忘れ得ぬ人々& 道草ノート

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道草フォト575 その57 ターコイズブルー

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   関東地方への接近が心配された台風14号は大過なく通り過ぎてくれましたが、先週は
   冷え込んで冬並みの日が続きました。記録的な猛暑による疲弊から立ち直って、ようや
   く咲き始めた秋の花にいきなり寒波のアタック! 全国的にどんぐりが不作だと伝えられ
   ていますが、上水堤でも草木の実が少なく生物の多様性環境を守る上からも心配で…。

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   そんな憂いを抱きながら堤の秋の実を訪ねて歩きました。小松橋付近の新堀用水沿い
   のフェンスにからまっているノブドウ(野葡萄)。その蔓の所々で色づきかけた実はまる
   でトルコ石の原石!まばらですが房状になり翡翠色から赤紫、ターコイズブルーなど様
   々に色づいて眼福です。7月半ばに咲く花は直径2~3ミリの淡いクリーム色で、実の数
   の何倍もが房咲きに。花はヤブガラシに似ていますが、ヤブガラシは実をつけません。
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   この野葡萄の実にはミタマバエや蜂の幼虫が寄生して、その虫こぶでカラフルに染まり
   形も様々に変化して、不揃いの“ターコイズブルー”に。でも、今秋は花房をたくさん見か
   けましたが、未だに実を結んでないか、色づいている姿も少なめで残念です。

   例年なら8月半ば過ぎから堤のあちこちで見られるゲンニショウコ(現の証拠)の花も、
   あまり目に入りませんが、赤紫系が自生野草保護ゾーンでちらほら。白か白に薄紫の
   筋の入った種もあります。いずれも5弁のはなびらをパッチリ開いて可憐です。
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   花の径は1.5センチくらい、フウロソウ科の多年草でアサマフウロやタカネフウロなどの
   ご当地の名前がついた風露の仲間です。ゲンノショウコの名前の由来は江戸時代の
   稙物学者・小野蘭山が記述した『本草網目啓蒙:1803』に「根苗ともに粉末にして一
   味用いて痢疾を療するに効あり、故にゲンノショウコと言う」という記述があるそうで、
   以来「現に良く効く証拠」として名称に。
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   現の証拠の実がまたすこぶる面白くって!見つけて歩くのが楽しみです。花が終わっ
   た後、緑色のロケット弾のような実をつけるのですが、熟すると黒褐色になります。
   黒褐色のロケット弾は下方から5つに弾けて、弾ける力で下部に蓄えていた種子をポ
   ~ンと飛ばすのです。種族保存のために備わった自然のメカニズムに惚れ惚れしてし
   まいます。種子を弾き飛ばせた果皮の姿はお神輿の屋根みたいで、別名はミコシグサ。

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   現の証拠に秘められたパワーに励まされて進むと、クサギ(臭木) とゴンズイの実が!
   赤紫色の萼に抱かれたインクブルーのクサギの実、怪獣が大口を開けたような肉感的
   な果皮の先に止まっているゴンズイの黒い種も、秋のエンタテイメントです!

   今日10月31日はハロウィーン:万聖節の前夜祭にあたり、原宿表参道や川崎ハロウィ
   ーン仮装行列が年々盛んに。小平周辺でもオレンジ色の西洋カボチャに目鼻を繰り抜
   いたJack o’ Lanternを飾っているのを見かけました。
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by love-letter-to | 2010-10-31 20:00 | 道草フォト575 | Comments(0)

道草フォト575 その56 不知夜月とナイトジャスミン

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   古歌によると古き武蔵野は「むさしのは月の入るべき峰もなし 尾花が末にかかる白雲」
   が原風景であったようです。市街化が進んで萱芒に覆われていた原風景を想像するべく
   もありませんが、先日、鈴木街道沿いの旧家へのアプローチに芒の銀色の穂が波打って
   いました。

   先月23日の「仲秋の名月」には穂が出かかったばかりでしたが、すっかり成熟して尾
   花と呼ぶに相応しくなっていました。そして旧暦の9月17日にあたる今宵は月齢16、
   十六夜の月が望めるかも…と思いつつカメラに。十六夜の月は不知夜月(いざよいづき)
   とも称され、一晩中月が出ているので「夜を知らない」の意か、ためらうという意味の
   「いさよう」から、望月より月の出が遅れるので「月の出をためらう月」とも。
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   玉川上水堤でも尾花の小群落が波立ち、カゼグサ(風草)やノガリヤス(野狩安)などイネ科
   の花穂が、かつての武蔵野を偲ばせて…。
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   ところで、夜香木をご存じですか?数日前に「夜になるといい香りがするから」と、知人
   から数本の夜香木の枝を分けて頂きました。30センチあまりの枝には、マッチの軸先
   のような薄黄緑色の花をいっぱい付けているのですが、花には見えず鼻を近づけても
   無臭でした。半信半疑で持ち帰り花瓶にさして廊下の隅におきました。

   その夜、9時を回った頃、雨戸を閉めようとして廊下に出たら、むせるような甘い香りが
   充満していました。金木犀よりも濃厚な香りです。よく見るとマッチの軸のような先端
   がそれぞれラッパ状に開いて、高らかに香りを発散しているようです。花の径は5ミリ
   あまり、花筒の長さは2センチ前後で廊下の照明の下ではカメラで撮るのに四苦八苦。
   芳香は翌朝8時頃まで発散していましたが、発散を終えた後は散っていくようで、花瓶
   の回りには沢山の花が散り敷かれていました。
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   ネットで検索すると夜香木は夜香花とも呼ばれ、西インド諸島原産の常緑低木で、花は
   見栄えがしませんが、夜に放つ香りが素晴らしく挿し木で殖やすことができるそうです。
   耐寒性はないけれど厳寒期は室内に置けば、路地栽培も可能でナイトジャスミンとも呼
   ばれるそうです。下は鈴木用水・大門緑道オープンガーデンで。
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by love-letter-to | 2010-10-24 16:24 | 道草フォト575 | Comments(0)

道草フォト575 その55 秋が駆け足で

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   9月半ば過ぎまで続いた“猛暑の延長戦”で、立ち遅れていた秋の野の花たちも出番を
   迎えたせいか、玉川上水堤を歩くと蝶がヒラヒラ、虫の音のメドレーが!彼らも秋を待っ
   ていたのでしょう。限りある命を惜しむかのように忙しく立ち働いています。
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   よく出会うのはシジミ蝶。蝶の仲間でもひときわ小さく、1~2センチ径の灰色の翅に
   芥子粒や胡麻粒くらいの斑紋があるヤマトシジミが多いようです。仕事納めが迫って
   いるのか忙しなく飛び回り、その姿を追っていると「たまにはゆっくり休んだら」と声を
   かけたくなります。貧乏性の私に似ているようにも思えて苦笑いしてしまいます。

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   喜平橋下流では遅ればせながらカリガネソウ(雁草)も開花しました。青紫色の5弁
   の花冠と雌雄の蕊が弧を描いて揺れている姿は、ベニスの運河を行くゴンドラを連
   想させて旅心を掻き立てられます。クマツヅラ科の多年草で、雁草と名付けた人は
   弧を描きながら空を旅して行く雁の群れをイメージしたのでしょうか。ゴンドラの舳に
   似た下弁には絞り染めのような模様が鮮明で、出会うのが楽しみな花です。ゴムが
   焼けるような異臭がありますが、蝶や蜂もお気に入りのようです。

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   あらら…ノハラアザミ(野原薊)が“妖怪”のような姿に!猛暑にもめげずに上水堤に彩
   を添えていた野原薊も来年に備え、種子の発射カウントダウン寸前でした。クシャク
   シャに老いた花冠から、落下傘のような冠毛をつけた種子が風を待っています。何
   処まで飛んでいくのでしょか。

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   会合で立川へ行った足で昭和記念公園のコスモスの丘を訪ねました。なだらかな
   丘の斜面一面にコスモスが咲き競い、その株数は550万株とか!白やピンクの濃
   淡に染まった丘の襞は雄大で、時間の許す限り命の洗濯をしてきました。立川駅北
   口のビル街がすぐ近くにあるとは思えないようなスケープに、ちょっと溺れそうな気
   分でした。途中の公孫樹並木に熟した銀杏の実がたわわに下がって…今秋は豊作
   のようです。
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by love-letter-to | 2010-10-17 16:29 | 道草フォト575 | Comments(2)

道草フォト575 その54 金木犀の香る頃

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   朝、雨戸を開けるとき何となく甘い香りを感じて、我が家の金木犀の開花を知らされま
   す。今秋は10月3日の朝でした。朝刊を取りに出たとき金木犀を見上げると、まだ白っ
   ぽい蕾の塊が葉陰に覗いていました。記録的な猛暑の影響でもっと遅れるのではない
   かと思っていましたが、1週間程度の遅れで開花しました。雨戸を繰る手を休めてしば
   らくガラス戸も開け放しておくと、甘い香りが部屋の隅まで漂って…。
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   春先の沈丁花もそうですが、香りが開花宣言のようです。金木犀は中国南部桂林地方
   原産の常緑小高木で、日本には江戸時代初期に渡来。中国では正しくは丹桂(丹=橙
   色、桂=木犀)で通称は桂花だそうです。葉腋にたくさんつけるオレンジ色の花の径は5
   ミリ前後。マクロで撮ってみると4弁の花びらは意外に厚ぼったくて、砂糖菓子のようでし
   た。桂花陳酒というお酒を舐める程度に飲んだことがありますが、白ワインに金木犀の
   花びらを3年間漬け込んだ混成酒だそうで、楊貴妃が好んだという言い伝えも。
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   金木犀の香りが漂い始めるとそわそわ、出不精のくせして連日のように道草歩きを。
   小平市内には金木犀を植えているお宅が多いらしく、道々甘い香りが漂ってきて楊貴
   妃気分になります。秋咲きの花が例年より遅れて、イマイチ元気がないのに金木犀は
   あふれるほど沢山花をつけ満艦飾!猛暑に強いのかもしれません。

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   上水路で目立つのはアキカラマツ。キンポウゲ科の多年草ですが、薄黄緑色の花穂を
   高々と伸ばした姿はまるで樹木のようです。落葉松(唐松)の木のように見えるので秋
   唐松の名前になったとのこと。草丈は40~50センチから1メートル以上にもなりますが
   鮮やかな黄緑色をした葉は独特の形をしており、とっても愛らしい。
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   ススキもやっと穂が出揃いました。先日のラジオによると都内のススキの開花は例年
   より1ヵ月も遅く、仲秋の名月には間に合わなかったと報道されていましたっけ。
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   ススキが穂を出し始めるシーンにたまたま出会いました。細く折りたたまれた穂を広
   げていくライブは、赤ちゃんの誕生を見守る心境でした。今月20日の“栗名月”のお月
   見にはバッチリOKとサインを送っているようでもありました。今月20日は旧暦9月13
   日に当たり、その十三夜の月を“栗名月”と呼び、十五夜に次いで美しい月とされてい
   ます。
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   カラスノゴマも今が真っ盛り。黄色い5弁の花の径は1.5センチぐらい、葉腋に俯きかげ
   んに付けて何時も考え込んでいるように見えます。花の終わった後にできる莢果が胡
   麻の実莢に似ていることから「烏の胡麻」。カラスノエンドウと同じ類の名称です。野草
   にしては珍しいシナノキ科に属する一年草です。さあ秋本番です!
   
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by love-letter-to | 2010-10-10 11:56 | 道草フォト575 | Comments(0)

道草フォト575 その53 仙人草のときめき

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   猛暑疲れでダラダラしている間に10月を迎えてしまいました。梅雨明け以来、約2カ
   月ぶりに雨らしい雨が降って猛暑も退散して、道草も息を吹き返したよう!
   商大橋付近では仙人草がフェンスや周囲の草木にからみつきながら、純白の花を乱
   舞させていました。キンポウゲ科の蔓性植物で、例年なら8月末ぐらいから開花する
   のですが、今秋は2週間ぐらい遅れて…。
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   花弁に見える白い4枚の萼片と多数の雌雄の蕊からなる花は、清楚で乙女チックに
   見えますが、名前は仙人草。咲き終わった後にできる果に白い髭があり、仙人の髭
   を連想させることからだそうです。その変身ぶりにはドッキリ!開花して数週間で白髪
   の仙人に化してしまうのですから。
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   熱中症で立ち枯れてしまうのではないかと思っていたミズヒキも、葉を蘇らせて弓なり
   にしなった茎に米粒大の蕾を点々と。注意深く観察して歩くと開花して、紅白に染めた
   4弁の愛らしい花を見ることができますが、直径2ミリ前後でカメラ泣かせです。それに
   しても野草の生命力には驚くばかりです。
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   久しぶりに小川橋近くの森田ガーデンまで足を延ばしてみました。猛暑の後遺症に加え
   て夏の花と秋の花の端境期のせいか、花の種類も数も少なかったのですが蝶や蜂、何
   と赤トンボが!「やっぱり自然の力は凄いですね。赤トンボを目にしたのは何年ぶりかし
   ら」と、行き合わせた同年輩の女性が感激していました。
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   俗に赤トンボと言ってもトンボ目(33種)のアカネ属(11種」の総称で、その代表的なの
   がアキアカネだそうです。三木露風作詞 山田耕筰作曲の「赤とんぼ」もアキアカネと
   のこと。頭上を旋回していると、胴体が赤いかどうかはっきりしなくて、「赤とんぼ」の
   歌詞のように、「竿の先に止まってくれないかしら」と空を見上げていると、数メートル
   先の杭の上に止まってくれました。有難うアキアカネ!
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   足元の百日草にはオンブバッタもいるではありませんか!大小2匹は親子でなく雌雄
   だそうで、大きいのが雌で小さいのが雄とのこと。最近都内でも急増しているツマグロ
   ヒョウモン蝶は金色コスモスがお気に入りのようで、アクセスを繰り返していました。

   道草歩きで秋をいっぱい見つけた半日。同ガーデン内の「めん処・松根」で久々に食べ
   た蕎麦ランチの美味しかったこと!お奨めです。
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by love-letter-to | 2010-10-03 21:56 | 道草フォト575 | Comments(2)