忘れ得ぬ人々& 道草ノート

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道草フォト575 その109 秋の薔薇

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   紅葉が山から里へ。10月最後の日曜日を迎えました。ここ一週間は行楽や散歩日和
   に恵まれましたが、夕方から雨になり冷え込んできそうです。
   数年前からバラ作りを始めたという知人から、その押し花が送られて来てふと秋の薔
   薇に会いたくなり、旧古河庭園を訪ねてみました。「秋のバラフェスティバル」 開催中
   で、バラの花の数ほど多くの人が訪れていましたが、英国人建築家ジョサイア・コンド
   ルが設計した重厚な石造り洋館とバラ園は秋の陽射しにときめいて見えました。
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   バラの生育適温は16~26度Cで、秋は開花までの時間は長くなりますが、蕾がゆっ
   くりふくらみ、端正な容姿を保ち続けているので優雅さもひとしお。春や夏のバラに比
   べてこぶりで花数も少なめですが、ことに赤系の品種は深いビロードのように艶やか
   で、オレンジ系品種は燃え立つような色になり、それらの香りも濃厚だそうです。
   印象に残ったのは「ダブルデライト」という白とピンクのツートンカラーと、「乾杯」という
   名前の真紅のバラでした。この日の秋の陽射しにカンパイ!しているようで。
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   バラは気品と芳香があり「プリンセスミチコ」「ダイアナ・プリンセス・オブ・ウェールズ」
   「プリンセスマサコ」などロイヤルファミリーに捧げられた品種、「クレオパトラ」「楊貴
   妃」「マリアカラス」など、古今東西のセレブの名前とその花の色や姿を見比べて歩く
   のを楽しみました。生憎、「プリンセスマサコ」はまだ固い蕾でした。「秋のバラフェステ
   ィバル」は本日までですが、12月初旬までバラは咲き続けるそうです。
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   バラの蕾に魅せられてか赤とんぼも来ては去り、来ては去りして遊んでいました。そ
   の姿を観察していると、お気に入りの蕾があるらしく10回以上も同じ蕾に止まります。
   辺りに同じような蕾があっても浮気をしないで、同じ蕾の上に。もう少し手前の蕾に止
   まってくれればフォーカスしやすかったのに!
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   案内書によると旧古河庭園は明治の元勲・陸奥宗光の別邸で、宗光の二男虎之助が
   古河財閥の養子になった時、足尾銅山開発事業で財をなした古河家の所有に。本郷
   台地の斜面という地形を活かして、高台に洋館、中段に洋風庭園、低地に日本庭園が
   設けられ、その高低差を利用した大滝は20メートルもの落差があり、市街地でありな
   がら起伏のある地形に驚きました。
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   現在の洋館と洋風庭園は明治から大正にかけて日本の洋風建築の楚を築いたジョサ
   イア・コンドルの設計。東京駅を設計した辰野金吾も門下生だそうです。
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   優雅な曲線を描いた心字池を中心とした日本庭園は、庭師・植治こと小川治兵衛が才
   腕を振るった名園と言われています。2006年には国の名勝に指定された同園ですが、
   足の悪い方や車椅子の方には段差があって洋風庭園に近づけなくて…お気の毒でした。
   心字池には雄のマガモが一羽だけ、盛んに羽繕いを繰り返していました
   二十四節気では霜降の季節に入り、暖房が恋しくなる季節ですね。下は灯屋十兵衛の
   ほうずきランプです。
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by love-letter-to | 2011-10-30 20:33 | 道草フォト575 | Comments(0)

道草フォト575 その108 こすもす日和に

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   10月も後半に入り、年賀状の発売やお歳暮セールの広告も目につくようになりました。
   「薄紅の秋桜が 秋の日の何気ない陽溜まりに 揺れている…」山口百恵さんが最後の
   生放送出演で歌ったという『秋桜』。その日から31年も経つそうで…本当に年月が経つ
   のが早くて、早くて。
   『秋桜』 の歌詞のように何気なく路傍に咲いている秋桜を求めて歩いてみたのですが、
   お目にかかれず昭和記念公園コスモスの丘へ。午後の陽はもう斜きかけていたのです
   が、逆光に揺れる秋桜を。薄紅または濃紅の花弁に縁どりがあるのは「あかつき」と言
   う品種だそうです。
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   500万本のコスモスが植わっている壮大な斜面に溺れそうになりながらアップダウンし
   てみました。愛犬を撮影している一家、自分たちの世界に浸っている若いカップル,遠く
   からでも美人と分かるカメラウーマン。都心から訪れているグループやご夫婦もいて、
   何気ないコスモスの風情と優しさの丘もドラマティックでした。
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   コスモスは南米の高地原産で、明治12年に工部美術学校(後の東京芸大)教師のイタ
   リア人彫刻家ヴィンチェンツォ・ラグーザによって地中海地方から日本へもたらされた
   と伝えられています。渡来植物でありながら日本の風土にとても馴染んで漢字名は
   秋桜。
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   コスモスの丘より一段と低い窪地に刈り取った稲を掛けている稲架、白い花の群落が
   見えました。かつての武蔵野の風景を再現している 「こもれびの里」では、ちょうど蕎
   麦の花が満開でした。午後4時を回ると人影が絶え、夕影にそこだけ白く浮き出ている
   のが印象的でした。
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   立川口ゲートへ急いでいる時、「ふれあい橋」付近で目についたのはヒマラヤスギの松
   ぼっくり。握りこぶし大の卵形の実を見た時は、陶器か磁器製品ではないかと…それほ
   ど精巧に見えました。「スギ」の名がついていますがヒマラヤスギは松の仲間ですから、
   その球果は松ぼっくりと呼んでもいいでしょう。この年になって初めて見ました。
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by love-letter-to | 2011-10-23 16:24 | 道草フォト575 | Comments(1)

道草フォト575 その107 杜鵑草と時鳥

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   昨日の風雨が去って、澄み切った空は蒼く最高気温が29度を上回って季節はずれ
   の汗ばむ一日でした。我が家のホトトギス(杜鵑草)の蕾もやっと膨らみ始めました。
   半月余りも遅れているように思うのですが、先日、柴山邸オープンガーデンを訪ねた
   ら、例年より早く八月末頃から咲き始めたとのこと。
   元々は山野などの湿った地に自生するラン科植物の仲間で、日本固有のホトトギス
   が10種もあり、数年前まで小松橋下流の上水堤にヤマジノホトトギスが棲息してい
   ましたが、絶えてしまったようで残念!半日陰を好むとは言え、この時期になると日
   の当たる方へ茎を傾けて咲くように見えます。
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   野趣に富んだホトトギスの名は花被片に無数にある紫色の斑点が、野鳥のホトトギス
   の胸毛の斑紋に似ていることから付けられたそうですが、ちょっと紛らわしいですね。
   鳥の場合の漢字表記は「時鳥」あるいは「不如帰」と書き、正岡子規の「子規」も鳥の
   ホトトギスの異名だそうです。
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   柴山ガーデンでは夏の名残りのアゲラタムやメランポディウム、サルビアなどの色
   がますます冴えて。アゲラタムは中部アメリカ原産で 葉っぱがカッコウに、花がア
   ザミ に似ていることから別名はカッコウアザミ(郭公薊 )だそうですが、郭公の声は
   耳にしたことはあっても、まだお目にかかったことはありません。
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   帰途、上水堤ではヤクシソウ(薬師草)が二三輪開花していました。木々が紅葉する
   頃に咲くそうで、そろそろ紅葉が始まるのではないでしょうか。キク科の二年草で、そ
   の名前は薬師堂のそばで見つけられたから、その色が薬師如来 の光背を思わせる
   から…などなど諸説あります。
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   道々、リリリーと甲高い虫の音が絶えず、鈴虫の声とは違うので何かしら?と草叢に
   目を凝らして歩いていたら…葉っぱと見分けがつかないけど、触覚だけを微妙に動か
   せている虫の存在に気が付きました。帰宅して図鑑で調べたらアオマツムシ(青松虫)
   のようです。コオロギの仲間ですが鮮やかな緑色をしているのは、主に木の上にいる
   ため葉と同じ色になったとされています。外来種で姿は美しいものの車の警笛すら掻
   き消してしまうくらい大きい声で、秋の情緒からは程遠い声の持ち主です。
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by love-letter-to | 2011-10-16 23:49 | 道草フォト575 | Comments(0)

道草フォト575 その106 秋愁思

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   秋晴れが続き、行く先々で金木犀の香りが漂う候。今秋は金木犀にとっては当り
   年のようで、橙色の小花を溢れんばかりにつけている木が目立ちます。
   甘い香りに酔い心地で上水沿いを喜平橋から上流へ。道々、枝が折れたままぶら
   下がったり、太い幹が裂けてバッタリ倒れ、擬木フェンスの腕木もへし折られている
   凄まじい光景が!先日の15号台風の爪痕がいやでも目に入り、「危険!」とか「頭
   上注意!」の張り紙も至る所に。
   桜橋上流の自生野草保護ゾーンでは例年ならノコンギク(野紺菊)やユウガギク(柚
   香菊)が楚々と揺れ、アキノノゲシ(秋野芥子)やキンミズヒキ(金水引) の残花が楽
   しめるのに…。かろうじてシラヤマギク(白山菊)が横倒しになりながらも、命を長らえ
   ていました。
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   白山菊はいわゆる野菊の原種のような存在だそうで、頭花は花びらが5~6 枚と少
   なく不揃いで、歯の抜けたような侘しさを漂わせていますが、清貧という表現がぴった
   り。その目立たない頭花にも蜂や小虫が訪れており、彼らの懸命な姿に 3・11東日
   本大震災で被災された方々の姿がダブってしまいました。あの巨大津波は“想定外”
   だったそうですが、上水の台風禍は以前から想定されており、大木になり過ぎた樹木
   と水路壁の崩壊を憂える声は多かったのですが、風圧の凄さを今回の台風でまざま
   ざと見せつけられ、愁思は尽きません。
   なおシラヤマギクなどキク科の花は花びらの一枚一枚が一つの花で、その頭花は
   花の集合体だそうです。
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   同じキク科のノハラアザミ(野原薊)には、最初はシジミ蝶と蜂が訪れていたのですが
   間もなく蜂と黄蝶が入れ替わって、シジミ蝶と黄蝶のツーショットが!
   秋も半ばを迎えると、彼らは残り少なくなった命を次世代に受け継ぐために必死で、カ
   メラを向けても営々としていました。
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   猛暑と台風禍で痛ましい上水路ですが、やっと尾花穂も出そろいました。そう言えば今
   宵は十三夜ですね。昨夜はうっすらとした雲間に人肌のような月が望めました。さて今
   宵はどうでしょうか?
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   その尾花の周辺では開花し始めたカラスノゴマ(烏の胡麻)にも、小虫が!花の後に3
   センチ位の細長い果実を結び、その形がゴマに似ているので、カラスの食べるゴマに
   見立てて名称にされたと言われます。その胡麻に似た実をカラスが食べるかどうか確
   証はないそうです。
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           以下は台風の傷跡の一部です。
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       最後に立川市古民家園前の金木犀の大木を。
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by love-letter-to | 2011-10-09 15:19 | 道草フォト575 | Comments(0)

道草フォト575 その105 赤とんぼ余情

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   10月の第一週が始まりました。9月から10月の暦に変わる早々、朝の冷え込みに
   ゾクッとして季節の劇的な変化を実感。我が家の門口にある金木犀の香りも漂い
   始めました。雨戸を開ける手をすり抜けて、部屋の中にも甘い香りが忍び込んでき
   ました。道草歩きにも心地よいシーズンで、のんびりと小平団地内を通り抜けて喜
   平橋へ向かおうとしたら顔見知りの方に出会い、「お久しぶり!お変わりありません
   か?」とお互いに声掛けあって、「では、また…」と立ち去ろうとしたら、目の前の枯
   れぼっくいの先に赤とんぼが!
   まるで童謡の「赤とんぼ」の歌詞さながらで、お互いの想い出話が次から次へ…と。
   思いがけず長話になってしまいました。
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   この時の赤とんぼは単独飛行をしており、何故かその枯れぼっくいにご執心で、二
   度三度向きを変えては止まり直して翅を休めておりました。優美で繊細な翅は日本
   では古くから家具調度、武具甲冑などの装飾に使われ、仏・アールヌーボー時代の
   ガラス工芸家エミール・ガレの代表作にも、トンボの翅をデザインしたランプシェード
   がありますね。
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   ひと昔前まではトンボは夏から秋にかけての風物詩で、私も登下校の道々や生家の
   庭や裏の田んぼでトンボを追いかけたり、トンボの目玉の前で指先をクルクル廻した
   りして遊んだ記憶が手繰り寄せられます。
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   赤とんぼと言っても尾が赤いとは限らず、夏場に山地で過ごし、涼しくなって里に移動
   してくる頃から赤くなるそうです。雌の赤とんぼは赤くないとも…。気のせいか今秋は
   赤とんぼを多く見かけました。
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   この日たどり着いた小金井公園でも、ツマグロヒョウモンや黄蝶などに紛れてス~ッと
   枯れ枝に止まったり、桜の園付近の原っぱでは、フットサルに興じていた少年たちの
   上を旋回して…久しぶりに赤とんぼの群れを楽しみました。夕陽を受けて翅がキラキ
   ラッと金色に輝く情景にうっとり。
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   先日訪ねた中禅寺湖畔の西六番別荘跡地でも、敷石の上やフェンスの角材にも赤と
   んぼが来ては去り、Uターンを繰り返して余情を募らせられました。
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by love-letter-to | 2011-10-03 12:34 | 道草フォト575 | Comments(2)