展をやることになりました」と、案内状を頂き、5月末に花小金井駅近くの『茶房・ギャラリー 萌木』で高橋さん念願の初個展が開催された。個展が一つの夢だった。

山小屋風の小さなギャラリーの壁には、独特の筆使いで書かれた「」の字と並んで「ありがとう」「すいません」「おかげさまで」「下駄は揃えて脱ぐんだよ」・・・と、高橋さんの母親が口癖にしていた言葉も色紙に書かれたり表装してあった。それらの飾らない言葉が語りかけてくるようだった。
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「片田舎で90歳の大往生をとげたオフクロの言葉で私は育てられ、道を外れず今日まで生きて来た心の杖のようなものですから・・・」と高橋さんは歯にかんでいた。六男三女の末っ子で紀元2600年(昭和15年)に生まれたから“二六”と名づけられたそうで、長兄とは親子ほども年の差があったせいか、母親にはことのほか目を掛けられて育ったとのこと。

母親に声かけられた言葉が“心の杖”だなんて、何て素晴しい表現なんでしょう。きっとお母さんも愛情に満ちた素晴しい母親だったでしょうが、童心を持ち続けている高橋二六さんも羨ましい。「を持ち続ければ、必ずかなう」と、を追いかけている。

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左は二六さんの字で書かれた花小金井南町の『茶房 萌木』の看板
右は晩唐の詩人・李商隠が長安を見下ろす高台に登って夕暮れを眺めながら詠んだ
詩の一節「夕陽無限好 只是近黄昏」からで、消え行く唐の時代と重ね合わせながら、
人生の晩節も夕陽のように輝いて生きたいと詠じている。
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by love-letter-to | 2008-01-05 21:31 | 人間万歳! | Comments(13)
Commented by おくさま at 2008-01-06 00:22 x
小平のモグラさん!
高橋二六さんからの賀状、  本当に素晴らしいですね。
書家として卓越されていらっしゃるのでしょうね。

最近の書は、展覧会用に、あれこれ崩したりして、読めない文字を
書く事が多く、展覧会に行ってもどれも、似通っていて面白くありません。
何時か「ルネ小平」で展覧会された先生の文字も「高橋二六さん」
の文字と同じタッチで筆を運んでいて、「素晴らしい・・・・」と感動した事があります。
何だか「高橋二六さん」のこの文字は、何処かで拝見したように感じます!
今、眠くてボーッとしていて、思い出せない・・・・
是非、展覧会等の機会がありましたら、教えて下さいませ。
   書は心落ち着かせて書かねば・・・・
最近筆握って居なく反省!  でも、もう書けない!
 
Commented by 小平のモグラ at 2008-01-06 10:15 x
おくさま、お早うございます!
おくさまがルネこだいらで素晴しいと感動されたのも、
高橋二六さんの書だったのではないかと思います。
とても印象的な文字ですから。

書道をやっておられただけに、おくさまは感度が鋭い
ですね。一度、ひのき会の打ち合わせでご一緒した
花小金井南口の『茶房 萌木』の看板も二六さんの
字です。後ほどその看板も掲載してみます。
同店内にも二六さんの書が1~2点飾られています。
またご一緒したいですね。
Commented by ♪あのねのね♪ at 2008-01-06 10:34 x
モグラさん おめでとうございます。
本年もどうぞ宜しくお願い致します。

昨年は思いがけない「ひのき」に会うことができ、また平岡先生のアトリエにも伺えて幸せな事でした。
本年も変わらぬお付き合いのほどよろしくお願い致します。

二六様の書は本当に味のある心から伝わる絵心のある温かい書
ですね!そう言えば「萌木」の中にも飾ってありましたね?
温かい書だなぁ~と思っていました。
この様な書は習って出来るものでは無く天性と言うか心からお書きになるものなのでしょうね?

モグラさんは沢山の友人そして作品と言う財産をお持ちで、凄い事です。その一遍をこうして、ブログを通して我々にも披露して下さり
とても幸せな事です。今後も楽しみにお宝を拝見出来ると思うとゾクゾクして来ます。

また「萌木」に行きたくなりました。
Commented by okufuu at 2008-01-06 11:16
小平のもぐらさん
早々に賀状ありがとうございました
昨年は大変お世話になりました
高橋二六様はよく存じております。ご本人様は私など分からないでしょうが・・・社協の関係で私も三菱ビルテクノの障害者絵画展には
毎年のように行っております。
書も素晴らしいですね。
それより面白いことは私の親友のご主人さまも {二六}と言うお名前なので、今日電話をして紀元2600年生まれですか?と聞きましたらそうだと言っていました。♪紀元は2600年あぁ一億の夢が湧く♪
古いハナシ・・・すぐに私は歌が浮かんできてしまいま~~す。
もぐらさんにはいろいろなお話を聞かせていただきありがとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
Commented by kikue1017 at 2008-01-06 13:23
小平のもぐらさん
この書はとても素敵で、私の印象に残ってました!
『茶房 萌木』の看板と、確かに店の中にも、数点ありましたね。

ルネ小平での書展で見たのは、「渡邉 天風さん」とその門下生でした。私の知り合いの先生でした・・・・
やっぱり印象に残っていますので、共通点があるのでしょうかしら?

私の所属していた、日本書道協会の「鶏声会」にも、やはり、
先生の域を超えた先生が、このような文字を書いて書展に出品された事があります。
私も何時か書いて見たいと思いつつ・・・・・
残念!       Byおくさま
Commented by 小平のモグラ at 2008-01-06 19:32 x
はつ音さん、あなたから頂いた手描きの年賀状も
私の大事なコレクションにしてあります。
毎年、素敵な賀状を有難うございます。

二六さんの書は楽しいでしょ。型にはまらず我流だから
二六さんの味があるのでしょうね。

また『萌木』の雑穀粥ランチを食べに行きましょう!
そろそろ冷凍庫のおから饅頭もなくなりそうですから。

『忘れ得ぬ人々』をブログに綴ってみて、本当に様々な
方からハートのプレゼントを受けていたことが分りました。

はつ音さんを初めブログサークルの皆様有難う。
Commented by 小平のモグラ at 2008-01-06 19:50 x
ふおうさん、小平で初日の出を見る企画は元旦早々
大ホームランでしたね。私も参加したかったけれど、
恒例のおせち作りに重ねて、息子一家との年越し蕎麦
騒ぎで、ベッドに入ったのは元旦の午前零時を回って
おり、起き上がれませんでした。残念無念!

お友達のご主人も二六さんだとか。紀元2600年(昭和15)
という年は、記念すべき特別な年だったようですね。
私の高校時代の友人には六百子とかいて「むつこ」と読ま
せていました。やはり紀元2600年に因んだ名前です。

今年の世界障害者絵画展には、ブログの会でも誘い合って
行きたいです。多分、5月下旬です。
Commented by 小平のモグラ at 2008-01-06 20:03 x
おくさま、パソコン書道というジャンルもあるそうですよ。
書道の嗜みがおありになるおくさまなら、きっと上達も
早いのではないかしら。

俳句に書道に手芸、そしてゴルフとパソコン…本当に
趣味が広くて楽しめることを沢山持っているのが羨ましい
です。
Commented by cheery at 2008-01-06 21:12 x
モグラさん こんばんは
もう明日は7日というのに、未だエンジンがかかりません。
これは、お正月呆けと云うのでしょうか?

世界障害者絵画展の絵はどれも素晴らしいですね。
特に静物画などは、傷害のある方のものと聞かなかったら
著名な画家の作品と思って仕舞いそうです。書道はそれぞれに
高橋二六さんの温かなお人柄が作品に現れている気がします。
「夢」も「ありがとう」「すみません」・・などみな一番大事な言葉
ですね。「下駄は揃えて脱ぐんだよ」も愉快ですね。文字に見とれて
ついつい、「ハイ、わかりました!」といって靴を揃えたくなります。
「萌木」の雑穀粥が懐かしいです。とっくに美味しい「おから饅頭」も
欲しいし、是非ご一緒したいです。その時出来たら玉川上水の
草樹の花シリーズポケット図鑑を見せて頂きたいです。
Commented by 小平のモグラ at 2008-01-07 11:03 x
cherryさん、お早うございます。私もまだ正月気分が
抜けなくて…。それに冷え込みも厳しくなって冬眠した
くなります。

世界障害者絵画展は本当に素晴しくて、毎年、心を引き立てて
くれます。今年は是非ご一緒に!

二六さんの書も愉しくて、cherryさんのおっしゃるように
「ありがとう」「すみません」などの言葉を大切にしたい
ですね。偽がはびこる世の中ではなおさらです。

「萌木」でのランチでデートもしたいですね。私の
「玉川上水の草樹の花」ポケット図鑑も見て見て!
という感じで、見ていただきたいです。
Commented by おくさま at 2008-01-10 11:33 x
小平のモグラ さん
確かに色々と興味を持ち手を広げ過ぎです・・・・・

華道・書道・俳句・刺繍・編み物・洋裁・和裁・
木目込み・七宝・アートフラワー・
太極拳・英会話・テニス・ゴルフ・パソコン・
旅行&友人の会(6個以上かな・)・・・・・
仕事もしてましたよ!(ものになったのも、中途半端も・・・)
未だ、あるかも・・・・・・

「重ならない限り断らない!」と今まで忙しく猪の如くでした。
私は亥年!   今年は、少しブレーキかけて進みます!

書の事ですが・・・・
≪相田みつを≫の書と文章も凄く好きです!
本当に良い事書いてますよね!

今後とも宜しくお願いします。(2月は、冬眠します!)
Commented by 小平のモグラ at 2008-01-11 20:15 x
おくさまの多彩さには驚きましたが、それだけ
意欲のあることは素晴しい!各分野に仲間ができて
ネットワークも広がって…。家族と友達が財産だと言わ
れますから、おくさまはもの凄い財産家ですね。

高橋二六さんも相田みつをの書に刺激を受けて、
書道を本格的に始めたそうです。その人となりを
字や言葉で表現できるなんて素敵です。特に
金釘流の字しか書けないモグラの羨望の的です。
亥年のおくさま、モグラのように冬眠などしないで!
Commented by kikue1017 at 2008-01-12 02:03
小平のモグラさん
何時も素敵な生き方されていらっしゃるので、見習たいと思いますが・・・・なかなか~~~。
宜しくご指導下さいませ!
そうそう、着付けもしました。着物は大好きで、以前は良く着ましたが、最近着る機会が無くて・・・・
皆さんで着物でランチ等如何かしら?

2月はちょっと健康で居られる様に、○○○で安静にしますので・・・

     Byおくさま