忘れ得ぬ人々& 道草ノート

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道草フォト575 その14 薄暮の止まり木

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     今年最後の玉川上水ウォークのつもりで25日の昼過ぎに上水堤を歩きました。落葉
     樹がすっかり葉を落してグリーンベルトの下は明るく、見違えるように見通しがよくなり
     ました。商大橋下流で裸木の枝の間にヒヨドリが辺りを睥睨しているかのように一羽。
     中央公園付近に差し掛かるとペチャクチャと聞き覚えのある鳴き声が!裸木の上の方
     で四十雀(シジュウカラ)が10羽前後、枝からから枝へ忙しなく飛び交っていました。ラ
     ンチタイムかも知れません。とても我がオートマティックカメラではキャッチできませんで
     したが、時折りギーギーと鋭い鳴き声が混じるので、目を凝らすと5メートルほどの高さ
     の位置でコゲラが嘴で盛んに木の幹をノッキングしていました。
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     羽毛の縞模様がクヌギの樹肌に似ており、保護色となってピントが合わせにくく、やた
     らシャッターを押してピンボケながらもコゲラの後姿を…。もう少し横を向いてくれたらな
     アと、コゲラに注文を出しても聞き届けてくれない相手でした。
     東鷹の橋の下では3羽の鴨と緋鯉の姿にも出会い、初冬の散策の楽しさを満喫できま
     したが、昨年まで小松橋~鷹の橋付近で毎日のように出会ったコサギに今年はまだ
     出会ってないのが気がかりに。2~3年前まではカップルで訪れていました。
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     帰途、立ち寄った小平団地の一角では、おしゃべりに夢中になっていた群雀に出会い
     ました。薄暮の空で塒に帰る前のひととき。雀たちもお気に入りの止まり木でおしゃべ
     りを楽しむみたいです。その姿にサラリーマンが赤提灯に立ち寄る姿がダブってしまい
     ました。雀たちの塒はこの止まり木の近くの金木犀の大木のようです。
     それにしても薄暗い玉川上水の中で“白い恋人”のようだったコサギは何処かにもっと
     居心地のいい住処を見つけたのかしら?それともよき相手が見つかったのかしら…。
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by love-letter-to | 2009-12-26 22:18 | 道草フォト575 | Comments(2)

道草フォト575 その13 聖樹の灯

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     幻想的なライトアップに心惹かれながらも、クリスマスイルミネーションの華やかさに
     気おくれしてしまうのは私だけだろうか。丸の内のミレナリオもとうとう見ないままに終
     ってしまいました。今年の暮から原宿・表参道のイルミネーションは11年ぶりに復活
     しましが、その前年のイブの日に通りかかったことがありました。当時、表参道に面し
     て同潤会青山アパートが昭和初期に建設されたままの姿で遺跡のように建っていま
     した。
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     その同潤会青山アパートから1~2本先の路地を入った所に「草思社」という出版社が
     あり、その頃抱えていた原稿の最終稿を編集担当者と長時間かけてチェックし終えて、
     頭はクラクラ。朦朧としたまま表参道に出た途端、原宿駅方面から押し寄せて来る人
     波にぶつかって「そうか今宵はクリスマスイブなんだ!」と、初めて気がついた自分が
     おかしくて…。次々に押し寄せて来る群衆に抗いながら、かき分けかき分け駅に向か
     ったので、評判のイルミネーションも殆ど見上げる心のゆとりがありませんでした。

     あの日以来、ライトアップの名所やクリスマスイルミネーションに遠ざかっていました
     が、先日、所用で立川駅北口を通りかかったら、多摩モノレール高架橋の下の通りに
     イルミネーションンが!省エネ効果の高い発光ダイオードを使っているせいか落ち着
     いてクールな光を放っていましたが、場違いな所にいる気もして、時流に乗りきれない
     自分を持て余しています。

     同潤会青山アパートはファッショナブルな「表参道ヒルズ」に生まれ変わり、良質のドキ
     ュメンタリー出版で知られ、ベストセラーも数多く刊行していた「草思社」は昨年倒産し
     てしまいました。
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by love-letter-to | 2009-12-22 11:32 | 道草フォト575 | Comments(0)

道草フォト575 その12 イエローマジック

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     黄金色に輝いていた小平団地街の銀杏並木も中央公園の銀杏並木もすっかり
     葉を落して、裸木並木になってしまいました。フランク・永井が歌っていた「公園の
     手品師」というシャンソン風の歌では落葉シーズンのイチョウは“老いたピエロ”と
     されていますが、黄葉した銀杏・公孫樹並木は辺りを黄金色に染めて、イエローマ
     ジックにかかったみたいに幻惑されてしまいます。
     今年の秋も色づき始めから、舞い落ちて黄色の絨毯を敷き詰めるようになるまで楽
     しませてくれました。
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     街路樹・公園樹として日本の風景になじんでいますが、高木になりすぎる故に
     剪定に経費がかかり、信号機や標識が見えにくくなったり、夥しい落ち葉の清掃処
     理にも頭を悩ますなどの理由から近年では街路樹としては敬遠されているそうです。
     もう一つ街路に落ちた銀杏の外皮が放つ強烈な異臭も敬遠される理由かも。
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     広辞苑によるとイチョウは中国原産の落葉高木で長寿とされています。漢字表記は
     鴨脚樹、銀杏、公孫樹の三通りもあり、「鴨脚樹」は葉がアヒルの足のような形をし
     ていることから。昔、留学僧が中国から持ち帰って広まったそうで、公は祖父の尊
     称で、祖父が種子をまいても実がなるのは孫の代になることから「公孫樹」。「銀杏」
     は唐音で「インキャウ」と読み、それが「イキャウ」となり次第に「イチョウ」になったと
     も、鴨脚の近世中国音ヤーチャオが転訛したとも。
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     春の芽吹きの頃には扇形の葉が日々大きくなり色濃くして、盛夏にはこんもりとしたグ
     リーンのカーテンに。そして黄色に色づいていく姿を追っていると、あっという間に一年
     が過ぎて…。
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by love-letter-to | 2009-12-18 23:15 | 道草フォト575 | Comments(0)

道草フォト575 その11 はけの道

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     ここ10年来、毎月参加しているホームコンサートの帰りに近くの三楽公園と三楽
     の森から国分寺崖線の段丘を下ってはけの道へ。詳しいことは知らないのですが、
     三楽公園と三楽の森の敷地は、旧地主から寄贈されて小金井市が管理しており、
     静まり返った園内はイロハ楓などの落ち葉で埋まっておりました。枝先から落ちた
     ばかりの葉はまだ息をしているようで、風が吹くと追っかけっこを始めます。梢の辺
     りを見上回すと真っ赤に熟れた実の房をたわわに下げた飯桐の大木が!大人の
     掌よりも大きな葉はお握りなどを包むのに用いられたそうで、飯桐と名付けられた
     そうです。詩人ならずとも詠嘆したくなるような自然の息づかいに惚れ惚れしてしま
     いました。
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     小金井街道下の隧道をくぐり前原坂下付近からは野川の河川敷へ。風景は一転して
     白髪化した枯れ芒の群生に人の老い先もかくあるのか…と。枯れ芒の群生も野川
     の流れに沿って蛇行しており、丸山橋のたもと付近ではクコ(枸杞)の実が真っ赤な
     ネイルエナメルを施した爪先のように見えて…。鋭い棘を持つ枝がブッシュ状に繁茂
     していました。手を伸ばして届く辺りのクコの実を一握りぐらい摘んで、野鳥たちより
     お先に失敬して悪かったかしら。
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    途中の案内板によると、野川流域は段丘下から湧き出る清水が豊富なため、旧石器
    ~縄文時代の遺跡も多いそうです。やがて小金井新橋に差し掛かると視野が一挙に
    360度開けて武蔵野公園と第2調整池へ。調整池の土手から望んだ国分寺崖線、ハ
    ケと呼ばれる段丘の紅葉はまさにピークに達して「歓喜の歌」を歌っているようでした。
    この段丘の下に沿って伸びる「はけの道」沿いには、作家大岡昇平が戦後の一時期
    奇遇して、かの有名な「武蔵野夫人」を構想したとされる富永家の屋根つきの門が朽
    ちかけながらも残っておりました。屋根の上で赤く熟れた烏瓜が門灯のようでした。
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    「土地の人はなぜそこが『はけ』と呼ばれるかを知らない。」大岡昇平の「武蔵野夫人」
    は、こんな書き出しで始まります。
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by love-letter-to | 2009-12-12 10:40 | 道草フォト575 | Comments(0)

道草フォト575 その10 紅葉と黄葉と落葉と

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    昨日は朝から冷たい雨が降って気温も真冬並みでしたが、今日4日は打って変わ
    ってポカポカとした小春日に。昨日の雨で濡れた上水路の落ち葉も昼過ぎにはカ
    サカサと乾いた音を。
    かつては薪炭材・堆肥に用いられた茶褐色系の落ち葉が大半ですが、ミズキやヤ
    マブキ、イチョウなどの黄葉、メグスリノキやニシキギ、カエデ仲間の紅葉が吹き寄
    せられて色も形も様々で、パッチワークキルトみたい!ことに11月半ば頃に見られ
    る桜もみじは一葉一葉個性的な配色で、最も好きな落葉です。

    落葉道を歩くのはクッションが効いて心地よく、柄にもなくロマンティックな気分に浸っ
    てしまいますが、それにしても凄い量の落ち葉です。上水沿いの住宅街で掃除に追
    われていた方によると「掃いても掃いても30分もすると落ち葉の洪水になってしまう」
    と悲鳴を。
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     “落葉銀座”とか“落葉の原宿”とも言われて、近隣の農家や園芸家が堆肥づくりの
    ために落葉を集めに通ってくるそうですが、落ち葉の間でカマキリが1匹あたふたし
    ていました。冬がそこまで来ているのに…カマキリにも落ちこぼれがいるのですね。

    このシーズンは木の下に網を張って待ち受けている女郎蜘蛛もしばしば見かけます。
    その腹側の模様はプロレスラーの“タイガーマスク”みたいで、凝ったデザインにびっ
    くり!秋口にはバッタやトカゲなども姿を見せ、上水堤の生態系が落ち葉のお陰で維
    持されていることを感じている私です。そして人生もいろいろで…。
      画象は左から女郎蜘蛛、トカゲ、バッタで、クリックすると拡大されます。
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by love-letter-to | 2009-12-05 00:52 | 道草フォト575 | Comments(0)