忘れ得ぬ人々& 道草ノート

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道草フォト575 その139 新田の名残の…

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   もう5月も最後の日曜日に。一日で季節が2ヵ月も逆戻りするなど気温の変化が激
   しかったせいか、開花の遅れていたウツギも咲きました。旧暦の卯月に咲くので卯
   の花として親しまれ、夏を告げるウツギです。
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   先日、「玉川上水オープンギャラリー」で、オーナーで画家の鈴木忠司さんに久しぶ
   りにお会いしました。土地っ子の鈴木さんによると、ひと昔前の小平は『夏は来ぬ』
   の唱歌で歌われているように、卯の花の垣根があちこちで見られ、時鳥(ホトトギス
   )が鳴き始めて夏の到来を告げたとのこと。卯の花は新田時代に隣地との境界に植
   えられたそうですが、その名残りも消えて久しくなりました。 一位橋~桜橋にかけて
   新堀用水沿いで、数本のウツギがこぼれるように咲いている姿を見せてくれます。
   枝茎の中心部が空洞なことから空木と書いてウツギ。白い5弁の花をむせ返るよう
   に咲かせて、蜂や小さな昆虫を呼び寄せています。
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   玉川上水の水路にも花房をなだれるようにつけていたウツギが、22年度から向こう
   10年にかけての整備事業で切られてしまったのか、今年は殆ど目につかなくて残念!
   同じユキノシタ科のマルバウツギの方はあちこちに見られました。マルバウツギはウ
   ツギより樹高も低く、花も小さ目ですが5枚の花弁を星型に開き、黄橙色の花芯部分
   が優しげに見えます。

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   ウツギと前後してエゴノキの花も鈴生りに咲きました。仰向くと一斉に見つめられてい
   るようで、「そんなに見つめないでよ」と言いたくなるくらい。あまりにも沢山の花をぎっ
   しりつけるので、カメラも悲鳴を上げたのかボケボケのカットばかり…。
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   一つ一つの花は長めの花柄の先に、白い花がペンダントのよう。5弁の花びらに見え
   る花冠はよく見ると、深い切れ込みのある1個の花で、花冠ごとポトポトと音立てて落
   下します。昨日の上水堤ではあちこちでエゴの花筵が見られました。
   花冠が落ちた後に膨らんでくる翡翠色の実も可愛くて楽しみですが、果皮にはアルカ
   リ成分に富むサポニンが含まれており、新田時代には石鹸の代用にしたり、麻酔作用
   を利用して魚取りにも使われたそうです。しかし現在は魚類の保護と川の水を汚すこ
   とから禁止されているとのこと。

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   甘い香りを風に乗せて漂わせていたのは、野薔薇とスイカズラで、どちらも近年は殖
   えてきているみたい。野薔薇の蕾は淡いピンク色ですが、開花すると清楚な白に。
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   スイカズラは咲き始めたばかりの頃は純白ですが、時間が経つにつれ黄色に変ってい
   きます。白を銀、黄を金に見立てて一名を金銀花とも。金銀が並んだスイカズラの花を
   探しながら歩いていると、たしか『故郷の廃家』の一節に「スイカズラ茂る丘の上…」とい
   う歌詞があったはず…と思い出して、ネットで検索してみたのですが、犬童球渓の作詞
   した歌詞には、一番にも二番にもスイカズラは出て来なくて…私の記憶違いかしら?
   それともいよいよ認知症の症候かな?
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   それはともかく、スイカズラはフェンスや周囲の立木にからまりながら、冬でも葉が落ち
   ないことから忍冬(にんどう)とも呼ばれます。

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      上はあかしあ通りのバードショップ前で出会ったオウムたち。
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by love-letter-to | 2012-05-27 21:58 | 道草フォト575 | Comments(0)

道草フォト575 その138 遊びをせむとや

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   そろそろ玉川上水堤にも卯の花ことウツギ(空木)が咲いて、むせ返っているので
   はないかと昨日、一位橋付近を訪ねてみましたが、まだ蕾ばかりでした。例年より
   1週間ぐらい遅れているようです。同じウツギの仲間でもマルバウツギの方は例年
   通りGW 明けぐらいから開花して、エゴノキの花もピークを越しているのに…卯の
   花は遅れており、花によって差が生じています。
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   お目当てのウツギに出会えなくてがっかりして帰る道々で、オニタビラコがとても
   愛らしくて思わずパチリ!1センチ前後のタンポポに似た頭花は、ニコニコバッヂ
   みたいでした。「遊びをせむとや生まれけむ」と言った風情で。
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   田畑の畔などに引っ付くように根生葉を広げていることから、田平子と呼ばれ、鬼
   が付くのは 除草が追いつかないほど厄介な野草だったからでしょう。ほっそりした
   花茎に小さな花を次々に開花させた後は、タンポポ同様に冠毛をつけた種子が風
   に乗って飛散します。仲間に小鬼田平子、藪田平子も。

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   茜屋橋近くの空き地ではタンポポがみんな綿毛となって…。 旺盛な繁殖力は少子
   化とは無縁の植物のようですが、近く建設工事が始まるようでした。

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   繁茂してきた下草の間にはタンポポに似ているけど、花も茎もなよなよとして優しく
   微笑んでいたのはジシバリ(地縛り)。地を這って細い茎を四方に伸ばし、その節ご
   とに根をおろし地を縛るほどに殖えるそうです。一時減少していましたが、近年は持
   ち直してきているようです。

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   フェンスの足元にはイヌカキネガラシも、菜の花に似た4弁の花を咲かせていました。
   辛子菜に似ているけど食用にはならず、垣根になるほど繁茂する犬垣根辛子は役立
   たずの代名詞のような存在ですが、それでも花を咲かせ 実を結んで、いじらしく次世
   代に備えています。
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   ハルジョオンには紅シジミ蝶がリボンのように止まっていました。
   今回は雑草とされる類の野草ばかり撮ってみました。ごく最近、知人からのメールで
   仕入れたのですが、“命短し、遊べや婆さん”というキャッチフレーズが、シニア層の
   女性の間でモテモテだとか。文字通り「遊べ!」というよりも、「老いても遊び心を大切
   に」と、私は捉えているのですが、皆様は如何?
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      上は今日会食した無門庵(立川市)で。
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by love-letter-to | 2012-05-20 23:23 | 道草フォト575 | Comments(0)

道草フォト575 その137 二人静と…

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   五月第二日曜の母の日。私にとっては母を思う日に。訪ねてくれた息子一家のため
   に亡き母譲りの五目寿司を作りました。目に青葉…初鰹の季節ですが、瀬戸内海に
   面した伊予出身の私の一家には、とれとれの鰆を酢でしめたもの、穴子の付け焼き、
   筍、木の芽などを使ったちらし寿司か五目寿司が初夏の味で、押し寿司にすることも
   ありました。
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   不安定な大気の影響で茨城や群馬、栃木県下に発生した竜巻のすさまじさに二の足
   を踏みながら、4~5日ぶりに上水堤を訪ねたら、二人静(フタリシズカ)が嫋やかに開
   花していました。花穂の白い飯粒のような一つ一つが花だそうです。 粒々を拡大鏡で
   覗いてものっぺらぼうで、花とは思えませんが雄蕊が3本、雌蕊が1本あるとか。センリ
   ョウ科の多年草で、センリョウ科の花には花びらも萼もないとのこと。
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   とは言え、2本の花穂を凛として掲げている二人静は、史実はともかく源義経の愛妾で
   白拍子の静を連想させられます。
   子どもの頃に見聞きした話では、源平合戦に勝利したものの、腹違いの兄頼朝の反感
   を買って追われる身になった義経に、吉野山で生き別れとなった静は捉えられ、鎌倉に
   移送されます。
   そして頼朝に当代一とされた白拍子の舞を命じられ、「しづやしづ しづ(倭文)のをだま
   き くり返し 昔を今に なすよしもがな」と、愛する義経の復権を歌った静の勇気に感動し
   たものです。フタリシズカの花穂はその白拍子の舞い姿を彷彿させてくれるように思い
   ます。小桜橋下流のフタリシズカの小群落では、花穂が1本、あるいは3~4本立って
   るものもあります。1本でも二人静とはこれ如何に?

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   上水堤には一人静(ヒトリシズカ)もわずかながら見られました。フタリシズカより花期は
   10日ほど早く、4月半ばから末にかけてブラシのような白い花穂を。
   ヒトリシズカにも花弁と萼がなく、緑色の子房の横腹に雄蕊が3個。白い糸状のものは
   花糸で、外側の雄蕊の基部に黄色の葯が見られます。ヒトリシズカとフタリシズカは風
   情が全く違いますが、どちらも静御前になぞらえているのは薄幸の境涯が同情を誘うか
   らでしょうか。“判官びいき”同様に。
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   頭上ではミズキの大きな花房がユサユサ。遠目には白い炎に見えますが、ほっそりとし
   た4弁の小花が密に寄り集まっており、清楚なブライダルブーケのようです。
   花房の径は20センチ以上もありダイナミックです。
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   オニグルミの雄花穂は黄緑色の紐みたいで、長さは30~40センチもありますが、葉と
   同系色なので、一昨年も昨年も落花して気が付く始末。今年も落花寸前で、かなりくた
   びれた花穂ですが、どうにかカメラに。雌花の方は新芽の先端に赤い小さな花をつける
   そうです。雌花の画像は来年の宿題です。
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   上は我が家のナニワノイバラです。フェンスにからみついて毎年、母の日前後に
   見頃を迎えます。
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by love-letter-to | 2012-05-13 22:14 | 道草フォト575 | Comments(2)

道草フォト575 その136 滴る緑の下で

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   五月最初の日曜日、大型連休も今日が最終日。連休後半の初日は不安定な低気圧
   の影響で、各地で洪水や豪雨の被害が相次ぎましたが、5日の子どもの日だけはピカ
   ピカの五月晴れが広がったようで何よりでした。
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   玉川上水堤も瞬く間に新緑が広がり、ウォーキングには最高の季節です。下草の葉陰
   には翡翠色の雫のような花を下げたホウチャクソウが、嬉しいことにここ数年増えてき
   ています。ことに茜屋橋から小金井橋間には大小の群生が見られます。五月の爽やか
   さを象徴している野の花でしょう。草丈は40~50センチ、弓なりにカーブした茎の先に
   長さ2センチ前後の筒型の花を通常は2輪、1輪だけあるいは3輪つけていることも。
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   ホウチャクソウは開花寸前まで、茎先の葉にくるまれて蕾を育てており、今回初めて開
   花寸前の姿を撮ることができました。まるで赤ちゃんが大切におくるみに包まれている
   ようで、とっても可愛い!
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   チゴユリ(稚児百合)と同じくユリ科の仲間ですが、チゴユリのように6枚の花弁
   を全開させることはなく、奥ゆかしく微笑む程度です。チゴユリの方は寺橋付近か
   ら上流にかけて群生が見られました。ホウチャクソウもチゴユリも健やかに!

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   法堂などの軒下の四隅に下げられた宝鐸または風鐸(風鈴)に似ていることから、宝
   鐸草と書いてホウチャクソウ。3年前の桜のシーズンに京都を訪ねた折り、南禅寺の
   伽藍の軒先にこの風鐸が下がっているのをカメラに撮ったことを思い出しました。
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   南禅寺は臨済宗南禅寺派の大本山で鎌倉後期開山の後、再三の火災の後に江戸
   期に再興されたという法堂はスケールが大きく、ズームを最大にしても風鐸と判別で
   きる程度にしか撮れていませんが…。 
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        新緑の萌え始めた頃の玉川上水
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by love-letter-to | 2012-05-06 17:00 | 道草フォト575 | Comments(0)