<   2010年 07月 ( 4 )   > この月の画像一覧

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   梅雨が明けるなり猛暑日が続いて夏本番!ギラギラ照りつける太陽と照り返しで街路
   では“人間干物”になってしまいそうですが、玉川上水のグリーンベルトに辿り着くと、ホ
   ッと一息!鬱蒼と茂った枝葉の有難さを一番感じる時です。
   寺橋付近に差し掛かった時、数年前のある一瞬を思い出しました。その日も気が遠くな
   りそうに暑い日でした。もう引き返そうかとした時、紺木綿姿の女性が私の背後からす
   り抜けて行きました。白いパラソルに縦縞の入った夏帯と白足袋…映画のロケシーンで
   はないかと思うくらいキマッテおり、ことに足さばきの軽やかさに目を奪われました。
   慌ててシャッターを切ったのですが、ワンカットだけで、その “和服美人” は遠ざかって
   しまいました。白昼夢ではない証拠の一枚に575を。
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   数日前には小松橋付近の水路際でコサギが一羽、木に止まって毛繕いを始めました。
   翼を片方ずつ広げては嘴で素早くケアしている姿はソロダンスみたいでした。何度かシ
   ャッターを切ったのですが、動きが早くボケボケに。飛び立つ寸前だけは何とか…。コサ
   ギもこう暑くてはかなわんと、羽根休めをしていたのかしら。
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   上水沿いの保存樹林ではヒヨドリバナが開花し、小判草が揺れて涼味を。ヒヨドリバナは
   秋の七草の一つフジバカマに趣きが似ていますが、白い小花を散房状につけます。
   ヒヨドリが鳴く秋口に咲くことが名前の由来だそうですが、上水では土用の頃から開花
   するようです。ヒヨドリバナもフジバカマもキク科の多年草です。
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   おや、アキノタムラソウにスジチョウが!名前は “秋の田村草” ですが梅雨明け頃から開
   花。ほっそりした茎に輪生する唇弁型の小花は蝶を呼び寄せ、炎天下でも薄紫色が涼
   しさを。淡いピンクの小花が泡のように軽やかなチダケサシ。乳茸(チダケ)という食用茸
   を採取する時に、細くて堅い茎に刺して持ち帰った風習から乳茸刺の名前になったとか。
   その名のイメージとは違って優しいピンクピンクで猛暑疲れを癒してくれるよう。
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by love-letter-to | 2010-07-24 22:18 | 道草フォト575 | Comments(4)
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   7月に入ると山百合の甘い香りに出会いたくて…蒸し暑さにもめげす玉川上水堤へ。
   桜橋付近から中央公園に向けて歩いて行くと、囁くように甘い香りが漂って来てその
   在り処を教えてくれます。保護活動をしている有志によって株数は殖えており、ユリ
   仲間のノカンゾウ、ヤブカンゾウも花盛り!
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   6枚の花弁を反り返らせて咲く山百合は、花の径は20~25センチもあり、野生のユリ
   仲間では最大級で野の百合のキングとも。純白の花弁に濃紅色のドットがあり、筆で
   描いたような黄色の帯と濃紅色の葯をつけた蕊とのコンビネーションはグレート!信
   じられない!ほどの美しさです。魔女の爪に見えるというか赤トウガラシにも似た蕊
   が芳香を放つそうです。
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   太陽に向けて開花しているので、緑陰の歩道からは後姿か横顔しか見られないのは
   残念ですが、商大橋下流の自生野草保護ゾーンでは正面から見られます。毎年5~6
   個の花をつけ、その重さに耐えかねるような姿で揺れています。かつては20個前後も
   花をつけた山百合もあって獅子舞いのように揺れていたとか。百合の名は「揺れ」から
   転じたという説が有力です。山百合に出会う堤が身近にあるなんて、本当に幸せ!
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   百合といえば「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」と美しい女性を形容した
   諺が思い出されますが、この形容は江戸天明年間の諺辞典「『譬喩尽=たとえづくし』
   に記載されているそうです。付け焼刃ながら…。
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   日本は野生のユリの王国で、山百合も日本固有のユリです。1873年ウィーン万博で
   日本の他のユリと共に紹介され、ヨーロッパで注目を浴びササユリなどともに品種改
   良され、名花カサブランカが誕生したそうです。その裏には沖縄諸島の自生のユリが
   乱穫され絶滅に近い状態になってしまった悲劇も新聞記事で読んだことがあります。
   朝日新聞のその記事を探しているのですが…。下はオニユリとアフリカハマユウです。
   今後も山百合をはじめ野の百合が上水堤で見られますように!
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by love-letter-to | 2010-07-17 14:57 | 道草フォト575 | Comments(6)
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   ムシムシとして不安定な大気が続いているうちに、草地の中で身悶えるようにして可憐
   に咲いていた捩花(ねじばな)のシーズンも終わりに近づきましたが、今日も小松橋下流
   でほんのりピンク色をした米粒大の花を螺旋状につけた捩花に出会いました。
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   草丈10~30センチで花茎が何故だか捩れており、その捩れた花茎に従って小花をつけ
   るラン科の一種です。米粒大でもシンビジュームなどに似た花弁や唇弁を一人前に備え
   ているから愛らしくって!綟摺(モジズリ)あるいは捩り花、螺旋花とも呼ばれ花言葉は
   その姿から「思慕」とのこと。下のように右巻きも左巻きもあります。
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   綟摺といえば、小倉百人一首にも選ばれている河原左大臣の恋歌「陸奥のしのぶもぢ
   ずり誰ゆえに 乱れそめにし我ならなくに」がよく引き合いにされます。ある解説書による
   と「陸奥・信夫(福島県)産の綟摺布のように、私の心が乱れ始めてしまったのは、誰の
   せいでしょうか」と、女性を口説いている一首のようです。綟摺は信夫地方独特の染織
   技法で、歌からすると“よろけ縞“のような乱れ模様だったのでしょう。「愛している」とか
   「好きだ」とか告げられるよりも、女性にはぐらぐらっときますよね。

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   河原左大臣(823~895)は嵯峨天皇の第十二皇子で源融(みなもと とおる)、源朝臣姓
   を与えられて臣籍に下ったものの、天皇の地位にも焦がれて当時の最大勢力を誇ってい
   た藤原氏と政治的確執が多かった人物のようです。あの光源氏のモデルと伝えられてい
   ますから、恋愛沙汰は推して知るべし。
   比喩に富んだ歌に託して胸の内を伝えた平安の昔と違って、平成の昨今は携帯かメール
   で、身を捩るような思いもハートの絵文字一つで済ませてしまうのかも?
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   ここ数年、捩花が近隣で多く見られるのは小平団地の芝生です。駐輪場の波型の屋根
   にまで繁殖しており意外にタフなようです。あかしあ通り沿いの建築資材置き場の壁面
   に接して、小野小町か楊貴妃か…といった超美人の捩花もあったのですが、今年の夏
   は根こそぎ削られたようで出会うことができなくて残念!
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   上の画像は昨年の6月末撮影。
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by love-letter-to | 2010-07-10 23:32 | 道草フォト575 | Comments(6)
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   梅雨どきの花…と言えばやはり紫陽花。ことに雨上がりの紫陽花は上に置く雫も七色に
   染めて、むしむしする陽気を和らげてくれるかのよう。若かりし頃は細工の込んだくす玉の
   ような手毬咲きに目を奪われがちでしたが、アラ還を過ぎた頃からは控えめに咲く額紫陽
   花に惹きつけられるようになりました。
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   上水の木立の間でも種々の紫陽花が楽しめます。葉隠れに真新しいリネンのように清々
   しい純白の紫陽花。見上げるような高い位置で開花している額紫陽花を逆光で眺めるの
   も好き!
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   紫陽花は元々、房総・三浦・伊豆半島・伊豆諸島・小笠原等の沿海地に自生していた
   日本固有のガクアジサイが品種改良され、手毬型のセイヨウアジサイに。そして広く普
   及するようになったとか。“伊勢花火”“墨田の花火”など変わり咲きも多様になって…。
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   ガクアジサイの名は装飾花が額縁のように普通花を取り囲んでいることから。装飾花の
   4枚の花弁に見えるのは萼が変化したもので、中心部に集まっている粒々が本来の花だ
   そうです。手毬型は額紫陽花の普通花をすべて装飾花に変化させたもの。実際の花は装
   飾花の真ん中にある小さなボッチ。直径5ミリ足らずのボッチも開花して花粉を散らしま
   す。
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   アジサイの学名はHydrangea・otakusa。その名を初めて学会に発表した蘭医学者シー
   ボルトの母国オランダを訪ねた時、ライデンの街路に沿って紫陽花が植えられていまし
   た。学名オタクサの名は江戸末期、長崎で暮らした愛人お滝さんの名前に因んだと伝え
   られています。
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by love-letter-to | 2010-07-03 15:10 | 道草フォト575 | Comments(2)

忘れ得ぬ人々&道草ノート折々


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