忘れ得ぬ人々& 道草ノート

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道草フォト575 その187 翡翠色の風

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   4月最後の日曜日。藤やツツジをはじめ百花が咲き競い、新緑がまぶしいゴールデ
   ンウィークに入り、まさに風薫る候。上水堤を吹き抜ける風が翡翠色に感じられまし
   た。草の波に揺らされている小舟のような葉陰を覗くと、宝鐸草が翡翠色の花を提
   げていました。1~2連が多いけれど、3連も提げている株もあります。仏堂や塔屋
   の屋根の四隅に吊るされている宝鐸(ほうたく)、あるいは風鐸(ふうたく)に似た姿
   を目にすると、心まで澄んでくるような…。
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   北京の故宮博物館で、 この宝鐸草の色合いの翡翠の装飾品や置物、細工の凝っ
   た器などに見とれたことが思い出されます。宝鐸草の筒型の花はあまり開かない
   のですが、小桜橋付近で見かけた宝鐸草は、外側の花弁を跳ね上げていました。
   スカートの裾を恥かしそうにめくっているようでした。花筒の長さは2センチ前後か
   しら。
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   宝鐸草の群生の近くでは金鳳花(キンポウゲ)が、陽気に風と戯れていました。水
   路敷きの木立や下草の緑の中で、光沢のある黄色の5弁の花は目立ちます。葉
   の形が馬の足跡に見えるとかで、ウマノアシガタ(馬の足形)とも呼ばれますが、
   キンポウゲの名前の方が愛らしい容姿にぴったりするのではないでしょうか。
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   イングランドの牧草地に群生していたので、名前を訊ねたらバターカップとのこと。
   牧草の生育を妨げる一種だと言っておりました。でも、黄色の群生地はロマンティ
   ックでした。
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   上水堤で最近殖えてきたのはオオアマナ(大甘菜)。葉はアマナの葉に似て細長
   く、草丈15~20 センチに比して6弁の白い花は大きく、花径3 センチ前後。見た
   目にはとても優雅ですが、どんどん群生面積を広げているのをみるとワイルドで、
   周辺のフタリシズカが減少してきました。
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   オオアマナは地中海沿岸地方原産で、明治末期から大正初期に渡来した帰化植
   物で、花が在来種のアマナに似て大きいことから、その名がついたと言われてい
   ます。当初は観賞用であったのが、逸出して野生化した一種で、別名オーニソガ
   ラム、ベツレヘムの星といったファンタジックな名前が図鑑には書かれています。
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   ジュウニヒトエ(十二単)に似た外来種キランソウも殖えてきました。淡い色の在来
   種に比べて濃い青紫色で、円錐形の花序も大きく目立ちます。セイヨウジュウニヒ
   トエとも呼ばれ、ヨーロッパから中央アジア原産の多年草で、グランドカバーとして
   多く栽培されている園芸種とのこと。淡紫色や白、ピンク系もあり、園芸店ではア
   ジュガとも呼ばれているそうです。
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   あかしあ通り沿いの小平団地の一角では、白いコットンボールで覆われているよう
   な樹木に出会いました。サワフタギです。北海道・本州・四国・九州、朝鮮・中国に
   分布する落葉低木で、 白い花に覆われた木が沢に蓋をしたように茂ることから沢
   蓋木と名付けられたとか。上水堤でも寺橋付近で出会ったことがありました。
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   円錐花序に十数個付けた蕾が2~3輪開花している時期には、5弁の花だと分か
   りますが、満開になると花序全体が白い毛毬のようになってしまい、フワフワ。ス
   モークツリー状に。
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   松の幼木にも花が!松ぼっくりを小さくしたような黄緑色の花をつけているのは雄
   花穂だそうです。カプセル状の雄花は、やがて開いて花粉を発散。雌雄同株だそ
   うで、雌花を探してみたのですが、残念ながら…。
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   上は西国分寺駅南口近くにある「クルミドコーヒー」のオープンサンドランチです。
   自家製のパンにヒヨコ豆のサラダと生ハム、トマトをはさんでありました。玉ねぎの
   味と香りがほのかに漂うパンも美味しく、ヒヨコ豆の触感が楽しいサラダとの取り合
   わせが新鮮でした。5月4、5日に立川駅ビル屋上で開催される「あおぞらガーデン」
   に、同店も出店するそうです。
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by love-letter-to | 2013-04-28 21:17 | 道草フォト575 | Comments(1)

道草フォト575 その186 花の後

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   4月第3日曜日。準備の整った田畑に百穀を潤す穏やかな春の雨が降る「穀雨」の
   節気に入りましたが、冬日並みに寒い日曜日です。会津地方では満開の桜に雪が
   降り、仙台や軽井沢でも雪が降っているとか。 数日前は半袖姿の人も見られたの
   に…。気温の乱高下に自立神経もおかしくなりがちな私です。 上は自衛隊小平駐
   屯地内の八重桜の古木を、フェンス越しに撮ってみました。まだ色鮮やかなまま落
   花して、その向こうにタンポポの群生が。もう綿毛になっているのが見られました。
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   上水に面した津田町3丁目アパートの広場の回りでは、ナガミノヒナゲシ(長実の雛
   罌粟)がまるで植栽されたように、並んで咲いておりました。日中は人けのない広場
   で、嬉々として。極薄い和紙のような4枚の花弁は逆光で撮るとアー-ティスティック
   で惚れ惚れしてしまいました。ケシ科の多年草で、地中海沿岸から中欧原産の帰化
   植物だそうです。
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   花の直径は3~6センチ、4枚の花弁はオレンジ色がかったサーモンピンクの微妙な
   色。ヒナゲシ (コクリコ=雛罌粟)に似ていますが、花びらは2~3日後には風と共に
   去り、その後すぐにできる実が長細いという特徴から、ナガミノヒナゲシ(長実の雛罌
   粟)。日本で最初に発見されたのは昭和36年、東京で見つかったとのこと。半世紀足
   らずで全国的な広がりを見せており、帰化雑草とも言われています。
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   同じ敷地内の植え込みの下では、懐かしいスズメのテッポウも。長細い花穂に黄色の
   葯をつけて、今が繁殖のシーズンなのでしょう。 草原にひそんで雀が近寄るのを待っ
   て、構えている鉄砲に見立てた昔の人々の連想力が楽しいですね。
   花穂をスポッと引き抜いた茎先に唇をあてがい、ピーピーと吹いて遊んだ頃。自然が
   遊び場だった子供の項も遠くなりました。
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   創価学園付近まで歩いてくると、南側の上水堤に一、二輪の白い清楚な花が咲いて
   おりました。図鑑で調べると、その姿にぴったりの「シラユキゲシ=白雪芥子」でした。
   茎丈30センチ前後の先端部に花径3~4センチ、花蕊部が和菓子の「きみしぐれ」の
   ようでした。雌蕊は1個で多数の雄蕊があり共に黄色だそうです。中国東部原産、ケ
   シ科の耐寒性多年草で山地の湿ったところに自生しているそうです。
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   道々で目についたのはキュウリグサです。花が咲いていると言っても、花の径は1~
   2ミリ。マクロレンズでも接写が難しくて、祈るような気持ちでシャッターを押しました。
   花茎の先端部に10個ほど花をつけるのですが、その先端部がちょこんと曲がってい
   るのが愛らしい。スカイブルーの5弁の花はミニミニながらも端正で、パッチワークの
   キットのようです。
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   かつては地を縛るように根を張り、殖えていったジシバリ(地縛り)も点在していました。
   タンポポの花をより愛らしく優しくしたような花は、名前が似つかわしくないと思うので
   すが、地を縛るほど殖えるといいなァ!
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   ハルジョオンなんて見向きもされない野草の一種ですが、この日出会ったハルジョオ
   ンの群生は、手入れの行き届いたガーデンの一角を見るようでした。
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   淡いピンクの濃淡の色彩と繊細な花びらに見取れました。名画を見る気分で…。
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   先週の初夏の陽気のような一日、旧友のガーデンを訪ねて、彼女の手作りのランチ
   をご馳走になりました。
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   人参の千切りと卵、胡瓜と蟹缶のサラダにアスパラのピクルス添えオープンサンド。
   「有り合わせばかりよ」と云うものの彼女のオープンサンドは、飛び切りグッドテイスト
   でした。
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by love-letter-to | 2013-04-21 15:20 | 道草フォト575 | Comments(1)

道草フォト575 その185 陽春の堤で

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   4月も半ばを迎えました。初夏並みの日があったり、冬に戻ったり…不安定な気候
   が続いておりますが、草木はあれよあれよという間に花を付け、新緑は色を深めて
   暦を先取りしていく今春です。その勢いに驚く日々です。
   とりわけ厳しかった冬の寒気と春先の寒戻りにも関わらず、今月早々、ウラシマソウ
   が三つも花を立ち上がらせました。一昨年は1個、昨年は2個でした。もう幻とされ、
   30数年も上水堤の野草観察をされてきた故織田雅雄さんも、このウラシマソウの開
   花に驚かれていました。 周辺の宅地化は進み、上水堤の崩落荒廃は進む一方です
   が、時の流れに逆行するような草木のワンダーに出会います。今日は織田さんの一
   周忌、命日です。
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   津田塾キャンパス南側の堤の茂みで 開花していたウラシマソウは、サトイモ科の宿
   根草で、一見グロテスク。 忍者のようでもあります。仏像の光背に似た仏炎苞にくる
   まれた肉花穂の先が、細く長く伸びているのが特徴で、釣り糸を垂れているような姿
   から浦島太郎になぞらえて浦島草と。同じサトイモ科のミミガタテンナンショウ (耳形
   天南星) も、砂川・金比羅橋付近と創価学園付近で見たことがあります。
   本州、四国を中心に北海道と九州の一部に分布して、日陰を好みやや暗い林中など
   に自生しているそうですが、日照不足でも開花しにくいそうです。全草有毒植物なの
   で、そっと見守りたいですね。360年前、この玉川上水が開削される以前から自生し
   ていたのかもしれません。自然のサイクルは人の世の移り変わりを超えたものがあ
   るように思いました。
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   浦島草の周辺にはチゴユリも開花していました。稚児百合の名前からも分かるように、
   6弁の白い花冠は2センチ足らず。草丈も10~20センチで、茎の先端に俯きに1~2
   輪つける花は、愛らしい。 寺橋~椚橋にかけて群生が見られますが、久右衛門橋下
   流にも最近、殖えつつあるのが嬉しい。織田さんが殖やそうとしていました。
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   浦島草の近くのハラン(葉蘭)の根元でも、隠れがちに花を付けていました。年中、青
   々として、葉ばかり茂らせているように見えるハランですが、春になると地中に花を咲
   かせるなんて、ちょっと意外!その花は赤紫色で、ボトルの蓋の王冠みたいな姿をし
   ています。肉厚で、花径は 2センチ前後、花の後に液果もできるそうです。 蝸牛やナ
   メクジによって受粉される説は近年、研究者によりダンゴムシと改められましたが、ま
   だ詳細はミステリアスなままだそうです。
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   また、対岸の植え込みの下で、これまで見かけたことのない蝶に出会いました。付近
   の方が植えたらしいサクラソウに、翅の先だけが黄橙色の蝶が1匹飛び交っておりま
   した。
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   モンシロチョウくらいの大きさで、前翅の先端だけ黄橙色で後翅の裏に、モノクロの絣
   のような文様がありました。ネット蝶図鑑によるとシロチョウ科の「ツマキチョウ」らしい
   のですが…。春だけに現れるツマキチョウは滅多に止まらず、撮りにくい蝶だそうです。
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   久しぶりに小松橋近くの保存樹林に足を踏み入れてみました。昨秋、樹林の間伐・剪
   定が実施されて、日当たりがよくなり明るくなった下地には、ミツバツチグリの黄色い
   小花がカーペット状に。日照次第でこんなにも下草が殖えてくるのか…と、驚きました。
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   草丈は10センチ前後、根茎がツチグリに似た塊になり、葉が3小葉からなることから、
   その名前が付いたといわれています。でも、ツチグリの根茎は食べられますが、ミツバ
   ツチグリの方は食べられないそうです。花だけを見ると同じ属のキジムシロやヘビイチ
   ゴと見分けがつきませんが、キジムシロは5~9枚の小葉からなり、ヘビイチゴは5小
   葉で上部の葉は3小葉です。下はヘビイチゴの花です。
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   このシーズンの上水堤を華やげてくれるのは、何と言ってもヤマブキです。
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   水路壁に垂れかかるように植わっており、風や陽射しも山吹色に染めるほど。一重咲
   きはもうピークは過ぎましたが、八重はこれからが見頃でしょう。
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    花にも負けないくらい新緑も輝いて、元気づけられます。 小松橋近くの保存樹林で。
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by love-letter-to | 2013-04-14 16:33 | 道草フォト575 | Comments(1)

道草フォト575 その184 エプリル・サプライズ

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   4月最初のサンデー!折からの強風に新緑が波打って、都内でも瞬間風速27メート
   ルを記録したそうです。近くのコンビニの前では自転車がドミノ倒しに。そんな街中で、
   あかしあ通りの歩道ブロックの目地に、タチツボスミレ(立坪菫)が点々と開花。
   「立坪」の「坪」は野や庭のことで、「立ち」は最盛期には茎や葉を叢生させて立ち上
   がることから、その名称に。日本にはスミレの仲間が100種前後もあるそうですが、
   その中でもタチツボスミレは最も普通に見られるスミレで、日本を代表するスミレだ
   そうです。
   しかし、あかしあ通りの歩道ブロックの目地に、一群れずつ棲息しているタチツボスミ
   レを見ると、いじらしくなってしまいます。薄紫色でハート型の葉も愛らしいスミレです。
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   ロープが張り巡らせてある更地にも、青紫色のスミレが点々と。 こちらの葉はへら型
   で、くっきりとした青紫色の花びらはほっそりとしていました。元々は屋敷の庭に植え
   られていたスミレが生き延びて、気ままに仲間を増やしているのでしょうか?
   有名な芭蕉の句では「山路来て 何やらゆかし すみれ草」と詠まれていますが、スミレ
   が子孫を殖やすメカニックはなかなか巧妙で、莢果が弾けると同時にポンポンとロケ
   ット弾のように、種を飛散させます。
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   その更地の近くに、何と白花タンポポに出会いました!奥まった住宅のアプローチ脇
   に、白い頭花を4~5輪つけた白花タンポポが1株あって、びっくりしました。
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   白花タンポポは関西から四国、九州に分布しており、関西の友人の話では珍しくなく、
   タンポポと言えば白い花だと思っていたと言う人も。でも、東京近郊では非常に珍しい
   のではないでしょうか?関西から移植したけど咲かなかったと言う話も聞いたことがあ
   ります。
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   玉川上水堤でも、津田塾大キャンパス南付近でヒメウズに出会いました。5ミリ足らず
   の淡いピンクがかった花は、肉眼では花とは見えないほど超ミニサイズです。草丈は
   30~40センチで花茎の先端にベル型の花をつけ、モビールのようにユラユラ。
   顎片も5枚の花弁も長さ4~5ミリ。中心部にある雄しべを取り囲み俯いて咲いていま
   す。根元にある先の切れ込んだハートが3枚合わさった葉は青々と茂り、オダマキや
   トリカブトの葉に似ています。
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   図鑑によると姫鳥頭と書いてヒメウズ。鳥頭とは鳥帽と同義語で小さなトリカブトを意
   味する名前で、オダマキやトリカブトと同じ属だそうです。
   小金井橋付近に群生していたのに、橋の架け替え工事と整備事業で絶えてしまった
   のではないかと案じていましたが、3キロほど上流の久右衛門橋付近で出会うことが
   できました。
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   中央公園の西南端にかかる東鷹の橋のたもとでは、またまたサプライズ!希少種の
   ヒトリシズカ(一人静)が十数本も開花して、白い花穂を立ち上げているではありませ
   んか!
   草丈は15センチ前後。小さなブラシのような白穂が、白拍子・ 静御前の舞い姿に見
   立てられ名前の由来に。別名は吉野静。 静御前に因む二人静と並んで、上水堤に
   情緒をもたらせてくれる野草です。どちらもセンリョウ科の多年草です。どうか末永く
   …と願わずにはいられませんでした。
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   東鷹の橋から水路を見下ろすと、上水のマドンナ的存在のコサギが昼下がりのお散
   歩を。シングルなのが気の毒ですが、自由を楽しんでいるのかも。
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   少し離れてカモ3~4羽とアヒル2羽が餌を追いかけてもぐったり、戯れたり。カモの
   雌はどうもアヒルが苦手らしく、少し離れて行動していました。それにしてもアヒルた
   ちは何処かで飼われているのかしら。それとも野生化しているのかしら?
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   最近よく見かけ、人気者になっているとか。
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   中央公園の噴水池のそばにある草地では、タチツボスミレがこれまでになく殖えてい
   るみたいで、小群落があちこちに。ことに樹の根っこの窪地が住み心地よさそうです。
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by love-letter-to | 2013-04-07 20:17 | 道草フォト575 | Comments(2)