忘れ得ぬ人々& 道草ノート

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折々通信No.16 銀杏落ち葉と

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         地に池に銀杏落葉別世界
   昨日今日、中央公園の総合体育館前広場は銀杏落葉で敷き詰められ、黄金色に。
   ことに午後の陽射が斜めに射す頃は別世界のようです。
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   噴水池も銀杏の落ち葉で半ば埋まり、落葉の隙間に青い空が映って…印象派の絵
   のようです。水面に落葉が増えるにつれ、逆さに移った銀杏並木は裸木になって行
   きます。当然と言えば当然のことながら、想定外の景観を見せてくれるこの時期。周
   囲のベンチに腰かけている人も絵の一部に。
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   私の好きなフランク永井の「公園の手品師」の歌詞に“銀杏は手品師、老いたピエロ”
   と謳われていますが、本当に銀杏はマジシャン。昨日、金色に輝いていた並木が次
   の日に訪ねると裸になっていて、辺りはゴールデンカーペットで敷き詰められている…
   そんなマジックを楽しめるここ数日ですが、銀杏の落ち葉は滑りやすく、要注意です。
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   反対に銀杏の絨毯を期待して訪ねたら、きれいさっぱり清掃されていたことも。歩行
   者や自転車の転倒防止のため、路面の銀杏落葉はまめに清掃されているようです。
   作業員泣かせの時期でもあります。
   噴水池の銀杏落葉もある日、水が抜かれてさっぱりと清掃されますから、“印象派“
   の絵のようなシーンを撮る日は限られ、昨年はチャンスを逃してしまった記憶があり
   ます。
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   公園の西端の高台から眺める銀杏並木も好き。 少しアングルを変えて、グラウンド
   方向にカメラを向けると、夜間照明灯と体育館のドームと銀杏がフレームに収まりま
   す。こうして中央公園の銀杏は他の名所とは違った楽しみをプレゼントしてくれます。
   今年の銀杏もそろそろエンディングに。
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by love-letter-to | 2015-11-30 01:03 | 折々通信 | Comments(0)

折々通信 No.15 黄落期

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            墨の色 人生重ね 黄落期
   いい夫婦の日だった昨日、八王子市民文化会館・いちょうホールで開催されている
   吉沢和子さんの書展「墨の周辺展」へ。
   書道展には何度か足を運んだことがありますが、こんなに多彩で楽しめる書展は初
   めてでした。墨の濃淡がカラフルに感じられ、絵のように感じられる書道展でした。
   同市在住の吉沢さんは前衛書家・榊莫山(2010年没)に師事して、バクザン先生か
   ら、「絵と書のはざまから光を放つ」と絶賛された書家です。2000年に国際公募アー
   ト未来展で内閣総理大臣賞を受けています。
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   同ホールの展示場1階と2階で展開された吉沢さんの書展は、はがきサイズの作品
   から掛け軸、4曲屏風の大作まで90点あまり。「26歳から書を本格的に習い始めて
   半世紀近く、自分を見つめ直すとともに、これからの自分の道を求めるために、初期
   から今日までの作品を展示することにしました」と吉沢さんは語っていました。
   パソコンやスマホの普及で文字を書く人も機会も減少していますが、仏教の伝来とと
   もに根付いた漢字文化と日本で発祥したかな文字の素晴らしさ、漢字と仮名文字で
   綴られてきた古典の数々。吉沢さんは好きな句や短歌、詩やフレーズに出会うと、そ
   の世界を書で表現したくなるそうです。書も自己表現の一つだと語っているのが心に
   残りました。啄木も賢治の作品も吉沢さんの書になると、その時代が重なってくるよう
   な気がしました。
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   書のお弟子さん達から「先生は山も好きなんですよね?」と聞かれて、「そう大好き」と
   答えていたので、吉沢さんは山登りもするのかと驚いたら、「山を見るのが好き」と。一
   同大笑いしてしまいました。好きな山に出会ったら、その山の姿を書にするそうで、吉
   沢さんの「山」の字は団子を連ねた山から急峻な山まで、変化に富んでいます。こんな
   に自由に字が書けたら…と、羨ましくなりました。お手本通りに書こうとするから書道が
   嫌いになった人も多いのでは?私もその一人です。

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   「智恵子は東京に空が無いといふ、ほんとの空が見たいといふ」「あれが安達太良山、
   あの光るのが阿武隈川…」「小鳥のやうに臆病で、大風のやうにわがままなあなたが
   お嫁にゆくなんて」など、吉沢さんは高校時代、担任の先生が朗読してくれて以来、高
   村光太郎の詩集『智恵子抄』に惹かれ、書でもライフワークの一つにしています。

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   智恵子の実家のある二本松市や安達太良山、精神病を患った智恵子と光太が過
   ごした地、戦後、光太郎が思索のために移り住んだ花巻市などを訪ねるほどの凝り
   よう。今回の書展では 『智恵子抄さすらい』 と称したコーナーも。上は和紙に溶かし
   た蝋で 『智恵子抄』のフレーズを書き、墨を置いた後、蝋を溶かして仕上げた労作。
   150㌢足らずの小柄な吉沢さんの何処に、そんなパワーが潜んでいるのでしょうか?
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   清酒や焼酎のラベル、本のタイトルや挿画、暖簾、岩波書店のポスターなど吉沢
   さんの書の世界は多彩です。
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  同展から帰途、お寺の境内で目にした落ち葉です。そろそろ暮紅葉から黄落の時期に。
   下は吉澤さんの書いた来年の干支「申」です。
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by love-letter-to | 2015-11-23 17:16 | 折々通信 | Comments(0)

折々通信No.14 桜紅葉の頃

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         名勝を受け継ぐ桜もみじして
   11月も半ばを迎え、上水堤の木々も色づき始めました。と言ってもケヤキやコナラ、
   クヌギ、シデ類の多い上水沿いは黄葉褐葉が主で、紅葉の名所のような鮮やかさは
   望めません。それでも黄葉褐葉が進むと、ライトが当たったように辺りが明るくなって、
   何処か違う地を歩いている気分になります。
   そんな上水堤で、ひと際鮮やかなのは桜紅葉です。「名勝小金井桜」としてリストアッ
   プされている桜樹は、痛々しいほど老化が進んでいますが、それでも鮮やかな紅葉
   を見せてくれます。
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   「名勝小金井桜」に指定されている地域(小金井橋を中心に東西6キロ)の西端に位
   置する小川水衛所跡。敷地内の橋の欄干にも桜紅葉が一枚。この欄干の上は落葉
   の休憩所みたい。地に還る前のひととき、音もなくやって来て去って行きます。
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   小川水衛所跡には公孫樹の古木があり、下枝が水路をまたぐように伸びています。
   上水流域で最大の公孫樹だといわれています。縦に円錐形に伸びる公孫樹が多い
   中で、簾のように枝垂れて黄葉しているのは珍しいのではないでしょうか。黄金色に
   輝く日も間近でしょう。

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   今秋はここ数年来になくマユミの実が豊作で、巾着型の実莢が裂けて赤橙色の実を
   覗かせいました。マユミは中国と日本の山野に自生する落葉低木あるいは小高木で、
   材質が強くよくしなるため古来より弓の材料として有用され、名前の由来に。マは真,
   ユミは弓を指す。現在では印鑑や櫛の材料になっているそうです。
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   ガマズミとカマツカの実も赤々と輝いていました。ガマズミは初夏に大人の掌大の葉
   に乗っかるようにして、白い小花を密生して咲きます。赤い実もその花序の通りたわ
   わにつけていました。カマツカも初夏にリンゴの花に似た花を咲かせると思ったら、カ
   マツカもリンゴもバラ科なんですね。材質が硬くて丈夫なため鎌の柄に使われたこと
   からカマツカ(鎌柄)の名称に。
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   赤い実の中でも特にユニークなゴンズイの実も、今秋は鈴生りでした。直径1~2セン
   チの球状の袋果がパックリ割れて、黒大豆のような種が果皮にくっついている姿は何
   度みても ドッキリしてしまいます。真っ赤な袋果の内側は肉感的で、怪獣が口を開け
   て黒い珠を飲み込もうとしているようにも見えます。樹皮がゴンズイという川魚に似て
   いるそうです。
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   黄ばみ始めた上水堤はライトを照らしたように明るくなってきました。ランナーにもウォ
   ーカーにもベストシーズンです。
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by love-letter-to | 2015-11-16 01:39 | 折々通信 | Comments(0)

折々通信No.13 秋深む候

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         また一枚喪中の便り秋深む
   立冬を迎え、北国からは雪の便りも届くようになりました。
   昨日一枚、今日一枚と、このところ喪中のはがきが届くようになりました。
   もう、こんな季節か…と、秋の深まりを感じます。そろそろ片付けも始めないと…。
   坪庭程度の玄関先やフェンス沿いも落葉が増えて、落ち葉掃きにも追われる候に。
   秋日和が続いていた先週半ば、久しぶりに森田オープンガーデンへ。
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   丈なしていたオミナエシ(女郎花)やシオン(紫苑)、ルドベキアなどはもう末枯れて、
   コスモスだけが残花を保っていました。ちょっと侘しさの漂うガーデンも嫌いじゃない私。
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   花数の少なくなったガーデンで、オーナーの森田光江さんがコスモスの根元で立ち働
   いていました。「そろそろ寝かせてやらなくっちゃ」。茎を束ねて頭花が地につくように倒
   してやると、こぼれ種が発芽しやすくなるそうです。
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   見られる花の少なくなったガーデンですが、真っ赤な実をたわわにつけたツルウメモ
   ドキやマユミの枝を、朽木のオブジェやガーデンテーブルなどにからませたり、壺に投
   げ込まれて晩秋のムードを盛り上げています。

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   「今秋はカラスウリも豊作よ」と、森田さんに云われて見上げたら、真っ赤に熟れた
   カラスウリの実が鈴生りでした。カラスウリはウリ科の多年草で雌雄異株ですから、雌
   雄揃って植わっているのでしょう。 「夏の夜、レース編みのような花が開花するのを見
   たかった」と言うと、夜間照明もしているから、来年の夏、見においでよ」ですって。
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   玉川上水堤でもカラスウリの花は沢山見かけますが、雌株が少ないせいか実に
   出会うことは難しく、それでも今秋は赤く熟れた実を2~3個見たので、ここ数年来の
   豊作ではないかと。別名は タマズサ(玉章、玉梓)、花言葉は「よき便り」「誠実」「男
   ぎらい」だそうです。よき便りがあると信じたいけど、このところ企業の倫理が劣化し
   て信じられないことが続きます。
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by love-letter-to | 2015-11-09 16:22 | 折々通信 | Comments(0)

折々通信No.12 夕焼けの里へ

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           満天星(どうだん)も夕焼け色に案下道(あんげみち)
   今日から11月。朝夕はぐんと冷え込んできました。
   先週引いた風邪はしつこくて、「もしかしたらインフルエンザか」と、咽喉科の医師に
   聞いたら、「インフルエンザなら高熱が出ます。この風邪が治ったら、すぐにワクチン
   を接種して下さい」と、薄笑いされてしまいました。
   咳が出始めたら止まらない状態だったのですが、前々からの約束で八王子市の西
   奥、上恩方まで出かけました。八王子駅から車で送迎してくれるそうで、何とかなる
   だろうと。甲州街道追分交差点から陣馬街道を一路西へ。下恩方付近から山沿い
   を走ると、紅葉している木々が目立つようになりました。陣馬街道は以前は案下城
   に通じる道で、案下道と呼ばれていました。
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   上恩方は「夕焼け小焼け」で知られる童謡詩人・中村雨紅の故郷。雨紅は日暮里
   小学校の教職時代、八王子駅から上恩方の生家まで16キロを毎日歩いて往復し
   ていたそうです。上恩方に入ると民家がまばらになり、雨紅が歩いていた時代にタ
   イムスリップした気分に。この日訪ねる約束をしていた「一刻藝術会館」へ。
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   白いタイル張りのモダンな建物で、仏像彫刻家・田中一刻さんの遺作が展示され、
   広々とした喫茶店も併設されています。「立ち寄る人がいるのかしら」と心配したら、
   「いいのよ、たまに寄ってくれる人がいる程度で」と、一刻未亡人の毬藻(まりも)さん。
   植え込みの満天星ツツジが真っ赤に紅葉して、夕焼け色でした。
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   昭和2年に雨紅が他界して90年近くにもなるのに、上恩方の人々は慕い続けてい
   るそうで、毬藻さんも「恩方の夕焼けは今でも歌詞の通りの雰囲気よ」と。八王子市
   の書家の吉沢和子さんが書いた歌詞の書を、展示館の壁に掲げてありました。
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   毬藻さんの入れて下さったコーヒーと栗のお菓子をご馳走になって、帰路は陣馬街
   道の川原宿から、高尾方面に向かう美山街道を。八王子霊園沿いの街路樹が紅葉
   の真っ盛りで、甲州街道の銀杏もかなり色づいて…。
   心配していた咳も軽くゴホンゴホンする程度で、やれやれ。
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by love-letter-to | 2015-11-02 00:14 | 折々通信 | Comments(0)