忘れ得ぬ人々& 道草ノート

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折々通信No.33 旅にしあれば

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         今日の旅桜のアーチでひと休み
   昨春の北陸新幹線に続いて、青函トンネルをくぐり北海道へも通じた昨日、久しぶり
   にグリーンロードを 小平駅から花小金井に向かって歩いてみました。そろそろ桜の
   トンネルも見られるのではないか…と。
   東京都の開花宣言から1週間になりますが、花冷え続きで今年の桜は遅々としてお
   り、グリーンロード(多摩湖境緑道)のソメイヨシノはニ三分咲きでしょうか。
   場所によって五分ほど咲いている樹もありましたが、目下見頃は濃い紅色のカンヒ
   ザクラ(寒緋桜)。ことに小金井街道との交差点東側では、寒緋桜の枝がアーチ状に
   なり、その付近のソメイヨシノも刺激されたのか開花が進んでいました。
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   寒緋桜は緋寒桜とも呼ばれますが、彼岸桜とは別品種。釣り鐘状の花が特徴で、毎
   年1月半ば頃 から沖縄で、桜の開花が伝えられるのは、この寒緋桜です。花の色は
   白から濃い桃色まで 個体差があるそうです。早咲きの特性と下向きに花が咲く特質
   があり、他のサクラと交配した園芸品種が 各地で誕生。中でも有名なのはオオシマ
   ザクラの自然雑種の「河津桜」です。小平市内でも最近は 河津桜もよく見かけるよう
   になりました。
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   あじさい公園を過ぎた辺りで、ほっそりした幹の節々に 深紅の粒状の小さな塊が目
   に止まりました。咄嗟に名前が思い出せなかったのですが、オオバベニカシワ(大葉
   紅柏)の蕾でした。10~20本の中には開花している幹もありました。黄色の花の径
   は2~3ミリ。肉眼でやっと花だと分かるミニサイズの花です。
   図鑑によるとオオバベニガシワは雌雄同株で、その塊は雄花で雌花は地味で隠れ
   ていることが多いそうです。
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   天神町2丁目アパートに接した児童公園では、7~8分咲きの桜の下で少年二人が
   ブランコを漕いでいました。ブランコはフラココとも呼ばれ春の季語ですね。とっても
   楽しそうな春の光景です。耳を塞ぎたくなるような父母による幼児・児童の虐待、学
   校や児童福祉に関わる行政関係者の対応のお粗末さが続いた後だけに、子どもの
   屈託のない笑顔にホッとさせられました。
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   たけのこ公園付近ではオオシマザクラ(大島桜)が開花しておりました。純白の花は
   ソメイヨシノより 一回り大きく、緑色の葉がとても爽やかです。この大島桜の若葉が
   桜餅に使われるそうですね。塩漬けにした葉にはクマリンという独特な芳香成分が
   含まれているそうです。長命寺の桜餅が食べたくなりました。
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   花小金井南町にある 「麻生工房・芬ギャラリー」にも立ち寄ってみました。近くに住
   む手工芸家・鶴島賦子(ますこ)さんの折り紙作品展が開かれていました。17歳の
   とき、用を頼まれて行った絽刺教室で、光沢のある絹糸が織りなす文様の美しさに
   魅せられたのがきっかけで、北欧刺繍、七宝、陶芸、木目込み、編み物、折り紙な
   ど手工芸と名のつくものは何にでも挑戦。「賦ベエの変てこ展」と称して銀座カネボ
   ウのギャラリーで、個展も開いた鶴島さん。10年ほど前に悪性リンパ腫を患ったそ
   うですが、奇跡的に再起して、82歳の今日も手仕事を楽しんでいるそうです。初歩
   的な折り紙から造形な折り紙作品まで100点前後展示されていました。
   昨年の夏はヒマラヤの国ブータンも訪ねて、伝統織物に魅せられてきたそうです。
   手先を動かすことは頭の活性化に効果的なんですね。
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by love-letter-to | 2016-03-27 22:27 | 折々通信 | Comments(0)

折々通信No.32 スプリングエフェメラル

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        崖線の裾野に片栗咲き初めて 
   3月第3日曜日。お彼岸に入り桜の開花も間近に。4月半ば並みの陽気に恵まれた
   数日前、国分寺駅南口の殿が谷戸庭園に立ち寄ってみました。国分寺崖線の傾斜
   地の一角に淡い紅紫色がチラホラ。
   まだまばらでしたが、庭園職員によると「ラッキーでしたね」とのこと。 6枚の 花弁を
   翻して6本の 雄蕊、 1本の 雌蕊、花芯 部に W型の 蜜標(ガイドマーク)もくっきり。
   このW型のマークは昆虫 に蜜のありかを 教えているそうです。雨が降ったり曇って
   いると、花びらが閉じてしまいます。芽を出して1カ月で地上から消えてしまうスプリ
   ングエフェメラル(春の儚い命)です。
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   花茎は10センチほど。ここの片栗は緩やかな傾斜地に育っているので、撮りやすい
   気がします。でもあっち向いたりこっち向いて、カメラ泣かせですが、三姉妹のように
   寄り添っているシーンを撮ることができました。
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   「物部の八十少女らが汲みまがふ寺井の上の堅香子の花=大伴家持:巻19.4143」
   庭園職員のガイドによると、万葉集には4500首もの歌が収められ、3首に1首以上
   の割合で植物が詠み込まれていますが、堅香子(片栗の古語)花が詠まれているの
   は、上の1首だけだそうです。
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   片栗・堅香子の名前の由来その1は、かご(篭)の形に似ている花が斜めに「傾」いて
   咲くので、傾篭といわれ転じて「カタクリ」と。その2は「栗」の子葉(ふたば)の片方に似
   ていることから…など。 片栗の種は蟻一種が運ぶそうで、その蟻さんがいない地には
   殖えないとのことでした。
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   芝地の端ではタネツケバナ(種浸花)が群生して、上のような幻想的なシーンを。 アブ
   ラナ科の二年草で北国の農家では、 畦道や小さな流れのほとりにこの花が咲くのを目
   安に種籾を水に浸け、豊作を祈りながら農事に取りかかったのが、種浸花の名前の由
   来だとされています。
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   市街地の路傍でも繁殖して、あかしあ通りの歩道や小平団地内にもタネツケバナは大
   小の群落を作って、2月末頃から開花しています。
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   小平団地東側に植わっている紫木蓮の大木も一斉に開花。5階建ての建物を覆い隠す
   ような迫力です。
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by love-letter-to | 2016-03-20 11:51 | 折々通信 | Comments(0)

折々通信No.31 春蘭に会いに

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          春蘭や震災復興遅々として
   春愁というのでしょうか。三月は大気が不安定で寒暖の差も激しい上に、東日本大
   震災以来、心が映えない日が多くなりました。5年の月日が信じられないほど早く、
   当日のことは昨日のことのように感じることもあります。被災者でもないのに、何で
   こんなに重苦しいのか…言葉では表せない重いものを背負い込んでいる気がして
   います。
   二月並みの気温だった今日、先週の日曜日に立ち上がってシュンラン(春蘭)の蕾
   が開花しているかどうか、訪ねてみました。中央公園の南側の上水堤で5~6本の
   花茎が立ち上がり、数日後はみんな開花しそうな勢いでしたが、1週間後の今日、
   開花していたのは2本だけ。ここ4~5日の冷え込みで開花も遅々としています。
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   この春蘭の少し上流にも 1本開花していました。でも、春蘭の株はここ数年減少し
   ています。激減していると言った方がいいかもしれません。
   路肩の最先端部に自生しているため、路肩の崩落が進むにつれ 春蘭の株がごっ
   そ落下し、消滅してしまうのです。山百合とフユノハナワラビ(冬の花蕨)も。
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   上水堤では目下、「春が来たよ、ワッショイ!」とばかりに、カンスゲが纏のような花
   穂を掲げています。冬でも青々とした艶のある葉を茂らせているので、寒菅と。 山
   地の樹下に生えるカヤツリグサ科の多年草で、春先に花茎を伸ばして先端のヒラヒ
   ラした薄黄緑の穂が雄小穂で、その下部に褐色あるいは黄褐色の雌小穂をつけて
   います。雄小穂は3センチぐらいの長さかしら。
   10~20本の花穂が一斉に開花すると、元気づけられます。が、カンスゲも路肩の
   先端部に茂っている株が多く、次第に消えつつあります。以前は50~60本も花穂
   を立てている大きな株もありました。
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   上水堤で減少しつつある野草の中で、今春、一気に殖えたのはムラサキケマン。ケ
   マン (華鬘)とは仏前を荘厳にするため、欄間などに掛ける装飾品のことで、多くは
   金銅で作られた仏具の一種だそうです。ちょっと変わった花穂の造形が、その華鬘
   に似ている紫色の花が名称の由来に。ケシ科の多年草で、2センチ前後の筒状の
   花が不揃いに並んだ花穂は、とてもユニーク。別名は天上に咲くというマンダラゲ。
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   津田塾キャンパスの南東付近の法面に20株くらいの群生が数ヵ所あり、目立ちま
   す。JR武蔵野線の立て坑と書かれた建造物が立っており、数年前はその付近に群
   生していたのですが、集団移転したみたい。
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   鎌倉橋付近で久しぶりに、画家で写真家でもある鈴木忠司さんに出会いました。春
   先の木立を描いているとのこと。折り紙作家の関野清雪さんも 居合わせました。
   水車橋近くに鈴木さんが開設している「玉川上水・オープンギャラリー」で、関野さん
   と折り紙教室受講生たちの作品も、年に2回ほど展示されています。
   関野さんはこの日、津田塾キャンパス付近で 鶯の囀りを聞いたそうです。鈴木さん
   によると、懐石料理「四季亭」付近と一橋大キャンパスでも、鶯が鳴いているそうで
   す。私も耳を澄ませながら歩いたのですが、ホーとも聞こえませんでした。ただ、笹
   鳴きらしい声は道々で耳にしました。
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   明日は雨になり、気温も上がらないそうですが、白木蓮や辛夷、幣辛夷(シデコブシ)
   も開花しており、これらが開花して1週間後ぐらいにソメイヨシノが開花するそうです。
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by love-letter-to | 2016-03-13 21:54 | 折々通信 | Comments(0)

折々通信No.30 菜の花畑で

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          菜の花や時代の波に乗り切れず
   待ちかねていた春!花咲月とも言われる三月に。啓蟄も過ぎて春を実感できるよう
   になりました。暖かくなったら行こうか…と思っていた「キュー王立植物園所蔵 イング
   リッシュ・ガーデン 英国に集う花々」展へ、雛節句の日に出かけました。
   新橋駅に降り立つのは何年ぶりかしら。 林立する高層ビルにクラクラしながら徒歩
   5~6分の「パナソニック汐留ミュージアム」へ。同展のことは後述することにして、同
   ミュージアムから10数分ほど歩いて「浜離宮恩賜庭園」へも足を伸ばしてみました。
   築地川沿いの王手門入口から内堀を渡ると、一瞬、菜の花の香りが押し寄せてきま
   した。そして目の前が黄色一色に!菜の花畑は真っ盛りで、高層ビルと隣り合わせ
   ているのはSFの世界みたい。無機質な高層ビルは年々増えて、ますます高くなり、
   時代に取り残されて行く自分を感じて…。日本の将来も気にかかって…。
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   高層ビルと高層ビルの狭間に東京タワーが幻のように見えました。
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   世が世なら将軍家の別邸が高速道路や高層ビル群に囲まれ、昼下がりだったせいか
   菜の花畑の近くのベンチではお弁当を食べたり、シートを広げて女子トークに興じた
   り、芝生で“二人の世界”を楽しんでいるカップルも。この平和が続きますように。

   ・世界遺産「キュー王立植物園所蔵 イングリッシュ・ガーデン 英国に集う花々」展・
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   ロンドン南西部のキューにある「キュー王立植物園」は、「キューガーデン」あるいは
   「キュー植物園」とも呼ばれ、世界で最も有名な植物園として膨大な資料を有してい
   ます。大英博物館同様に大航海時代以来、新奇な美しさに魅せられた世界各地の
   植物を収集。1759年に宮殿併設の庭園として始まり、種の保存、栽培や品種改良
   にも取り組んで、最先端の植物学の研究機関であり、22万点ものボタニカル・アート
   を収集する世界有数の植物園です。2003年にユネスコ世界遺産に登録されました。
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   今回の展覧会では、同植物園の発展に寄与したジョセフ・バンクスやチャールズ・ダ
   ーウィンらの研究者、往時の植物画家たち、ウィリアム・モリスをはじめとするデザイ
   ナーなど、イングリッシュ・ガーデンにまつわる人々の足跡にも触れることができます。
   1800年代から現代までのボタニカル・アートの名品、さらに植物を着想源としたデザ
   イン・工芸品を含めた約150点に魅了されました。「キュー王立植物園」へ実際に足
   を運んでも見ることが難しい秘蔵の作品、資料なども公開されています。
   自然の景観を活かし、草花を巧みに配して変化に富んだ光景をつくり出すイングリッ
   シュ・ガーデンの魅力にもますます惹かれることでしょう。 3月21日 (月:祝日)まで
   10~18時(入館は17時半まで)水曜定休。入館料一般:1,000円 65歳以上:900円 
   港区東新橋1-5-1 パナソニック 東京汐留ビル4階、ハローダイヤル 03-5777-8600

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   玉川上水沿いでは中央公園南側の堤で、今日6日、シュンラン(春蘭)の花芽が落葉の
   間から立ち上がり、数日後には開花しそうです。
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   津田塾キャンパスの南側堤では、タチツボスミレが一株から数本の茎を伸ばして、開花
   していました。
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   茜屋橋付近のスタンドで菜花が1束100円で売られておりました。茎と葉の部分は湯が
   いて辛子和えに、花はクリスタルグラスに活けて卓上フラワーとして楽しんでおります。
   ボタニカル・アート展に刺激されて菜の花を描いてみたいのですが…。
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by love-letter-to | 2016-03-06 21:42 | 折々通信 | Comments(0)