忘れ得ぬ人々& 道草ノート

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道草フォト575 その282 春の妖精求めて

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   寒さとの闘いもあと少し、二十四節気の一つ「雨水」に入り2月最後の日曜日を迎
   えました。東京マラソンも9回目、心配された雨やテロ事件もなく 3万6000人が東
   京都心を駆け抜けました。スタート地点は赤青黄などのウェアで埋まり、花吹雪を
   散らしたようでした。毎年ながら市民ランナーが多いのにびっくりします。
   「雨水」を迎えた日は風が冷たかったけれど、空は青く晴れあがっていたのでスプ
   リング エフェメラル=春の妖精を求めて、東京都薬用植物園へ。春まだきの園内
   でしたが、製薬原料植物区で山茱萸 (サンシュユ)蕾が膨らみはじめていました。
   蕾の二つ三つは萼の口を開けており、おくるみをそっと解く感じでした。
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   萼が開くと4弁の黄色の花が 10数個も八方に広がって、木全体が黄金色に染ま
   るようになるな姿から、牧野富太郎博士が春黄金花 (ハルコガネバナ)と名付けた
   そうです。山茱萸は江戸時代中期、享保7年 (1722) に薬用として朝鮮から種子
   が持ち込まれ、東京の小石川植物園と駒場薬園に植えられました。山茱萸は生薬
   の漢名を音読みして、サンシュユ。上は昨年3月上旬に同園で撮影した画像です。
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   和紙の原料とされる三椏(ミツマタ)はまだ固い蕾のままでした。蕾の先を開けると
   黄色の筒状の花になり、その花房が満開になると薬玉みたいになります。朱色の
   アカバナミツマタもあります。今春は1週間前後遅れているようです。
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   ロックガーデンではお目当てのスプリングエフェメラルが数種開花していました。そ
   の一つは節分草。小群落に20株 くらい開花していましたが、いずれも太陽に向か
   って開花しており、見学通路からは後ろ姿ばかりで…。カメラマンたちを嘆かせてい
   ました。
   節分草はキンポウゲ科の多年草。関東地方以西に分布し、石灰岩地域に多く見ら
   れ。古名はイエニレ(家楡)。茎丈10㌢ほど。花径2㌢ほどの白い花を咲かせてい
   ますが、花弁に見えるのは萼片で、花は退化して黄色い蕊状に。横向きを2輪ほど
   見つけて撮ってみました。早春の淡き命だけに太陽が恋しいのね。
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   同じロックガーデンにスハマソウ(洲浜草)も開花していました。俗に 「雪割草」と呼
   ばれる花の1つで、 山地の日陰に自生し、早春に花茎を伸ばして雪を割るようにし
   て咲き出します。 雪割草の原種は、日本に自生する三角草 (ミスミソウ)、大三角
   草(オオスミソウ)、洲浜草、洲浜草(ケスハマソウ)の4種のほか、海外に9種ほど
   あるとか。
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   待雪草(マツユキソウ) とも呼ばれるスノードロップも、まだ冷たい表土を割って可
   憐な花を。草丈10㌢ぐらい。一本の茎にひと雫の花を吊り下げ、日中は3枚の外
   花被が開けて日没には閉じ、花径は1~2センチ。
   ヒガンバナ科の球根草で、ヨーロッパからコーカサス山脈にかけて 15種類くらい
   分布しているそうです。アダムとイブが 楽園を追い出されて困っていたとき、降っ
   てきた雪を天使がスノードロップの花に変えて、未来に希望を与えたとか。
   青少年が殺害される寒々とした事件が続きますが、春の妖精たちに出会って、少
   し気分が上向いてきました。陽光と花は心にも花を咲かせるのですね。
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   国分寺駅ビル入り口のフラワーショップには、桃の花が!雛節句も間近です。
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by love-letter-to | 2015-02-22 20:44 | 道草フォト575 | Comments(0)

道草フォト575 その281 四温の陽

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   店頭にチョコレートが山積みされていたバレンタインデーから一夜明けた今日。2月
   第三日曜日の風はやや冷たかったけれど、東京周辺は春の陽射しに。三寒四温を
   繰り返しつつ春へ向かう季節。
   近くのコンビニにはチョコレートの大小の包がまだ残っており、その一つを買って、
   毎年楽しみにしている粕谷家の梅林を訪ねてみました。昨年の2月16日は都内で
   も60㌢を超す大雪でした。そんな記憶を辿りつつチョコを1粒口へ。
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   中央公園の対岸にある屋敷の枝垂れ梅は2本ともほぼ満開に!豪華なシャンデリ
   アのようです。メジロが複雑に絡み合った枝から枝へ、ジャングルジムで遊びなが
   ら蜜を吸っているような姿に出会うこともあります。
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   生垣を低くして道路から眺められるよう配慮されているのも、嬉しくて感謝しながら
   撮影してきました。蕾が黄緑色の古木の梅も、今日の陽射しに刻々 と開花して行
   くのが感じられました。
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   紅梅、白梅、淡いクリーム色系など20本前後もある梅林の南側には、野菜畑があ
   り、堆肥穴も掘ってあります。その堆肥穴の周りに小さな薄緑色が点々と。蕗の薹
   でした。ポロポロとこぼれている感じです。日当たりがいいせいか。親指の頭大の
   薹でも苞を開けて、ぎっしりと詰め込まれた花を開いていることもあります。
   蕗の薹といえば、思わず舌なめずりしちゃって…。蕗味噌や天ぷら、味噌汁の薬味
   にしても、たまんない。あの特有の苦みと風味は!食べるというより「五感で食らう」
   感じでしょうか。
   フキ(蕗)は数少ない日本原産の野菜の一つで、平安の昔から栽培され特有の風
   味が賞味されてきたそうです。
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   帰途、上水堤で目の前にポトンポトンと小枝が落ちてきました。風かしら?と思って
   見上げると、胴体の一部が鮮やかな朱色の鳥がチラッと見えました。先日歩いてい
   た時、近くに住む女性から「最近、アカゲラを見かける」と聞いたばかりでした。
   20㍍以上も高い位置で、枝の股あたりを嘴でコツコツ、トントンを繰り返しています。
   その微かな音も聞こえました。ドラムを叩くような不思議な音です。
   アカゲラに違いない。同じキツツキの仲間のコゲラには時折り出会いますが、アカ
   ゲラに出会うのは初めてです。でもカメラから離れている上に、ちっともじっとしてく
   れない。木の枝も絡み合っているなど、コンパクトカメラで撮るのは無理だと思いつ
   つ…。
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   アカゲラに出会ったすぐ近くで、コゲラにも出会って、この日はダブルデートしたみ
   たい。コゲラの方も2階建ての屋根の高さの位置で、コツコツとノッキングしていま
   した。きっと、この辺りの上水堤の木々がコゲラやアカゲラの巣作りや産卵、子育
   てに向いているのでしょう。右の画像にはコゲラが2羽も写っていてびっくりしまし
   た。雌雄で愛の巣の準備中だったのですね。
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   アカゲラとコゲラに出会った辺りの玉川上水堤は、都市計画道路3・2・8号府中所
   沢線の事業予定地で、中央公園東側の雑木林にはその説明板が立てられていま
   す。右側の説明板によると、事業予定地管理のため今月中に柵を設けるとのこと。
   コゲラカップルさん無事に産卵して子育てできるといいけど…。
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   折りから北西の風が強まり、今日の道草散歩は切り上げて帰宅しました。また春
   は後戻りして、震え上がるような寒い夕方になってしまいました。
   上は小平市津田公民館で「玉川上水ウォッティングクラブ」を主宰している山根栄
   子さんから、バレンタインデーに届いた贈り物です。チョコ かしらと思って箱を開け
   たら、可愛い羊さんとゴリラくんが入っていました。白木を繰り抜いて作った干支の
   未さんと未とゴリラくんのストラップです。ゴリラくんは玉川上水のコナラの枝で作
   られ、目と口はどんぐりの袴でできています。山根さんの友人が作ってくれたとか。
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by love-letter-to | 2015-02-15 19:28 | 道草フォト575 | Comments(1)

道草フォト575 その280 堤の早春賦

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   暦の上では立春を迎えましたが、寒暖の差が激しく2月第二日曜日の今日は、昨日
   とは打って変わって真冬並みの一日。寒暖の差によって、心も晴れたり曇ったり。
   立春を迎えた日、春を探して上水堤へ。まだ木立には兆しが見えませんでしたが、鷹
   の橋上流の堤沿いで福寿草を見かけました。元日草とも呼ばれて 新春の季語とされ
   ていますが、今年に入って初めて出会うことができました。花弁をパラボナアンテナの
   ように広げて、陽光を集めているかのよう。元気づけられました。
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   立春を待ちかねていたかのように、オオイヌノフグリも開花して…道草歩きも弾んでき
   ました。空の青、海の碧のような透明感のある4枚の花びらは可憐で、その名前を気
   の毒に思ってしまいます。犬のふぐり(陰嚢)だなんて!「イヌフグリ 口にし難き その
   名前」。
   花の終る初夏の頃、翡翠色の球を2つ並べたような果実が出来、その姿が犬のお尻
   を背後から眺めた時のフグリに似ていることが名前の由来だそうです。でも、俳句で
   は地上の星とか宝石と詠まれている句が多く、青み行く野に宝石を散りばめたように
   オオイヌフグリが咲く季節が待ち遠しい。
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   中央公園の南側の堤では、テイカカズラの実莢が弾けて冠毛をつけた種が発散し始
   めていました。今春は例年より遅めながら、実莢は多いようです。
   ドジョウインゲン似た莢には種が7~10個も詰まっており、それぞれに生糸のように
   細く光沢のある冠毛をつけています。二つの実莢が一対になって、風に揺られていま
   す。揺られる度に莢は裂けて、落下傘のような種がクルクル回りながら、浮遊して…。
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   初めてテイカカズラの種に出会って以来、7~8年は撮り続けてきました。早春の楽し
   みです。テイカカズラはキョウチクトウ科の常緑の蔓性植物で、本州から九州にかけ
   て温暖な地域の樹木に絡みつきながら、6月頃、白い5弁の花を咲かせます。
   その花はプロペラみたいで、種は落下傘に似ているなんて、植物は知れば知るほど
   面白くなります。
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   中央公園にも立ち寄ってみると、噴水池付近から三味線の音が漂ってきました。ベン
   チに腰かけた男性が太棹を膝に、バチを打ちつけるようにして絃を弾かせていました。
   カメラに気がついて、「撮ってもいいですよ」と声をかけてくれました。数日後に講演の
   前座を務めるそうで練習をしているとのことでした。特養ホームなどの施設でボランテ
   ィア演奏もしているそうです。
   辺りの木立を震わせるような迫力に、しばし時をわすれて…。
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   総合体育館前の公孫樹並木の梢も銀色に輝き、春に向かっているようでした。
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by love-letter-to | 2015-02-08 16:33 | 道草フォト575 | Comments(0)

道草フォト575 その279 春隣り

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   如月や祈り虚しく…2月1日、最初の日曜日を迎える早々、悲報が届きました。イ
   スラム過激派組織・イスラム国に拘束されていたフリージャーナリストの後藤健二
   さんも、殺害されたとの報。極悪非道な行為と批難し、人道支援だと繰り返しても
   通じない組織から敵視され、日本と日本人はテロの標的にされることになってしま
   いました。
   やり場のない気持ちで近所に用足しに出たら、風は身を刺すほど冷たいけれども
   陽は燦々!卑小な頭でウツウツとしているよりも、散歩にようとウォーキングに。
   二日前に降った雪がまばらに残る道筋で寒紅梅かしら?あかしあ通りと五間通り
   の交差点近くで紅梅が開花していました。草も木も春に向かっているのですね。
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   あかしあ通りでは、先日見落としたスズメのカタビラ (雀の帷子)が、米粒より小さ
   い花穂を風に震わせていました。ちっともじっとしてくれないけれど、よく見ると着
   物の襟元のように合わさった花穂の先は淡いピンク色で、なかなか繊細な造形で
   す。
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   スズメは小さいことを意味しており、カタビラ(帷子)は単衣(ひとえ)の着物のことで、
   花穂が雀の帷子に見なされたそうです。古い時代に麦類の栽培とともに各地に帰
   化した植物とされています。繁殖力が盛んで地にへばりついて群落をつくるので、
   農作業にとっては厄介な雑草の類ですが…。
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   小桜橋の近くではアシビがちらほら開花し始めていました。このアシビは私の知る
   限り、近隣ではいち早く開花して春を告げます。今春は遅めですが、小さなチュー
   リップ型の花穂をたくさんつけていました。
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   馬酔木と書いてアシビ。アセビとも。「我が背子に我が恋ふらくは奥山の馬酔木の
   花の今盛りなり」など、万葉集にも詠まれているほど古くからの常緑低木です。か
   つては峠道や街道筋にも多く棲息しており、往来する馬が食べると酒に酔ったよう
   になったということから馬酔木の名に。有毒で人が食べると足がしびれることから、
   “あししびれ”と呼ばれ、アシビになった説も。日陰に昨年の花が実になって残って
   いました。

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   先月28日まで東京ドームで開かれていた「東京国際キルトフェスティバル」にも、出
   かけてきました。キルトでつづる「大草原の小さな家」特別企画を、覗いて見たくって。
   アメリカの作家で教師でもあったローラ・エリザベス・インガルス (1867 - 1957年)
   の自伝的小説シリーズは、かつてテレビドラマシリーズでも感動的でした。その感動
   をもう一度と出かけてみたのですが、8日間で20万人も訪れるそうで、会場は人、人
   人で埋め尽くされそうな混雑でした。
   上は西部開拓時代の幌馬車の幌を、鷲澤玲子さんのグループでキルト作品に仕上
   げたそうです。鷲沢さんは三浦百恵さんのキルトの先生で、かつては国立に教室が
   ありました。
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   百恵さんの出品作「ローラへ」は一番人気で、会場係が「一列に並んで、立ち止まら
   ないで!」とマイクで連呼していました。旅先で見た煉瓦造りの建物の煉瓦の並べ方
   が素敵で、その並べ方を参考にとりどりの小さな花が咲く草原を作品にしたそうです。
   優しく春らしい色調のタペストリーでした。
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   「大草原の小さな家」をイメージした作品。
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   ローラは日本で言えば幕末から第二次大戦後まで、アメリカ中西部を転々と移住しな
   がら90歳の生涯を送った女性でした。ドラマや本では、ことに4人姉妹だったローラの
   母親の聡明さと骨惜しみなく働く姿が印象的でした。キルトはそもそも西部開拓時代を
   逞しく生きた 女性の知恵と工夫から生まれたものです。使い古しの布や余り布をつな
   ぎ合わせて、布団カバーや敷き物、ひざ掛けなど…その時代の女性の写真とキルト作
   品の展示に魅せられてきた春隣りでした。
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by love-letter-to | 2015-02-01 20:28 | 道草フォト575 | Comments(0)