<   2010年 06月 ( 4 )   > この月の画像一覧

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   梅雨入り前後からの上水堤はドクダミに席捲されてしまうのではないかと思うほど、こと
   に日陰の堤はドクダミの絨毯に。繁殖力は凄く独特の異臭も強いのですが、私は祖父
   から「傷口の消毒や化膿止めなど十種の薬効があり、十薬ともよばれる」と教えられて
   育ったせいか憎めません。
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   耳鼻咽喉科の開業医をしていた祖父ですが、四国の田舎町のこととて風邪や腹痛、
   切り傷、打撲、骨折、化膿したおできなどの治療にも追われていました。とても寡黙な
   祖父でしたが、医学専門学校卒業後は東京・麹町の名門病院の若先生として将来を
   嘱望されていたのに、父親の急死に続いて長兄も日露戦争で戦死したため、 家を継
   ぐために郷里へ帰って開業したということでした。
   患者さんたちから「先生、先生」と頼られ、尊敬もされ充足していたように見えた祖父
   から一度だけ若先生として“もてた時代”の話を聞かされた時のことが、ドクダミを見る
   度に思い出されて…。志半ばで果たし得なかった祖父の複雑な気持ちがやっと分か
   る年になった私です。
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   ドクダミと言えば通常は白い4弁のありふれた花をつけ、抜いても抜いても繁茂して悪
   臭を放つ厄介な存在でもありますが、一輪一輪は濃緑色のハート型の葉とマッチしてな
   かなか清潔感があります。白い4枚の花びらに見えるのは総苞片で、中心部にある黄
   色の筒状が花の集まりです。4枚の白い総苞片が十字架に見えることから吸血鬼ドラ
   キュラが苦手とする花という言い伝えもあり、魔除けとされることも!
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   最近、鎌倉橋付近の新堀用水側に白い総苞片が、幾重にも重なった八重咲きのドクダ
   ミも殖えてきました。バレリーナのスカートのようでもあり、ドクダミとは思えないほど優
   雅です。気をつけて観察してみると、通常タイプと八重咲きの中間タイプもあり、たかが
   ドクダミと片付けられないようです。
   なおドクダミ(十薬)の薬効はアレルギー性鼻炎、喘息(ゼンソク)、糖尿病、腎臓病、膀
   胱炎、整腸、胃腸病、胃痛、腹痛、便秘、下痢止め、婦人病、淋病、高血圧、神経痛、
   打ち身、二日酔い、皮膚病、水虫、たむし、あせも、ただれ、湿疹、吹き出物、破傷風、
   化膿止め、火傷(やけど)、解毒、風邪予防、癌予防、強壮、胆石症、蓄膿症、痔、動脈
   硬化、冷え性、かゆみ止め、熱冷ましなど。
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by love-letter-to | 2010-06-26 23:52 | 道草フォト575 | Comments(0)
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   梅雨どきの野の花ホタルブクロも上水堤で咲き始めました。鬱蒼としてきた草むらから
   弓なりに伸ばした茎に、釣鐘型の花を提げている風情はエレガントでもあり、遊び心と
   いうか茶目っ気もたっぷり。その名も子どもたちがこの花の中に捕えたホタルを入れた
   からという説もあります。でも、袋の口が開いているので蛍が逃げてしまいそうですね。
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   古くから親しまれきたのでしょう。名前の由来も色々あり、提灯の古名・火垂(ほたる)
   に由来している説。私の亡母は提灯花とか灯篭花(とうろうばな)と呼んでいた記憶があ
   ります。その所為かホタルブクロをに出会うと父母の顔を思い出してしまいます。
   蛍といえば、先の大戦末期、特攻隊の基地のあった知覧市で“特攻の母”と呼ばれ、隊
   員から慕われれていた富屋食堂の鳥浜トメさんに 「ホタルになって帰って来るから」と、
   言い残して南海に散って行った特攻隊員の悲話も、胸を締め付けます。父母もホタルに
   なって提灯花に帰ってくるかしら…。
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   ホタルブクロの花は同じ上水堤でも場所によって濃い赤紫色から薄紫色、白に近い淡
   い色まであって、色の濃淡でホタルブクロとヤマホタルブクロに分類され、濃赤紫系統
   がヤマホタルブクロではないかと思ってきましたが、故柳宗民さんの「雑草ノオト」による
   と色の濃淡は紫陽花同様に生育地の土壌成分によるそうで、どちらもキキョウ科の多
   年草。
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   鎌倉橋近くの一角にはホタルブクロの小群落があって、毎年楽しみにしておりす。
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by love-letter-to | 2010-06-19 23:40 | 道草フォト575 | Comments(0)
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   昨年より10日ほど遅れていたオカトラノオが玉川上水堤でも開花し始めました。桜橋~
   商大橋右岸の自生野草保護ゾーンでオカトラノオが咲き始めると、例年なら梅雨入りに
   なるのですがどちらも遅れ気味で、保護ゾーンでもまだ蕾もつけてないエリアもありま
   す。いち早く開花したエリアでは、午後から強まった風とともに20センチ前後の白い花
   穂がスイング!その大波小波を眺めていると、このところの首相交代劇などの世情も
   頭にチラついて…。
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   白い小花をぎっしりとつけた花穂が弧を描いて垂れ下がる姿が虎の尾に似ており、同
   属のヌマトラノオに対して野山や丘陵地に生育するので岡虎の尾(丘とも書く)の名称に
   なったそうですが、英語名はGooseneck=ガチョウの首だそうですから、同じ花穂でも
   受け止め方は西洋と東洋では“首と尻尾”の差が!
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   長さは10~20センチの花穂に規則的に並んでいる小花は、花茎の根元から次第に開
   いて行き、開花が進むにつれて優美な曲線を描き垂れ下がります。蕾が固い時期には
   先端が跳ね上がっているのも面白くて、オカトラノオの開花シーズンは私の心もスイン
   グ!梅雨の晴れ間を縫って蝶や昆虫も次々にオカトラノオに集まってきます。そのシー
   ンは青春真っ只中のドラマを見ているようです。
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   こんなに見事なオカトラノオの群生が見られるエリアは近隣では希少な存在ではない
   でしょうか?12日に九州、山口は梅雨入りしたそうで、関東もそろそろか…と。
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by love-letter-to | 2010-06-12 23:46 | 道草フォト575 | Comments(3)
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   玉川上水堤にも一本のヤマボウシの木があり、先月末からプロペラのような花が一斉
   に空を仰いで今にも飛び立たんばかりに。商大橋と一位橋の中間に植わっているので
   すが、グリーンロードを歩いても花の姿は目につきません。平櫛田中館の生垣側の市
   道に立つと深緑の中に白いプロペラが林立!花水木と同じく4枚の白い花弁に見える
   のは総苞片で、中心部の丸い球状が花の集合体だそうです。その球状の集合花が坊
   主頭に見えることから山法師の名称がつけられたとのこと。
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   私の頭より少し高い位置に数輪咲いており、背伸びしてマクロレンズで接写して見る
   と、集合花のダークグリーンの一粒一粒が開いて雌蕊と雄蕊らしきものが認められま
   した!受粉を終える時期になると白い総苞片は飛散してしまいますが、結実した集合
   果はその姿のまま空を見上げて秋を迎え、赤く色づく頃になると不思議なことに下向
   き垂れ下がります。表皮には亀甲模様が刻まれ小さなサッカーボールみたいで、本当
   に植物の世界はワンダーワンダー!赤く熟した山法師の実は干し柿のような味がして
   食べられます。
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   “見果てぬ夢”だなんて!そんな大げさな夢ではないけれど、ワンダーな山法師を見上
   げると…求めて止まない言葉への思いが募ります。言葉は人として生まれて最初に
   出会うツールですが、未だに上手く使いこなせず…。使いたいときに使いたい言葉を
   探すのに四苦八苦するばかりか、記憶装置が失われていくのを実感するこの頃です。
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   山法師に近づきつ遠のきつつ、言葉の海をさまよい言葉を紡ぐ難しさに見果てぬ思いを!
 
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by love-letter-to | 2010-06-05 12:52 | 道草フォト575 | Comments(2)

忘れ得ぬ人々&道草ノート折々


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