忘れ得ぬ人々& 道草ノート

ankodaira.exblog.jp
ブログトップ

<   2014年 09月 ( 4 )   > この月の画像一覧

道草フォト575 その261 天空の湖岸にて

f0137096_15502231.jpg
   晴々とした空に金木犀の香りが漂い始めて、9月も最後の日曜日を迎えました。
   先週は台風16号による不安定な天候を押して、奥日光中禅寺湖畔へ。いろは坂の
   カーブを曲がる度に天候が変わるほ ど奥日光の気象変化は激しく、明智平展望台
   付近では10㍍先が見えないくらいの濃霧でした。
   霧は絶えず流れているようで、湖尻でバスを下り立った時は対岸の千手ヶ浜がかす
   かに見えるほど薄らいでいました。元来、雨女ですが、ああ、今日のような秋空だっ
   たらなあ!と思いつつ、中禅寺湖畔で過ごした一両日を。標高約1250㍍、人造湖を
   除く周囲4㎢以上の湖では日本一高い位置にあり、“天空の湖”とも。
f0137096_15561279.jpg
   2008年から毎年9月24日、湖畔の一角「西六番園地」で行われている「ハンス・ハン
   ターを偲ぶ会」に参加してきました。彼は大正年間から昭和初期にかけて 金山や錫
   鉱山事業を成功させ、日本の近代化にも寄与してきた日英混血の実業家で、この地
   で国際親善をはかるリゾート建設を構想していました。その本拠地とした西六番別荘
   は太平洋戦争開戦前に、漏電から全焼してしまいました。
f0137096_15581110.jpg
   その跡地にはかつて内外の高官や皇族、政財界のリーダーたちで賑わった別荘の
   シンボル的な存在の暖炉だけが焼け残り、慰霊碑のように立っています。
   その暖炉の焚口に蘭の花を手向け、花びらだけを湖水に放つだけのセレモニーが終
   わるまでは、何とか雨に降られずに済みました。別荘地跡は栃木県が近代遺産とし
   て整備され「西六番園地」に。男体山を背に、中禅寺湖に臨む敷地内には蔦や楓、桜
   などの紅葉が始まって…。
   ハンス・ハンターは日本名を範多範三郎。大戦を前に余生を過ごすために設けた広大
   な範多農園が小平市内にあったことに興味を持って以来、20数年になります。
   あまり知られてない存在だったから、彼の足跡を追い求めて来たのかもしれませんが、
   見えない糸に引かれて偲ぶ会に参加してきたように思います。
f0137096_1614123.jpg
   献花と流花のセレモニーが終わった後、雨が降り出して 予報では翌日も雨が続くとの
   ことで、今回は戦場ヶ原や千手ヶ浜まで足を伸ばすことを諦めました。代わりに日光東
   照宮や二荒山神社、輪王寺などで世界遺産巡りを。就学旅行団体と外国人観光客が
   目立ちました。東照宮本社神官のガイドもStop take photograph here!などと巧みな
   英語で説明していました。
f0137096_165043.jpg
   家康公の眠る奥の院へ通じる石段脇に テンニンソウが、ブラシのような花穂を伸ばし
   ていました。花穂は20㌢以上もあり、シソ科テンニンソウ属の多年草で、北海道から
   九州に分布する日本固有種だそうです。名の由来は虫食いされた葉の綻びを破れ衣
   である羽衣に見立てたとか、花の集まりを天女の舞いに見たてた説などがあり、漢字
   では天人草と。
f0137096_1663173.jpg
   左甚五郎の作と伝えられる「眠り猫」、拍子木を打つと鈴を振るような音で応える「鳴き
   龍」なども拝顔して、たどり着いた神橋では下を流れる大谷川は、何もかも洗い流すよ
   うに青く澄んで、「水澄む」の季語に相応しい景観でした。
f0137096_16173424.jpg

[PR]
by love-letter-to | 2014-09-28 16:07 | 道草フォト575 | Comments(0)

道草フォト575 その260 秋彼岸に

f0137096_1663013.jpg
   9月も第三日曜日。明後日は秋のお彼岸の中日を迎えます。「暑さ寒さも彼岸まで」
   と、古くから言い伝えられてきたように、今朝の空気はあの猛暑とは無縁のように澄
   んで、ひんやり!小平市域でも彼岸花が真っ盛りになっています。
   秋風に誘われて昭和記念公園まで足を伸ばしてみました。みんなの原っぱの西花
   畑では、早咲きの コスモス・ハッピーリングが満開でした。畑の周囲にはカメラを手
   にした姿も花咲いて、その上を爽やかな風が流れていきます。コスモスが揺れ、コ
   スモスが好きだった父母たちを思い出したり。私も過去未来を行き来しているような
   彼岸入りでした。
f0137096_16133385.jpg
   ある女性カメラマンによると「この早咲きコスモスは秋明菊に似ているね」とのことで
   した。いわゆるコスモスより草丈が低めで、点々と紛れ咲いている濃紅色のセンセー
   ションなどがアクセントになっていました。
f0137096_16154275.jpg
   西花畑の近くの売店では、コスモスのソフトクリームが売られていましたので、食べて
   みました。淡いピンク色でほのかな香りは苺に近いかしら。

f0137096_16201523.jpg
   玉川上水堤では旅心を誘うようなカリガネソウが開花。喜平橋~茜屋橋の中間辺り
   に今秋は群生が広がって、 まるで山野を訪ねたようでしたが、旅心を掻き立てられ
   ます。それにしてもスコットランドがイングランドから分離されなくて、 英国のカントリ
   ーサイドファンにとってはほっとしています。
   日本の本州と同じ位の面積の ブリテン島が二分されて、国境線が引かれると英国
   ツアーは手続きが増えそうですから。でもスコットランドにはイングランド嫌いが多い
   ことも英国ツアーの先々で感じました。
f0137096_1621575.jpg
   雁草と書いてカリガネソウ。クマツヅラ科の多年草で草丈は1~1.5㍍、多数に分岐
   した枝に帆掛け船か揺りかごに見える姿の花をユラユラさせています。紺碧色の花
   弁が5枚、下弁には絞り染めをしたような紋様があってとても粋です。
   しかも雌雄の蕊が弓なりにカーブして、別名の帆掛草の名にぴったりです。青い珠の
   ような蕾もキュートです。スコットランドを訪ねた気分を味わいました。
f0137096_10431676.jpg
   カリガネソウの群生の近くではクズの花も、今秋は間近に見られました。間伐や剪定、
   下草刈りされた効果でしょうか。周囲の樹木にからまって強靭な蔓を伸ばすクズは、
   雑木林にとっては迷惑な存在ですが、その花は秋の七草の一つ。マメ科特有の蝶
   型の花を円錐状につけた花房は、野趣にも富んでいます。
f0137096_16283417.jpg
   もう一つハナトラノオの小群生もあって、喜平橋~茜屋橋間はちょっとした花野でし
   た。秋の花が咲き乱れる野は俳句の世界では、秋の季語になっています。小平市
   内で花野を見られる幸せに感謝!
   淡いピンクの小花がアコーディオンプリーツのように重なって、円錐形に開花して
   いる花穂は、とても目立ちます。シソ科の多年草で茎の断面が四角形で、その茎
   の角に沿って花を 几帳面に連ねています。茎が四角いことからカクトラノオとも。
   小花は細長い唇型で、下から順に咲き上がっています、
f0137096_16322512.jpg
   花が多いと蝶や蜂も盛んに訪れ、自然の生態系が受け継がれていくのですね、
   クズの花にアカボシゴマダラ蝶が訪れていました。タテハチョウ科の一種ですが、
   日本には元来、奄美大島とその周辺の島々だけに分布していたのが、近年は都
   内でもよく見かけられ、分布の拡大が続いているそうです。蝶の仲間では比較的
   に撮影しやすい蝶です。だから私のカメラでもキャッチできました。
f0137096_16332235.jpg
   晩夏に咲き始めた仙人草はもう花期が終わりかけていますが、茜屋橋付近では
   まだ咲いており、咲き終わった花はもうその名の由来となった仙人髭を伸ばして
   いる姿も。花の盛りと老いの姿を同時にみることができました。
f0137096_16451234.jpg

[PR]
by love-letter-to | 2014-09-21 16:35 | 道草フォト575 | Comments(0)

道草フォト575 その259 萩桔梗、彼岸花も

f0137096_1419718.jpg
   大気の状態は愛変わらず不安定ながらも9月半ばに。明日15日の敬老の日を前
   に、厚生労働省から発表された高齢者人口統計では、100歳以上の高齢者は5万
   8820人。20年前に比べて10.5倍にも。 統計を取り始めた1963年には100歳以
   上の方が153人だったそうで、ここ50年の間に長寿高齢化は進んで…。
   私の周囲にも95歳を過ぎても書画彫刻の制作を続けておられる方がいます。 「長
   生きの秘訣?そんなものないよ。草木のように自然に」 が口癖です。心も身体も自
   然に逆らわず暮らしておられるとか。元気で老いるには、そう心して。
f0137096_14233688.jpg
   上水堤では萩芒、女郎花など秋の七草を追って、彼岸花も咲き始めました。「エッ!
   もう彼岸花が」と、驚きました。例年より早めなのは大気の状態が不安定で、朝夕の
   気温が低めなせいかしら?
   鎌倉橋のたもとでは、1週間前にはその気配も見られなかったのに、グリーンアスパ
   ラのような茎先が出てきたと思ったら、1日に10センチも伸びて40~50センチに達
   する頃には、その先端にカプセル状の蕾を6本蓄えた花芽が見えてきます。
f0137096_1426819.jpg
   この一角は上水堤でも彼岸花が数多く群生しており、昨年はアゲハ蝶にも出会った
   っけ。そんなことも思い出していると去り難くなります。長いリボン状の花弁がそっくり
   返ってからまり、長い雌雄の蕊をピンと張った大輪は妖しくミステリアスでもあります。
   私の小さい頃は 仏花とか死人花とも聞かされていましたが、仏教の誕生地インドの
   サンスクリット語では曼珠沙華。天上に咲き人の心を癒すと花とされているそうです。
f0137096_14273453.jpg
   鎌倉橋から小松橋にかけて彼岸花の炎があちこちに見られますが、並行して流れる
   新堀用水サイドにも小群生が楽しめます。
f0137096_14295373.jpg
   道々で、チョッキリ虫にチョキンと切り落とされたドングリを探して歩きました。
   落ちているドングリはもう褐色になっているのが多く、チョッキリ虫も産卵期のピークが
   終わったみたいでした。コナラの青い実を見つけて、観察してみると確かにハカマの縁
   に小さな穴がポツンと開いていました。産卵のために開けられた穴でしょう。
f0137096_14314490.jpg
   小川水泳所跡エリアの下流では山栗のイガが沢山散らばっていましたが、いずれも実
   は持ち去られてカラッポでした。
f0137096_14332411.jpg
   日当たりのいい自生野草観察ゾーンでは、カラスノゴマが黄色い小花を咲かせていま
   した。葉腋から伸びた花柄の先に、径2~3センチほどの花を俯きかげんに。
   花の後に結ぶ3センチ位の細長い果実がゴマに似ているので、この野草の名前に。カ
   ラスの食べるゴマに見立てられたとも言われますが、カラスが食べるかどうか確証はな
   いそうです。
f0137096_1434552.jpg
   帰途、料亭いろりの里の和風庭園・オープンガーデンに立ち寄ってみたら、芒の根元に
   桔梗、その背後に彼岸花が咲いていました。「時がくれば咲いて」と、法事で訪れたらし
   いグループが鑑賞していました。
f0137096_14344443.jpg
   茶室の前には、女郎花と水引草が秋風に応えて揺れていました。
f0137096_1450784.jpg

[PR]
by love-letter-to | 2014-09-14 14:35 | 道草フォト575 | Comments(0)

道草フォト575 その258 秋草や

f0137096_18384174.jpg
   夏と秋が行ったり来たりしながらも9月最初の日曜日に。今朝一番のニュースは
   錦織圭選手が全米オープンで決勝進出!テニスの四大大会で日本人選手が決
   勝戦で闘うのは初の快挙!アイススケートの羽生結弦選手に並ぶ好青年ですね。
   明8日は二十四節気の一つ白露で、仲秋の名月。草木に降りた露が白く光る候で、
   夜空には満月が拝めるはずですが…予報では曇り空みたいです。
   上水堤も周辺の保存樹林、屋敷跡でも下草が丈なしており、寺橋近くの空き地で
   は、オオケタデが枝葉いっぱいに紫紅色の花穂を波立たせていました。雑草化し
   ていますが、元々は薬草としてポルトガルを経て持ち込まれたそうです。
f0137096_1849487.jpg
   オオケタデはアカマンマとも呼ばれるイヌタデと同じタデ科の一年草。草丈は2㍍
   にも達するそうです。小花がぎっしりと詰まっている花穂の長さも10~20㌢。
   茎や葉に産毛が多いので大毛蓼と。猛暑に耐え、不安定な大気でも精一杯花穂
   をつけている姿は飾り気がないけど頼もしくて…。
   今朝のNHK日曜討論で、女性活躍担当の新閣僚・有村治子さんは「女性の活躍
   に日本の存亡がかかっている」と発言しておりましたが、少子高齢化・労働力不足
   ・地方再生は女性が鍵を握っていると思います。

f0137096_1849617.jpg
   松虫草が咲いていると聞いて東京都薬草園へ。もう松虫草は終わりかけていまし
   たが、その近くでナンバンギセルに出会いました。ヤクシマススキの根元から、パ
   イプにそっくりな花を遠慮がちに2~3輪。葉緑体を持ってないため光合成ができ
   なくて自活できず、芒や茗荷などの根に寄生して育つハマウツボ科の一年草です。
   南蛮渡来の喫煙具パイプに似ていることから、南蛮煙管の名が付けられたそうで
   すが、万葉集に詠まれている「道のへの尾花が下の思ひ草 今更さらに何をか思
   はむ」の思ひ草は、このナンバンギセルだそうです。俯き加減に咲いている姿が、
   もの思いにふけっているように見えます。
f0137096_18523882.jpg
   左は小松橋近くの保存樹林で出会ったガンクビソウ。こちらもタバコを飲む時に使
   われた喫煙具、キセルの頭部分が雁の首に似ていることから雁首草と名付けられ
   そうです。タバコそのものは紀元前5000〜3000年ごろ南米のアンデス山脈で栽
   培されたのが起源で、15世紀にアフリカ大陸からヨーロッパに伝えられ、日本には
   慶長年間にポルトガルから持ち込まれたと。 

f0137096_18535964.jpg
   このところ上水堤を歩くと、クヌギやコナラの実ドングリが青いまま沢山落ちていま
   す。枝先や葉、ハカマとかボウシと呼ばれる殻斗をつけたまま落ちています。風や
   野鳥の仕業かしら。殻斗は総苞片が集まり癒合変形したものとか。ドングリコロコロ
   の季節ですね。
f0137096_18573616.jpg
   この時期の保存樹林や草薮は足を踏み入れると同時に薮蚊が襲来!デング熱ウ
   イルスを持った蚊の拡散は、新宿区周辺に留まらないよう。まさか小平周辺までは
   やって来ないだろう…と思いながらも虫よけスプレーとかゆみ止めクリームは手放せ
   ません。草薮周辺ではキツネノマゴが薄紫の唇弁型の花を盛んに咲かせています。
   草丈は10センチ余り、1㌢に満たない花ですが、マクロレンズで撮ってみました。何
   となく狐の顔に見えませんか?
f0137096_1905118.jpg
   製本作業で出た端切れや半端な紙を使って、ブック型のハガキホルダーを作ってみ
   ました。最大のホルダーでもマッチ箱サイズです。紙を同じサイズにカットするのが
   一番大変で苦手ですが、半端な紙を捨てきれなくて、廃物利用してみました。

                 ・・・・・・追  記・・・・・・
   青いまま上水堤に散乱しているドングリについて、ある玉川上水研究者の方から
   チョッキリ虫の仕業だとお知らせのメールを頂きました。
f0137096_12302845.jpg
   枝葉ごと刃物で切り落としたようにドングリを散乱させているのは、風や野鳥
   の仕業ではなく、犯人はチョッキリ虫だそうです。
   チョッキリ虫はその名のように、口吻の先に鋭い刃物のよう突起を備えており、
   若いドングリに産卵した後、その突起物で枝や葉をチョキチョキ切り落とすそう
   です。
f0137096_12314989.jpg
   ことにハイイロチョッキリ虫は、クヌギやコナラなどがお気に入りで、外皮がまだ
   青く若い実に穴を開けて産卵。そのままにしておくと野鳥などに卵や幼虫が食
   べられてしまうので、枝葉を切り落として地中や落葉の中で子孫を生育させま
   す。オトシブミ科のチョッキリゾウムシ亜科に属する甲虫とのこと。
   落ちているドングリの外皮やハカマには小さな穴が開いているそうで、次回にド
   ングリを拾って確かめたいと思っています。
f0137096_1235544.jpg


   
[PR]
by love-letter-to | 2014-09-07 19:10 | 道草フォト575 | Comments(0)