忘れ得ぬ人々& 道草ノート

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カテゴリ:折々通信( 115 )

折々通信 No.15 黄落期

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            墨の色 人生重ね 黄落期
   いい夫婦の日だった昨日、八王子市民文化会館・いちょうホールで開催されている
   吉沢和子さんの書展「墨の周辺展」へ。
   書道展には何度か足を運んだことがありますが、こんなに多彩で楽しめる書展は初
   めてでした。墨の濃淡がカラフルに感じられ、絵のように感じられる書道展でした。
   同市在住の吉沢さんは前衛書家・榊莫山(2010年没)に師事して、バクザン先生か
   ら、「絵と書のはざまから光を放つ」と絶賛された書家です。2000年に国際公募アー
   ト未来展で内閣総理大臣賞を受けています。
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   同ホールの展示場1階と2階で展開された吉沢さんの書展は、はがきサイズの作品
   から掛け軸、4曲屏風の大作まで90点あまり。「26歳から書を本格的に習い始めて
   半世紀近く、自分を見つめ直すとともに、これからの自分の道を求めるために、初期
   から今日までの作品を展示することにしました」と吉沢さんは語っていました。
   パソコンやスマホの普及で文字を書く人も機会も減少していますが、仏教の伝来とと
   もに根付いた漢字文化と日本で発祥したかな文字の素晴らしさ、漢字と仮名文字で
   綴られてきた古典の数々。吉沢さんは好きな句や短歌、詩やフレーズに出会うと、そ
   の世界を書で表現したくなるそうです。書も自己表現の一つだと語っているのが心に
   残りました。啄木も賢治の作品も吉沢さんの書になると、その時代が重なってくるよう
   な気がしました。
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   書のお弟子さん達から「先生は山も好きなんですよね?」と聞かれて、「そう大好き」と
   答えていたので、吉沢さんは山登りもするのかと驚いたら、「山を見るのが好き」と。一
   同大笑いしてしまいました。好きな山に出会ったら、その山の姿を書にするそうで、吉
   沢さんの「山」の字は団子を連ねた山から急峻な山まで、変化に富んでいます。こんな
   に自由に字が書けたら…と、羨ましくなりました。お手本通りに書こうとするから書道が
   嫌いになった人も多いのでは?私もその一人です。

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   「智恵子は東京に空が無いといふ、ほんとの空が見たいといふ」「あれが安達太良山、
   あの光るのが阿武隈川…」「小鳥のやうに臆病で、大風のやうにわがままなあなたが
   お嫁にゆくなんて」など、吉沢さんは高校時代、担任の先生が朗読してくれて以来、高
   村光太郎の詩集『智恵子抄』に惹かれ、書でもライフワークの一つにしています。

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   智恵子の実家のある二本松市や安達太良山、精神病を患った智恵子と光太が過
   ごした地、戦後、光太郎が思索のために移り住んだ花巻市などを訪ねるほどの凝り
   よう。今回の書展では 『智恵子抄さすらい』 と称したコーナーも。上は和紙に溶かし
   た蝋で 『智恵子抄』のフレーズを書き、墨を置いた後、蝋を溶かして仕上げた労作。
   150㌢足らずの小柄な吉沢さんの何処に、そんなパワーが潜んでいるのでしょうか?
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   清酒や焼酎のラベル、本のタイトルや挿画、暖簾、岩波書店のポスターなど吉沢
   さんの書の世界は多彩です。
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  同展から帰途、お寺の境内で目にした落ち葉です。そろそろ暮紅葉から黄落の時期に。
   下は吉澤さんの書いた来年の干支「申」です。
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by love-letter-to | 2015-11-23 17:16 | 折々通信 | Comments(0)

折々通信No.14 桜紅葉の頃

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         名勝を受け継ぐ桜もみじして
   11月も半ばを迎え、上水堤の木々も色づき始めました。と言ってもケヤキやコナラ、
   クヌギ、シデ類の多い上水沿いは黄葉褐葉が主で、紅葉の名所のような鮮やかさは
   望めません。それでも黄葉褐葉が進むと、ライトが当たったように辺りが明るくなって、
   何処か違う地を歩いている気分になります。
   そんな上水堤で、ひと際鮮やかなのは桜紅葉です。「名勝小金井桜」としてリストアッ
   プされている桜樹は、痛々しいほど老化が進んでいますが、それでも鮮やかな紅葉
   を見せてくれます。
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   「名勝小金井桜」に指定されている地域(小金井橋を中心に東西6キロ)の西端に位
   置する小川水衛所跡。敷地内の橋の欄干にも桜紅葉が一枚。この欄干の上は落葉
   の休憩所みたい。地に還る前のひととき、音もなくやって来て去って行きます。
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   小川水衛所跡には公孫樹の古木があり、下枝が水路をまたぐように伸びています。
   上水流域で最大の公孫樹だといわれています。縦に円錐形に伸びる公孫樹が多い
   中で、簾のように枝垂れて黄葉しているのは珍しいのではないでしょうか。黄金色に
   輝く日も間近でしょう。

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   今秋はここ数年来になくマユミの実が豊作で、巾着型の実莢が裂けて赤橙色の実を
   覗かせいました。マユミは中国と日本の山野に自生する落葉低木あるいは小高木で、
   材質が強くよくしなるため古来より弓の材料として有用され、名前の由来に。マは真,
   ユミは弓を指す。現在では印鑑や櫛の材料になっているそうです。
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   ガマズミとカマツカの実も赤々と輝いていました。ガマズミは初夏に大人の掌大の葉
   に乗っかるようにして、白い小花を密生して咲きます。赤い実もその花序の通りたわ
   わにつけていました。カマツカも初夏にリンゴの花に似た花を咲かせると思ったら、カ
   マツカもリンゴもバラ科なんですね。材質が硬くて丈夫なため鎌の柄に使われたこと
   からカマツカ(鎌柄)の名称に。
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   赤い実の中でも特にユニークなゴンズイの実も、今秋は鈴生りでした。直径1~2セン
   チの球状の袋果がパックリ割れて、黒大豆のような種が果皮にくっついている姿は何
   度みても ドッキリしてしまいます。真っ赤な袋果の内側は肉感的で、怪獣が口を開け
   て黒い珠を飲み込もうとしているようにも見えます。樹皮がゴンズイという川魚に似て
   いるそうです。
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   黄ばみ始めた上水堤はライトを照らしたように明るくなってきました。ランナーにもウォ
   ーカーにもベストシーズンです。
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by love-letter-to | 2015-11-16 01:39 | 折々通信 | Comments(0)

折々通信No.13 秋深む候

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         また一枚喪中の便り秋深む
   立冬を迎え、北国からは雪の便りも届くようになりました。
   昨日一枚、今日一枚と、このところ喪中のはがきが届くようになりました。
   もう、こんな季節か…と、秋の深まりを感じます。そろそろ片付けも始めないと…。
   坪庭程度の玄関先やフェンス沿いも落葉が増えて、落ち葉掃きにも追われる候に。
   秋日和が続いていた先週半ば、久しぶりに森田オープンガーデンへ。
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   丈なしていたオミナエシ(女郎花)やシオン(紫苑)、ルドベキアなどはもう末枯れて、
   コスモスだけが残花を保っていました。ちょっと侘しさの漂うガーデンも嫌いじゃない私。
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   花数の少なくなったガーデンで、オーナーの森田光江さんがコスモスの根元で立ち働
   いていました。「そろそろ寝かせてやらなくっちゃ」。茎を束ねて頭花が地につくように倒
   してやると、こぼれ種が発芽しやすくなるそうです。
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   見られる花の少なくなったガーデンですが、真っ赤な実をたわわにつけたツルウメモ
   ドキやマユミの枝を、朽木のオブジェやガーデンテーブルなどにからませたり、壺に投
   げ込まれて晩秋のムードを盛り上げています。

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   「今秋はカラスウリも豊作よ」と、森田さんに云われて見上げたら、真っ赤に熟れた
   カラスウリの実が鈴生りでした。カラスウリはウリ科の多年草で雌雄異株ですから、雌
   雄揃って植わっているのでしょう。 「夏の夜、レース編みのような花が開花するのを見
   たかった」と言うと、夜間照明もしているから、来年の夏、見においでよ」ですって。
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   玉川上水堤でもカラスウリの花は沢山見かけますが、雌株が少ないせいか実に
   出会うことは難しく、それでも今秋は赤く熟れた実を2~3個見たので、ここ数年来の
   豊作ではないかと。別名は タマズサ(玉章、玉梓)、花言葉は「よき便り」「誠実」「男
   ぎらい」だそうです。よき便りがあると信じたいけど、このところ企業の倫理が劣化し
   て信じられないことが続きます。
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by love-letter-to | 2015-11-09 16:22 | 折々通信 | Comments(0)

折々通信No.12 夕焼けの里へ

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           満天星(どうだん)も夕焼け色に案下道(あんげみち)
   今日から11月。朝夕はぐんと冷え込んできました。
   先週引いた風邪はしつこくて、「もしかしたらインフルエンザか」と、咽喉科の医師に
   聞いたら、「インフルエンザなら高熱が出ます。この風邪が治ったら、すぐにワクチン
   を接種して下さい」と、薄笑いされてしまいました。
   咳が出始めたら止まらない状態だったのですが、前々からの約束で八王子市の西
   奥、上恩方まで出かけました。八王子駅から車で送迎してくれるそうで、何とかなる
   だろうと。甲州街道追分交差点から陣馬街道を一路西へ。下恩方付近から山沿い
   を走ると、紅葉している木々が目立つようになりました。陣馬街道は以前は案下城
   に通じる道で、案下道と呼ばれていました。
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   上恩方は「夕焼け小焼け」で知られる童謡詩人・中村雨紅の故郷。雨紅は日暮里
   小学校の教職時代、八王子駅から上恩方の生家まで16キロを毎日歩いて往復し
   ていたそうです。上恩方に入ると民家がまばらになり、雨紅が歩いていた時代にタ
   イムスリップした気分に。この日訪ねる約束をしていた「一刻藝術会館」へ。
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   白いタイル張りのモダンな建物で、仏像彫刻家・田中一刻さんの遺作が展示され、
   広々とした喫茶店も併設されています。「立ち寄る人がいるのかしら」と心配したら、
   「いいのよ、たまに寄ってくれる人がいる程度で」と、一刻未亡人の毬藻(まりも)さん。
   植え込みの満天星ツツジが真っ赤に紅葉して、夕焼け色でした。
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   昭和2年に雨紅が他界して90年近くにもなるのに、上恩方の人々は慕い続けてい
   るそうで、毬藻さんも「恩方の夕焼けは今でも歌詞の通りの雰囲気よ」と。八王子市
   の書家の吉沢和子さんが書いた歌詞の書を、展示館の壁に掲げてありました。
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   毬藻さんの入れて下さったコーヒーと栗のお菓子をご馳走になって、帰路は陣馬街
   道の川原宿から、高尾方面に向かう美山街道を。八王子霊園沿いの街路樹が紅葉
   の真っ盛りで、甲州街道の銀杏もかなり色づいて…。
   心配していた咳も軽くゴホンゴホンする程度で、やれやれ。
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by love-letter-to | 2015-11-02 00:14 | 折々通信 | Comments(0)

折々通信No.11 秋の声患い

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          秋の陽のこぼれたるかな紅の葯     
   一片の雲もない碧空が続いていますが、先週の24日夜には東京でも冬の訪れを告げ
   る「木枯らし1号」が観測されました。昨年より3日早かったとのこと。
   そのせいか私も風邪を引いて喉が腫れて声が出ない状態。恋煩いならぬ“声患い”。
   夜になると咳込んで食欲も気力もイマイチですが、寝込むほどではないのが幸い!
   今月20日頃から玉川上水・鎌倉橋付近で米粒を散らしたようなシャクチリソバの花が
   咲き始めていました。白い5弁の花の径は5~6ミリ。肉眼では見えにくいのですが、
   雄蕊の先につけた口紅色の葯がとっても可愛く、待ちわびていた秋草の花です。
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   赤地利と書いてシャクチリ。インド北部および中国原産の多年草で、ソバの花に似てお
   り、同じタデ科の仲間です。草丈は1㍍以上にもなり、多数に枝分かれした先端に散房
   状に10~20輪の小花をつけています。牛の額に似た逆三角形の葉に木漏れ陽がユ
   ラユラ、さざ波を立てているよう。
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   久しぶりに水車橋近くの「玉川上水オープンギャラリー」に立ち寄ってみたら、敷地の周
   囲に植えられたキチジョウソウ(吉祥草)が開花していました。10㌢丈赤紫色の花茎に
   薄紅色の花を下方から開花。この花が咲くと吉事があるとか、吉事の前ぶれに咲くとい
   う言い伝えがあります。何かいいことがあるかしら?とにかく風邪を早く治さなければ!
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   帰途、津田町3丁目アパートの一角で、真っ赤に熟れたヒヨドリジョウゴの実に出会いま
   した。以前は上水堤でもあちこちで見かけたのに、秋口の下草刈りのせいか今秋は出
   会わないままでした。カリガネソウ(雁草)もフユノハナワラビ(冬の花蕨)も見かけなくて
   淋しい秋。
   ヒヨドリジョウゴは赤く熟した実をヒヨドリが好んで食べるからとか、呑兵衛さんが酔っ払
   って 顔が赤くなることから鵯上戸と名付けられたそうですが、有毒植物で、賢いヒヨドリ
   は食べないとのこと。
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   8月末に訪ねた羽村市羽中にある「根搦前(ねがらみまえ)水田」で、色づき始めた田圃
   の見張り役をしていた案山子たちが、先日立ち寄った時は務めを終えてロープで縛られ
   ていてギョッ!まるで犯罪者のように紐でぐるぐる巻きにされていたので「可哀そう!」
   と声を上げたら、来春の松明け頃に、案山子たちに感謝とお礼を込めて『どんど焼き』を
   して昇天させるとのことでした。それまで風雨で吹き飛ばされたり、持ち去られたりしな
   いための対策だとか。
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   上は近くでお茶の先生をしておられるお宅のダイヤモンドリリーです。ヒガンバナによく
   似ていますが、開花期は10下旬。ヒガンバナ科の球根植物で原産地は南アフリカ。
   主にイギリスで品種改良。日本へは大正時代の末期に渡来したそうです。赤の他、白、
   ピンク、朱色も。ネリネとも呼ばれます。
   今日一日ゴロゴロしていましたら、やっと声が出るようになり、風邪も軽快しているよう
   でやれやれ。
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by love-letter-to | 2015-10-26 19:10 | 折々通信 | Comments(2)

折々通信No.10 上水堤の野菊

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             寄り添ひてスローワルツを野路の菊
   10月も半ばを過ぎて、上水堤はもう晩秋の気配を漂わせながら、秋口から咲き始め
   た野菊の仲間たちが目立つようになりました。カジュアルと言うか素朴と言うか…。
   俗に野菊とされるのは薄紫色が優しい風情の野紺菊 (ノコンギク)、淡い柚子の香り
   がするという柚香菊 (ユウガギク)、白嫁菜 (シロヨメナ)、関東嫁菜 (カントウヨメナ)、
   白山菊(シラヤマギク)などの総称で、上水沿いには野紺菊が多いそうです。桜橋付
   近で出会った上の画像も野紺菊ではないでしょうか?開花し始めは淡い赤紫色です
   が、開花すると白か薄紫色の頭花に。花径は1~1.5㌢。小さいながら惹きつけられ
   る花です。
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   以前より野菊の群落が少なくなって来ていますが、桜橋付近では小さな群生が伊藤
   左千夫の「野菊の墓」の主人公・民子の儚い一生を思い出させます。
   恋と呼べないほどの淡き恋心を幼馴染みの政夫に抱いたまま、他家へ嫁いで流産
   した後の肥立ちが悪く逝ってしまった民さん。数えで17歳ぐらいの若さで。
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   野菊の見極めは難しくて、私は未だに野紺菊か柚香菊か分からないままですが、白
   山菊だけは判別がつきます。花弁と言っても一枚一枚が一つの花ですが、歯が欠け
   たようにまばらで、背丈が1㍍以上もあり、立秋の頃から咲き始めて10月半ばの今日
   でも野趣を放っています。
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   野菊の種類は地下で横走枝を出して、群落をつくって花を咲かせているのが多いけ
   れど、白山菊は横走枝をあまり出さないから点々と咲く感じとなります。
   若い芽は食べられ婿菜と呼ばれ、白嫁菜とも雰囲気は似ています。
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   長寿菊と呼べるような白山菊はシジミチョウ仲間にとって貴重な蜜源らしく、先日は
   ベニシジミが訪れていました。翅を広げたりたんんだり、向きを変えては花芯にアタ
   ック。四肢を踏ん張って必死の形相です。
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   そこへ大型の蜂がやって来て、ベニシジミは退散してしまいました。自然界の聖戦
   もなかなか苛烈です。
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   玉川上水の野草に詳しかった故織田雅雄さんの話では、上水堤にはシロヨメナは
   自生してないとのことでしたが、久右衛門橋下流の新堀用水脇に開花し始めたの
   はシロヨメナではないかと言う声も聞きました。どなたか分かった方は教えて頂け
   ませんか。
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   あら久しぶり!コサギらしい白い鳥の姿を旧小川水衛所付近で見かけました。
   しばらく観察していると、アヒルでした。鴨の群れに交じって上水を上下しているア
   ヒルには時折り出会ったことがありますが、この日は単独で侘しそう。
   群れから仲間はずれにされたのかしら?成長して独立したのかしら?全く余計な
   ことながら、単独行のアヒルの今後が気になって…。
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   あかしあ通り沿いの畑で、赤く色好きはじめたリンゴの傍にリンゴの花が咲いてい
   るのを見かけました。リンゴとその花のツーショットです。
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by love-letter-to | 2015-10-19 15:45 | 折々通信 | Comments(0)

折々通信No.9 コスモスの丘にて

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         こすもすや過ぎ去りし日を追ひかけて
   先日、デパートまで出かけたついでに昭和記念公園へ立ち寄ってみました。砂川
   口に近い「花の丘」 まで足を伸ばすのは数年ぶり。案内板にはコスモスが見頃と
   書かれていましたが、斜面を埋めているはずのコスモスが何とも侘しく、期待はず
   れでした。センセーションという品種だそうですが、400万本もこれじゃあネ。
   揺れるコスモスの背後を、白い日傘が幻のように過って行きました。
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   折角来たのだからとアングルを探していると、隣りでカメラを構えていたご夫婦が
   「今年のコスモスは最低だ。年々貧弱になってくる」と、ぼやいておりました。
   「連作障害でしょうか?」 と問いかけると、「それもあるけど、管理を委託している
   会社が変わったからかも知れません。管理棟に投書カードが用意されているから、
   感想や意見を書いて投書してみては…」と、云われました。
   一眼レフを手にした方が多い中で、私と同じようにコンパクトなデジカメで撮ってい
   る女性に親しみを感じて、後ろ姿をパチリ。
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   コスモスをバックに、妖精のような人形を 撮っているアートディレクターらしき男性
   がいました。浜崎あゆみ風のメイクをして、白いオーガンディと羽毛でできたコスチ
   ュームを着せた人形が艶めかしく、ファンタジーアニメの一シーンみたいでした。
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   道路をはさんで「コスモスの丘」の東側にある「こもれびの里」では、芒が白い穂を
   なびかせ、刈り取った稲が稲架に架けられ、蕎麦の花が咲いていました。
   その一角で 自由に茎を伸ばしたコスモスが揺れていました。コスモス本来の姿に
   出会った気がします。何気なく、優しい風情で日溜りに揺れている秋桜。揺らせて
   いるのは千の風かしら?
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      ・・・・・多摩地域で初めての「アール・ブリュット展」へのお誘い・・・・・
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   アールはフランス語でアート、ブリュットは「生のまま、加工されてない」を意味する
   そうで、何者にも何事にもとらわれず描いたり創ったアート展。主に心身に障害を
   持つ人たちの創作展で、元々はフランスの地方で発生して、世界的に広がりつつ
   あるそうです。日本でも 長野県を始め、都内の品川、中野区でも開催されていま
   すが、多摩地区で初めての 「アール・ブリュット展」が今月14~18日伊勢丹立川
   店で開催されます。
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   紙やキャンバスでなく、廃材などにバーニングペンと呼ばれる 焼きつけペンで 輪
   郭を描き、色鉛筆で彩色した板絵、紙粘土で指先から自由に形作る小さな動物群
   など、コンテンポラリーアートとも違った素朴な味わいと躍動感に満ちています。
   声や文字では発信できない思い、ストレートで欲得に捉われない創造力に打たれ
   ることでしょう。14~18日10~19時、伊勢丹立川展2階正面玄関脇のギャラリー
   と5階特別室で展示。17日14時から5階特別室でギャラリートークも。中野区で
   「アール・ブリュット展」を立ち上げ、国内外の同展関連の展覧会で学芸員を努め
   てきた小林瑞恵さんがトークを。入場はいずれも無料です。
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by love-letter-to | 2015-10-11 15:48 | 折々通信 | Comments(0)

折々通信 No.8 今年秋

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            ビートルズ幼く聞こゆ今年秋  
   数日前、朝の片付けをしていると、ラジオからビートルズメドレーが流れてきて、彼らの
   歌声がやたら幼く聞こえました。そのはずですよね。ビートルズが世界を席巻し始めた
   1965年当時、メンバーの年齢は二十歳そこそこですから、後期高齢者の私の耳に餓
   鬼っぽく聞こえるのは当然でしょう。
   先ごろ総務省から発表された高齢者人口推計によると、ビートルズを聴いて育った65
   歳以上が全人口の26.7%に上り、80歳以上が1008万人を超えたそうです。
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   月めくりカレンダーも残り三枚。前月のカレンダーを切り離した時の感触が、木の葉が
   舞い落ちるように感じられました。10月は木の葉月とも呼ばれるそうです。
   街路樹のハナミズキの葉が色づき始め、赤く熟れた実が覗くようになり、この間まで、
   警鐘を鳴らすように聞こえたカネタタキの声も、絶えてしまいました。
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   上水堤ではユリ科の可憐な花・ツルボの群生がシルバーウィーク頃まで楽しめました。
   10~20㌢丈の花茎に淡いピンクの小花をつけて、堤の縁に添って帯状に行列してお
   りました。植生の変化が激しい上水堤でツルボは殖えています。
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   その昔、公家が宮中へ参内する時に使用した傘に似ていることから、別名を「参内傘」。
   末枯れかけた花穂に黄蝶がしがみついていました。カメラを向けても子孫を残すため、
   必死でアタックしていました。

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   ワンルームマンションでもバス付きが当たり前になった今日ですが、銭湯(公衆浴場)
   に通った世代には懐かしい富士山や海岸風景などの背景画。「貴方はもう忘れたかし
   ら、赤いてぬぐいマフラーにして、二人で行った横丁の風呂屋…」の歌詞でお馴染みの
   『神田川』が流行った時代は、都内に2700軒以上もあった銭湯も現在は4分の1に。
   背景画を描く絵師も全国で現存しているのは3人だけ。その一人、丸山清人さん(80歳)
   の作品展とライブペインティングが国立駅南口近くのギャラリー・ビブリオで開かれ、見
   学してきました。
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   畳一枚大のベニヤ板に富士山と湖を描き上げる刷毛さばき、赤、黄、ブルー、濃紺、白
   の5色のペンキで空や湖の微妙な色彩、山の緑の濃淡などで遠近観のある絵に仕上
   げて行く職人技は、日本の伝統技術として残したいと言う声も高まっています。
   銭湯ファンだと言うフランス人の女性も、熱心に見学していました。
   作品展は明日10月4日まで11~19時開催。入場無料です。問合せ:042・511・4368
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by love-letter-to | 2015-10-03 22:49 | 折々通信 | Comments(0)

折々通信No.7 シルバーウィーク

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           待ち人も木犀の香り漂わせ
   一橋学園駅で待ち合わせた知人が駆け寄って来ると、金木犀の甘い香りがしました。
   来る途中、木犀の植え込みの脇を歩いて来たのでしょう。
   秋の大型連休・シルバーウィークを迎えて、青空が広がり木犀の香も漂い始めました。
   今秋は19日(土)20日(日)に続いて、今日21日が敬老の日、22日が国民の休日、
   23日が秋分の日と5連休になり、6年ぶり2回目のシルバーウイークだとか。
   毎年5連休も続くわけでない希少性から、プラチナウィークとも呼ばれるそうです。次
   のシルバーウィークは2026年になる見込みで…。
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   記録的な猛暑と記録的な豪雨で、8~9月は玉川上水ウォークもさぼりがちでしたが、 
   8月初めにツリガネニンジンとワレモコウ(吾亦紅)に出会いました。
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     8月半ばには国分寺・殿が谷戸庭園でレンゲショウマ、桔梗と女郎花に。
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   下旬には鷹の台の保存樹林でキツネノカミソリの群落に出会いました。キツネノカミ
   ソリだけは例年より1週間以上も遅れて開花しました。

        ・・・・・・・にこにこコンサートへのお誘い・・・・・・・
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by love-letter-to | 2015-09-21 01:26 | 折々通信 | Comments(0)

折々通信No.6 彼岸花

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             曼珠沙華豪雨の後にどっと咲く
   茨城・常総市など東日本に甚大な被害をもたらせた記録的な豪雨。都内でも
   道路が冠水するなど、気象庁でも繰り返しているように雨の降り方が変わって
   きました。
   3~4日 降り続いた雨が上がった11日の昼過ぎ、玉川上水堤では彼岸花が
   咲いていました。秋の彼岸頃に咲くとされてきましたが、10日も早く開花して…。
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   花や茎は有毒なアルカロイド成分を含んでいる毒草ですが、水にさらすと食べ
   られるそうで、もう一つの名前の由来「飢餓の時に食べて飢えを凌いだ悲願の
   花」。仏花、死人花、墓地に多い花のイメージもありますが、6つの花のリボン
   状の6枚の花弁が絡まり合っている姿は、情念が絡み合っているようにも見え
   ます。
   でも、稲刈りの近づいた田圃の周りに咲いている光景は長閑で、日本の秋を
   感じさせてくれます。稲刈りが終わるまで風水害がないことを祈りつつ。

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   目下、「日本の祭」マンホールの蓋写真展が開催中の小平市ふれあい下水道
   館の敷地内で、ベビーマラカスというマメ科の一年草の花が咲いています。熱
   帯地域原産で、日本へは緑肥植物として輸入されたようです。西隣りの児童公
   園との境のフェンス際のプランターに植えられており、草丈1~1.5㍍、黄色の
   蝶型の花が次々に開花しています。
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   花が終わった後にできる莢果を乾燥させて振ると、中の種がカラカラカラとマラ
   カスのような音色を奏でることから、ベビーマラカス。
   種が大変珍しいハート型をしており、持っていると幸せが近付くと言われ、「幸
   福の鈴」とも呼ばれるそうです。

     ・・・・・石渡希和子さんの「たべもの絵日記」作品展へのご案内・・・・・
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   多摩の情報紙asacocoの編集部仲間で、食べ歩きや散策マップなどが好評のイラスト
   レーター・石渡希和子さん(小平市在住)の個展「おいしいものだけ・たべもの絵日記」
   が、15日から19日まで新宿区荒木町の「カフェギャラリー・ゑいじう」で開催されます。
   希和子さんは本当に食べることが好き。いわゆるグルメではなく、彼女の舌を満足させ
   る美味しいものハンターかしら。
   編集会議はランチミーティングにしているのですが、希和子さんの食べもの談義に惹き
   込まれて…。そのこだわりと情熱には、編集部一同圧倒されてしまいます。
   また、彼女は食べて美味しかったものは、即 絵にしてしまう画才の持ち主です。その絵
   がまた美味しそうで、「次の編集会議は、その店でやろう!」ということになることもしば
   しば。希和子さんは今回、彼女を満足させたおいしい食べものばかり100点展示するそ
   うです。30~40点をセレクトしたフォトブックも販売。場所は都営新宿線あけぼのばし駅
   から徒歩3~4分。
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by love-letter-to | 2015-09-14 22:04 | 折々通信 | Comments(0)