<   2012年 09月 ( 5 )   > この月の画像一覧

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   9月最後の日曜日。そして末日。晴れていたならば仲秋の名月が拝めたのですが、
   台風17号が関東地方にも接近して、夕方から風雨が強まってきました。
   去る24日、小平にも縁のある日英混血の実業家『ハンス・ハンター忌』に参加する
   ため、中禅寺湖を訪ねてきました。東武日光駅から「いろは坂」を上り、八合目辺り
   の明神平まで来ると、“下界とは気候が違うなぁ”と毎度感じます。湖畔に着くと「日
   光レークサイドホテル」の敷地内で、シロヤシオツツジが紅葉し始めていました。シ
   ロヤシオはツツジの仲間でも葉が5枚あるのが特徴で、ゴヨウ(五葉)ツツジとも呼
   ばれています。
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   中禅寺湖畔の8月の平均気温は18.5度前後なのに、今年は27度もある日が続き、
   紅葉も遅れているそうですが、このシロヤシオだけは別格!まるで私たちの訪問を
   歓迎してくれたように黄から朱色、真紅のグラデーションを見せてくれました。このよ
   うに色づき始めたばかりの紅葉を、俳句では「薄紅葉」とか「初紅葉」と詠まれていま
   す。宿泊した部屋の窓から眺めると、そのグラデーションは映像みたいに幻想的で
   した。
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   湖畔でも最高のロケーションの地・大崎に、大正末期、ハンス・ハンターが設けた『西
   六番別荘』跡で、彼を偲ぶ会が催されました。他界して65年になり、偲ぶ会も5回目
   を迎えました。この別荘を拠点に中禅寺湖の一大リゾート構想を描き、釣りを中心と
   した国際交流を展開していたハンス・ハンターに関心を持つ人の輪が年々広がって
   欲しい。尖閣諸島や竹島をめぐる領有権問題で、近隣諸国との関係が揺らいでいる
   昨今だけだけに。そういう雰囲気が偲ぶ会でも感じられ、参加者は同別荘跡のマント
   ルピースに献花し、その蘭の花びらを湖水に静かに放ちました。
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   毎年、毎回ながら、中禅寺湖畔では快晴、曇り、濃霧、通り雨、豪雨などあらゆる気
   象の変化を一日で経験します。空が泣いたり笑ったり。その変化が本当に目まぐる
   しくて、湖水も蒼く輝いたり、灰色に沈んだり。早朝、湖面を覆っていた濃霧が刻々と
   上昇して、男体山が次第に姿を現すシーンは何度見ても、感動的です。上の画像は
   霧のベールを剥いで、大崎や千手ケ浜まで見渡せるようになった朝の一刻です。
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   岸辺ではブナ実が熟れはじめ、ツリバナの実が弾けて赤い種子を覗かせていました。
   湖畔の植物たちはそろそろ冬支度の時期です。
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   今回は「…偲ぶ会」のメンバーの方が、フォードのステーションワゴンで半月山展望
   台まで連れって行ってくれました。南岸の高台から中禅寺湖を眺めるのは初めてで
   した。男体山の頂上付近は霧に包まれていましたが、人造湖を除く広さ4㎢以上の
   湖としては、日本一標高(約1300メートル)の高い場所にある湖だけに、水の蒼さ
   に、吸い込まれそうでした。
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   半月山展望台では視界360度、芒の穂が盛んに首を振り、赤とんぼが飛び交って
   いました。画像の左、ゴミのように見えるのは赤とんぼです。たまたま写っていました。
   下は数年前に撮ったシロヤシオツツジです。透明感のある白い花は気品があり、こ
   の上なく優しくて湖の精みたい。ヤシオは八汐の意で、波の白さをイメージしている
   そうです。
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by love-letter-to | 2012-09-30 20:57 | 道草フォト575 | Comments(10)
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   生憎、荒れ模様のお彼岸に。「暑さ寒さも彼岸まで」と言われますが、彼岸の入り
   から劇的に秋暑も納まりました。傘も役立たないような断続的な豪雨により、ひと
   まず渇水は免れましたが、国情も大気と同様に荒れ模様です。
   彼岸入りの日、まだ咲いてないだろうなァと、殆ど期待しないで鎌倉橋に近づいた
   とき、橋のたもと付近に赤い色が!何とヒガンバナが数輪開花しているではありま
   せんか。彼岸花の名前通りに。掘りの暗がりを背にしたヒガンバナはまるで篝火の
   ように、赤々と燃えて見えました。
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   直立した茎頭に6~7個の花を放射状に開花させているヒガンバナ。細く長い花弁
   がそっくり返って、互いに絡まり合って咲いており、雌雄の長い蕊をピンと伸ばして。
   曼珠沙華とも呼ばれますが、その語源はサンスクリット語のmanjusakaの音から
   きたものだそうで、「天上花」の意味も。
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   幼い頃、田圃の回りに咲いていたヒガンバナが余りにもきれいなので、腕いっぱい
   抱えて嬉々として持ち帰ったところ、祖父母が血相を変えて、捨てられてしまいまし
   た。私の生まれ育った瀬戸内地方では「仏花」とか「死人花」と言われて、忌み花だ
   ったようです。そんな思い出も遠い昔になり、祖父母をはじめ父母や叔父叔母たち
   も彼岸の人になりました。 此岸の人が彼岸の人々を偲ぶ日が「お彼岸」の墓参に
   つながったそうです。今夏、話題になった樹林墓地に彼岸花は相応しいかもしれま
   せんね。
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   俗に赤トンボ、アキアカネが今秋、都内で初めて観察された20日、玉川上水堤・桜
   橋上流の笹の葉で翅を休めていました。夏を過ごした山から里に下りて来た長旅の
   疲れを癒していたのか、数分も、そのままの姿勢でカメラに収まってくれました。
   多摩川の河川敷グランドでは先月末頃から飛び交い、打者のバットに止まることも
   あるとか。「…止まっているよ 竿の先」と謳われている三木露風作詞 『赤とんぼ』
   の歌詞のように、枯れ茎や棒切れの先がお好みのようです。
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   この日はツルボもピンク色の花穂を掲げて、堤のあちこちに「参内傘」の別名に相
   応しく行列している姿も見られて、目にも心にも秋を感じることができました。
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   上水堤に隣接した津田町アパートの敷地内ではボタンクサギの花穂の大輪も。クマ
   ツヅラ科の落葉低木で、中国南部・印度北部原産の落葉低木で、中国名は臭牡丹。
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   小花の一つ一つは十字手裏剣に似たクサギの花の特徴を備えており、直径は20セ
   ンチあまり。精巧な細工のクスダマ (薬玉) さながら。蕾の時は濃紅色です。盛夏に
   咲くのですが、猛暑続きで開花が遅れていたのかしら。

   明日は奥日光・中禅寺湖畔へ。毎年、9月24日に開かれている 『ハンス・ハンター
   を偲ぶ会』に参加してきます。金山や錫鉱山事業、鱒釣りを中心とした民間レベルの
   国際交流を中禅寺湖畔で展開した日英混血のハンス・ハンター(範多範三郎)の命日
   です。没後65年、今回で5回目の偲ぶ会です。東武日光駅までの沿線に群生している
   彼岸花が見られるかどうか…。黄金色の田圃の周囲に咲いているヒガンバナは、園児
   たちが可愛いい手を振っているように見えるのです。
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by love-letter-to | 2012-09-23 15:13 | 道草フォト575 | Comments(6)
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   九月に入っても真夏日が続いてきましたが、半ばを迎え明日17日は敬老の日。
   100歳以上の高齢者が全国で5万人を超えたそうで、“人生90歳”の時代に入った
   とか。小平市の名誉市民で、107歳で他界されるまで、制作意欲に燃えておられた
   木彫家・平櫛田中翁の名言の一つ『六十、七十は鼻たれ小僧、男ざかりは百から百
   から、わしもこれからこれから=99歳の時の言』が、現実的になりつつあります。
   今日は大気が不安定で、時折りパラパラッと雨が降りましたが、乾ききった上水堤で
   は秋草たちが「もっと水を!」と、嘆いているようでした。

   そんな堤の一角で、高原の風を感じさせるような花に出会いました。喜平橋と小桜橋
   の中間あたりでしょうか。青紫色のユニークな形をしているカリガネソウが、茂みの間
   でユラユラ。ほっそりとした茎先に帆掛け船みたいな花が揺れていました。
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   その姿から帆掛け草とも呼ばれますが、雁草と書いてカリガネソウ。山地に自生する
   クマツヅラ科の多年草で、色といい形といい秋の爽やかさを届けてくれました。
   縦3センチ、横2センチくらいで上部に花弁が2枚、左右にも各1枚、下向きに1枚の5
   弁の花から、雌雄の蕊が弓なりに突き出しています。下向きの花弁には絞り染めのよ
   うな白い紋様があり、粋で心憎いじゃありませんか!ちょっと異臭があるのが残念です
   が、丸い蕾も愛らしい秋の野の花です。
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   カリガネソウの近くでは、ハナトラノオ(花虎の尾)も咲き始めていました。唇弁型のピン
   クの花が穂先に四方を向き、プリーツのように重なって咲いているので華やかです。花
   壇や庭植えでもしばしば見かけますが、北米・バージニア州原産で、大正時代に渡来。
   茎が四角で、そのコーナーに沿って花をつけるからカクトラノオの別名も。
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   花穂が虎の尾に似ており、美しいので「花虎の尾」の名称になったそうです。シソ科で
   乾燥に強いので、このところの雨不足でもノープロブレムみたいでした。
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   堤でも歩道部分にも元気な野草が!スズメノヒエです。あちこち向いて垂らしている長
   い穂には、黒い虫が無数にたかっているようで、ちょっとグロテスクです。
   南アメリカの原産で、乳牛用の暖地型牧草として栽培され、関東以南で野生化してい
   るそうです。
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   穂には小穂が3列に並んで、稗に似た一粒一粒に黒ゴマのような葯をつけているので、
   グロテスクに見えるようです。葉や葉鞘にも産毛がたくさん生えており、決して愛らしい
   野草ではありませんが、道草歩きを楽しませてくれます。
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   開花の遅れていたセンダングサ仲間もちらほら。菊の花の中心部だけのような花です。
   実はこの中心部のポツポツがそれぞれ一個の花で、通常、菊の花びらと呼んでいるの
   は舌状花と呼ばれています。センダングサ(栴檀草)には舌状花があり、ないのはコセ
   ンダングサ。そして、赤ちゃんの乳歯のような白い舌状花を数枚つけるのは、アイノコ
   センダングサ。その差異は分かりにくいけれども、上はアイノコセンダングサのようで
   す。白い舌状花が出始めていますから。
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   最近の上水堤では、コセンダングサとアイノコセンダングサが競い合っているみたい
   です。どちらにも蝶仲間がよく訪れており、黄蝶がアクセスした瞬間を撮ることができ
   ました。19日は彼岸入りですから、ヒガンバナも咲き始める季節ですね。
   
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       でも、百日紅も凌霄花もまだ頑張っています。
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by love-letter-to | 2012-09-16 22:11 | 道草フォト575 | Comments(2)
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   二十四節気の一つ白露に入り、真夏日が続いても空気は変わってきました。
   新暦ではピンときませんが、今日九月九日は九が重なることから「重九(ちょうく)の
   節句」あるいは「重陽の節句」 とされ、おめでたい日とされています。菊の節句とも
   呼ばれ、秋の花が咲き始める候。
   昨日、玉川上水堤に向かう途中、小平団地のはずれの芝生が金色に輝いており、
   眩しさに足を止めました。何とキラキラと輝いていたのはエノコログサ(狗尾草)!
   猫じゃらしの別名でも親しまれていますね。金色に波打っているシーンは、たかが
   エノコロと見過ごせないほど素敵でした。
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   図鑑によると「金狗尾草=キンエノコログサ」という花穂全体が金色の種もあるそう
   ですが、ここのエノコロは果実部分が緑色で周囲の毛だけが金色。 金色の炎に包
   まれているみたいでした。 その透け透けルックが無邪気で動画に撮りたいくらいで
   した。
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   茂みでは虫の声も漏れてきますが、まだ日中は蝉の声の方がボリュームがあって、
   積乱雲も頑張っています。
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   そんな空の下、上水堤の桜の樹で鳴いている蝉を撮ることができました。多分ミン
   ミンゼミだと思うのですが…。翅の透かし模様がこんなに繊細で美しいとは!
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   虫や蝉が大好き方によると、鳴き始めのミンミンゼミはミーンミーンと4回位ですが、
   5回、6回、7回と増えていき、最高8回まで続き、一番多いのが「6回」だそうです。
   カメラに集中していて、この蝉のミンミン回数は聞き逃してしまいました。
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   喜平橋から100メートルほど下った辺りで、秋の七草の一つクズ(葛) の花に会い
   ました。例年なら八月半ば過ぎから開花するのですが、今年は九月に入ってやっと
   咲き始めました。 水路に覆いかぶさっている雑木にからまりながら、てっぺん付近
   で花をつけるので、撮るのは一苦労。そして“美形”を見つけ出すのはもっと大変で
   した。葛のように立木にからまる蔓性の植物を「マウント植物」 と呼び、元の樹木を
   枯らしてしまうことも多いので、堤の整備上、この付近の葛は見られなくなるかも知
   れません。
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   小桜橋付近の堤は下草刈りされていたので、今秋はツルボが見られないかも知れ
   ないと案じておりましたが、淡いピンクの花穂がポツリポツリ立ち上がっていました。
   以前のように群生しているとは言えませんが、取りあえず安泰のようでやれやれ。
   フェンスの外側にもエスケープして数株咲いていました。
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        ツーショットも。
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   ホウチャクソウ(宝鐸草)の実も濃紺に熟れて、バロックパールのよう!その輝きは
   控えめながらも堤の秋を感じさせてくれました。
   九月九日は「救急の日」でもあるそうですが、私の方は窮々として句をひねっており
   ます。
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by love-letter-to | 2012-09-09 14:31 | 道草フォト575 | Comments(3)
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   9月最初の日曜日。9月1日を迎えるなり、明け方の激しい雨の音で目が覚めました。
   まるで滝の音を聞くようでしたが、1時間もすると青空が広がり、陽射しもギラギラ。そ
   の変化の激しさに戸惑いながらも、「仙人草がきっと咲いているはず」と記憶をたどり
   ながら、日中2時間くらい上水堤へ。例年なら商大橋から上流右岸にはフェンスや下
   草にからまりながら、仙人草が白い炎のように咲き誇っている時期です。でも、記録
   的な猛暑のせいか、雨不足のせいか…茂みに隠れるようにして、わずかに咲いてい
   るだけでした。猛暑続きで私の記憶の糸もからまっちゃったかな…そんな思いでした。
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   ほんの申しわけ程度に開花していた仙人草は、はなびらに見える4枚の白い萼片も
   雌雄の長めの蕊にも、大きな雨露が光っていました。キンポウゲ 科の蔓性植物で、
   仙人草の名はこの種子の羽毛が仙人(老人)のヒゲにたとえられたと言われていま
   す。
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   旧小川水衛所跡の回りのフェンスには、その“仙人の髭”を蓄えた種子をたくさん見
   ることができましたが、同水衛所跡も「玉川上水散策路等整備事業」の一環で、先
   月初めから工事中です。
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   東京都水道局により、玉川上水により親しめるよう既存の橋を利用して左岸と右岸
   が行き来できるようになり、緑道がつながるそうです。工事の期限は来年4月24 日
   とのこと。
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   大気の不安定で晴れたり土砂降りになったり、目まぐるしく変化する昼下がりでした
   が、晴れ間にはキツネのマゴ(狐の孫) もピンクの花を覗かせていました。マッチ棒
   の頭くらいの小さな花ですが、不思議と存在感があります。キツネノマゴ科の一年草
   で、草丈は10~15センチ。名前の由来は諸説ありますが、子狐の顔に似ているよう
   に見えます。新見南吉の「ごん狐」の胸に迫る哀しい童話を思い出したりして…。
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   この付近の堤では減少して気にかかっているツルボも2~3株、開花していました。
   8月末頃から9月半ば過ぎまで、20~30センチの花茎の先端部に4~7センチの花
   穂に淡い紅紫色の小花をたくさんつけて、とても愛らしい姿です。花は直径5ミリぐら
   い。公家が宮中に参内するときに使用した傘に似ていることから「参内傘」 の別名も
   あり、群生していると、その趣が感じられます。喜平橋下流に小群落がありましたが、
   先日訪ねた折りには下草刈りされていたので、今後見られるかどうか…。

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   回田本通りに面した「農林中金研修所」の南側に広がっていた広々とした農地も、今
   年の初夏ぐらいから白い幕で囲われ、宅地造成が行われています。回田本通りから
   五日市街道にかけて、新田開発当時の地割が残っており、この一帯で短冊農地が見
   られる唯一の地域でした。時代の波でまた一つ伝来の農地が消えました。 この短冊
   農地と玉川上水の木立を望む景観は小平の歴史的・文化財的な価値があったと思う
   のですが、如何でしょう?
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   こうして私の記憶の糸も次第に途切れて、失われてしまうようで残念です。

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by love-letter-to | 2012-09-02 20:12 | 道草フォト575 | Comments(1)

忘れ得ぬ人々&道草ノート折々


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