忘れ得ぬ人々& 道草ノート

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道草フォト575 その100 沈黙の鐘

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   猛暑と不安定な天候による大雨洪水や水の事故が各地で相次ぎましたが、八月最後
   の日曜日。この「道草フォト575」も100回目を迎えました。スタートして2年近くに。
   この時期にさしかかると上水堤の夏草たちは“闘い終えて”疲れ切った表情をしている
   ように思えます。そのしどけない姿も嫌いではなく、「お疲れさま」 と、言ってやりたくな
   ります。
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   人間で言えばシミやソバカスが目立つ夏草の茂みに、ツリガネニンジンやノハラアザミ、
   ナンテンハギなど初秋の花に出会う楽しさは、新人エースの活躍を期待するようにワク
   ワクします。とりわけツリガネニンジンは小さな釣鐘型の花を6輪ほど段咲きにして、そ
   の姿はヨーロッパの古都などの鐘楼に見られるカリヨンに似ているように思えます。
   正式には23以上の鐘でメロディを奏でる組み鐘をカリヨンと呼び、人が鍵盤を叩いて演
   奏するのが本来だそうですが、最近は自動演奏が多く鐘の数も最高は70を超えるとの
   こと。
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   ツリガネニンジンはキキョウ科の多年草で、釣鐘型の花を輪生させ、その根が朝鮮人
   参に似ていることから釣鐘人参の名前に。淡いラベンダー色が初秋を感じさせ、風に
   揺れる度に鐘の音が聞こえてきそうな姿をしているのですが…、耳に届いてくるのは
   虫の声ばかり。私はベルギーの古都ブルージュで、初めてその音を聞いて以来、ツリ
   ガネニンジンを見るたびに心はブルージュへ。
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   上は神代植物公園のカリヨンです。ツリガネニンジンにそっくりでしょう?同園ではたし
   か10~16時に毎時カリヨンの調べが流れ、時刻と季節によって演奏曲が違うそうです。

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   ノハラアザミ(野原薊)に止まっていたのはダイミョウセセリという蝶の仲間です。翅が紋
   付の羽織に見えることから、大名の名前が付けられたセセリチョウで、蝶にしては比較
   的おっとりして撮りやすく、カップリングのショットも撮れました。
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   先日の夕刻、熱気のこもっていた2階の一室の空気を入れ替えようと、窓を開けたら
   ベランダに揚羽蝶が!野放図に伸びってしまったナニワノイバラの蔓の先に、お気に
   入りの虫でも見つけたのでしょうか?階下にカメラを取りに下りて戻ってきても、揚羽
   は留まっており、3~4カットを撮ることが出来っちゃいました。
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   でも広げた翅の一部が欠けており、活動中に傷ついたのでしょう。彼らは日々サバイバル
   で、傷つきながらも懸命に生きているのですね。
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     茶房 萌木にて
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by love-letter-to | 2011-08-28 22:40 | 道草フォト575 | Comments(2)

道草フォト575 その99 色なき風に

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   前線と寒気の影響で殺人的な猛暑と熱帯夜から開放された今朝。
   毎週日曜の朝は落合恵子さんの「絵本の時間=NHKラジオ第一」を楽しみしている
   のですが、今朝は桑原隆一・文、栗林慧・写真による「アリからみると」の紹介で、彼
   女が選んだ一曲はハリー・ベラフォンテの「ダニーボーイ」でした。心の隅々まで滲み
   入るベラフォンテの渋い声に、年を重ねるのも悪くないナと…。年を重ねることはそれ
   だけ記憶のアルバムも層が重なり、想いは深くなるような気がします。その反面、さっ
   きまで手にしていたペンや本を探し回るほど、記憶装置はくたびれていますが。

   東北大震災と東電福島第一原発による電力不足で、節電に追われ東京でも35度Cを
   上回る猛暑日が4日もあった厳しかった今夏ですが、上水路は晩夏から初秋の気配が
   濃厚になってきました。残り少なくなった生を愛おしむように、蝶や虫たちはせっせと活
   動しているのが目に留まります。草葉の茂みでアオバハゴロモもあっちに行ったり、こ
   っちに飛んで…まるで鬼ごっこをしているみたい。カメムシ目アオバハゴロモ科に属す
   る昆虫で、その青磁色の美しい翅から青羽羽衣。一部植物の害虫でもあるそうですが、
   1センチ足らずの翅は透き通るようで、初秋の色なき風を感じさせて。
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   名前に秋がついていますが、盛夏に咲き始めるアキノタムラソウにモンシロチョウがよ
   く訪れており、運よくベストシーンをキャッチすることができました。ほっそりとした茎に
   薄紫色の小花を節ごとに4~6個ほどつけ、蝶や虫たちを呼び寄せています。楚々とし
   た風情の秋の田村草ですが、シソ科の多年草で毛深くドライフラワーのような質感です。
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   てんとう虫は英語では Lady bug。 日本では“天道虫”と呼ばれ、16世紀に来日した
   宣教師が「この虫は神の虫だ」と説明した事が始まりと言われています。
   イギリスでは「聖母マリアの虫」と言われるなど、世界各地で「幸せのシンボル」として
   広く親しまれているそうです。
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   世界に約4000種、日本には約160種が生息しており、赤地に黒い紋が7個ほど数えら
   れるナナホシテントウやナミテントウ(テントウムシ)は子供の頃からお馴染みで、懐かし
   い姿に再会を!ある日見つけたのはナナホシよりも黒紋が多くずんぐりしているので、図
   鑑で調べたところトホシテントウムシでした。赤地に黒い紋が10個で十星天道虫とか。
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   上水堤の新小川橋付近の木立に注ぐ太陽も日々斜めに傾き、たもとにある「ル・カフェ」
   にも晩夏光が!
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by love-letter-to | 2011-08-21 20:08 | 道草フォト575 | Comments(0)

道草フォト575 その98 蝉しぐれ

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   東日本大震災から5ヵ月が過ぎ、明日は終戦記念の日。戦後66年、月遅れのお盆を迎
   えて故郷に向かい、祖先を供養することで家族の絆を確かめ合う慣習を、今年は強く意
   識させられました。 被災と放射性セシウムの汚染禍で東北各地の夏祭りや盆踊り、花
   火大会も様々な支障を乗り越え、鎮魂と復興への祈りが切に感じられました。

   猛暑・熱帯夜が続きながらも月半ばを迎えた玉川上水堤は、蜩が鳴き始め蝉しぐれの真
   っ最中です。半月ほど前に「蝉が鳴かない」と心配したのが嘘のよう。地中に数年(8年と
   言う説も)、羽化して地上で7~8日の命だそうで、蝉しぐれを耳にすると「生老病死」が脳
   裏にチラつきます。日本女性の平均寿命からすると、私も人生の第三コーナーを回ったか
   な…と。
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   桜橋下流と一位橋下流右岸のキツネノカミソリの小群落は、今夏も健在で朱赤の花を
   開花させています。どちらも20数株くらいですが、自然の力と季節感を漂わせて。
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   キツネノカミソリはヒガンバナ科の多年草で、その名前の由来は花の姿がキツネのと
   がった口の形に似ていること、葉の形が剃刀をイメージさせることから「狐の剃刀」と言
   われています。花をサイドから見ると、狐の鼻づらに似てツンと尖っていました。

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   一位橋下流のキツネノカミソリ付近で、甘い香りを漂わせていたのはクサギの花でした。
   里山や雑木林に棲息するクマツヅラ科の落葉樹で、葉をもむと独特の臭気が漂うのでズ
   バリ「臭木」。しかし、ピンクの萼に包まれた蕾と5弁の白い花は甘い芳香を放ち、それら
   が集まった房は華やかで目立ちます。
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   クサギの傍らでは秋の七草の一つ萩がチラホラ開花し始めて、花暦は季節の先取りを
   していますね。
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      8月6日夕、小平灯りまつり・中央公園で。がんばろ日本!と書かれた灯篭も。
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by love-letter-to | 2011-08-14 13:02 | 道草フォト575 | Comments(0)

道草 フォト575 その97 秋立つ気配

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   夏の甲子園大会が昨日から始まり、猛暑も再燃してきたようですが明日は立秋。日中
   の陽射しはガンガン燃えていても、日の暮れが早くなってきて、朝夕の風にもホッとで
   きる日も多くなりました。

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   先日、友人にランチを誘われ、その足で「真姿の池湧水群・お鷹の道」に立ち寄ってみ
   ました。国分寺崖線の深い木立と一筋のせせらぎに沿った 「お鷹の道」は天然クーラ
   ーが効いて、いち早く秋の気配を!大気の不安定な日で、時折り小雨が降ってきたの
   ですが、雨が上がった一瞬の陽射しがモアレになって、気分もクリスタル!
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   真姿の池湧水群は良質の名水として、環境省「名水100選」に選ばれているだけに蛍
   が復活しているとか。水辺の菖蒲の葉の辺りをシオカラトンボが滑空して、目の前の枯
   れ茎に止まりました。その繊細な模様の翅はエミール・ガレのガラス工芸を見るよう!

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   湧水口付近では名水をポリタンクに汲む人や、ちびっ子たちが水遊びをする姿も。ママ
   さんたちはおしゃべりに花を咲かせていました。こんな長閑なひとときが私の宝かしら。

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   国分寺境内の万葉植物園では、フジバカマに似たサワヒヨドリ(沢鵯)が開花していま
   した。説明板には「さはあららぎ」として巻19の4268の題詞に「天皇、大后、共に大
   納言藤原家に幸しし日、黄葉せる沢蘭一株を抜き取りて…(後略)」と記されているそ
   うです。「さはあららぎ」の和名がサワヒヨドリだそうです。キク科の多年草で秋口に湿
   地の周辺に咲く花です。

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   本堂の近くの木立にはカラスウリ(烏瓜)がもう小さな実を下げていました。開花を待
   っている花もありましたが、白いレース状のネットを広げるのは夕方からで、それまで
   待ちきれないので断念しましたが、翌日の宵、玉川上水の小松橋下流でレース編み
   を広げた姿を撮影することができました。
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   古代ハスの甕では大賀ハスの蕾と蓮台のツーショットを。2000年以上も昔の弥生遺跡
   から発掘された種から発芽した大賀ハスは、種子の生命力と歴史ロマンを伝えてくれま
   すね。蓮台は蜂の巣のような形をしており、その蜂巣が「はす」の名前の由来であると
   言われています。
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by love-letter-to | 2011-08-07 21:07 | 道草フォト575 | Comments(2)