忘れ得ぬ人々& 道草ノート

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折々通信No.112 草紅葉

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        ハンター忌通ひて十年草紅葉

    今秋も、奥日光・中禅寺湖畔での「ハンス・ハンターを偲ぶ会」に
    参加、小田代ヶ原の草紅葉も楽しんできました。

    奥日光の紅葉の始まりを告げる小田代ヶ原の草紅葉は、今秋は
    ほぼピークに達して、これまでになく 鮮やかなカ
ラーのパッチ
    ワークを見せてくれました。

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    小田代ヶ原は周囲約3㌔、約100㌶は湿原から草原への変移期に
    あるそうで、双方の野草が棲息。国際条約「ラ
ムサール条約」の
    湿地に登録され、保護されています。

    周囲のミズナラやダケカンバの林、その背後の男体山や白根山
    の山並みと草紅葉の景観は、静かで癒されま
す。立ち入り禁止区
    域ですが、このシーズンは新しく設
けられた木道を歩いて、一周
    できるようになっていまし
た。写真の中央付近に、小田代ヶ原の
    “貴婦人”と呼ばれ
るシラカンバの白い姿が見えます。

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     木道沿いでリンドウ(竜胆)とホザキシモツケ(穂咲下野)に出会
     いました。

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    「ハンス・ハンターを偲ぶ会」は、彼が鱒釣りと国際交流を目指して
    本拠地としていた西六番別荘の跡地で、24
日午後3時から 蘭の花
    の供花が行われました。

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    ハンス・ハンターは幕末に来日した英国出身の父と日本人の母の間
    に生まれた実業家で、金山や錫鉱山事業に
実績を残し、中禅寺湖畔
    で鱒釣りを中心としたリゾート
開発を構想し、民間レベルの国際交流
    を率先。彼のスケ
ールの大きな足跡については、HP「モグラ通信」の
    「在
りし日の範多農園を訪ねて」で、紹介しておりますので、ご参照を。
        http://www.geocities.jp/annaka29jp/

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    中禅寺湖畔でも一等地にある西六番別荘は元々は、トーマス・グラ
    バーの別荘を譲り受けて、和洋折衷に改装
した豪壮な建物でした
    が、終戦の前年の夏の終わりに
火災で全焼してしまいました。

    焼け残った暖炉の焚口と煙突を見るだけでも、かつての姿が偲ば
    れます。

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   ハンターが愛した高山植物とロックガーデンの一部が残っており、
   「西六番園地」とし
て、栃木県によって保存公開されています。アか
   ヤシオが一部色づき始めていました。

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    ハンス・ハンターが1947年9月24日に他界して70年。中禅寺湖畔の
    有志が中心になって、「ハンス・ハンター
を偲ぶ会」が開かれるように
    なって10年目を迎えまし
た。ハンター忌は彼に関心を寄せる人や釣り 
    愛好家な
ど限られた人たちで行われてきましたが、日光自然博物館
    やイタリア大使館別荘、英国大使館別荘などと連
携して、イベントを展   
    開できないか…と、夜の交流会は盛り上がりました。

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    ハンター氏が愛用していた仏製シャンペンPiPERで乾杯!

    同じ銘柄のシャンペンが現在も製造されているとは!

    ハンター忌世話人代表の小島酒店店主・小島喜美男さんが取り寄
    せたそうで、さすがワインの本場フランスですね。

    世話人の一人、シェ・ホシノ館主の星野仁志さんの手料理の前菜は
    鱒のテリーヌ。ソースが鱒の姿に!こうした粋なはか
らいがハンタ
    ーファンならではです。写真右は西六番別荘当時のシャンペンPiPER
    を複写したものです。

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by love-letter-to | 2017-09-26 22:57 | 折々通信 | Comments(0)

折々通信No.111 相思華と

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       相思華転ばぬようにゆっくりと

     9月第三日曜日。明日の「敬老の日」にかけての三連休

     は、大型台風18号が日本列島を縦断するとの報が刻々。

     台風の通り道であるのに加えて、局地豪雨をもたらす前

     線の通過やミサイルの脅威も予断できない昨今です。

     暑さ寒さも彼岸まで・・・と、季節の変わり目を告げる彼岸

     花が早々と咲き始めました。

     真紅のリボンを翻らせたような小花が6個で一輪となり、

     長い雄蕊を沢山広げている彼岸花はドキッとするくらい

     艶やかです。気をとられて、張り根に躓きそうになること

     もしばしばです。タンポポの綿毛が2本雄蕊の先に。

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     一二輪でも存在感があり、群生していると目がくらみそ

     うになるくらい圧巻!近隣の彼岸花の名所・日高市の巾

     着田は約300万本が見頃ですって!

     玉川上水堤でも歩く先々で、大小の群落に出会います。

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     花の後を追うように、葉を茂らせる彼岸花は、花と葉が

     出会うことがなく、互いに思い思われているとされ、一

     名「相思華」、「相思花」とも。風雅というか遊び心という

     か…。こういう日本語も大事にしたいです。

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     喜平橋付近に差し掛かると、ゴムの焼けたような異臭が

     かすかに漂ってきます。下草の茂みの中に背丈ぐらいの

     高さで、細い枝先に青紫色の小舟のようなユニークな花

     をつけているのがカリガネソウ。

     弓なりになった小枝の先端で、モビールのようユラユラ。

     ゴンドラ似た花冠から、雄しべと雌しべの細長い花柱も弓

     なりに弧を描いています。雁草と書いて、クマツヅラ科の

     多年草で、低い山地に自生。

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     5枚の花びらの下側2枚には、絞り模様のような白い紋様

     が粋で、野の花の中でも超サプライズ!

     雁草という優雅な名前は、このユニークな花の姿からだ

     そうですが、別名のホカケソウ(帆掛草)の方がピッタリか

     も。喜平橋の上流と下流右岸に数ヵ所の群落があります。

     球形の蕾もキュートです。

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     足元付近に張り出した細い茎葉に、薄桃色の小花をつけ

     ているのはヌスビトハギ。いわゆるハギの仲間ですが、蝶

     型の優しい花の姿に反して、この多年草の実は人や動物

     などに付着して運ばれ、繁殖をします。その実は5㍉ぐら

     いの半月形で、二つ並んだ形が盗人の足跡に似ていると

     のことで、盗人萩の名がついたとか。

     晩秋になると、ウォーキングから帰ったズボンやコートの

     裾に盗人萩の枯れた実がくっついており、取り除くのに

     四苦八苦。実の表面に鉤形の短毛があり、それがなかな

     か手ごわい。要注意です。

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by love-letter-to | 2017-09-17 19:51 | 折々通信 | Comments(0)

折々通信No.110 菊節供あれこれ

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        健康と長寿を願ひ菊節供

     長月十日を迎えました。日中は真夏日が戻って、“秋暑し”

     になりましたが、暦の上では白露の候に。

     石神井公園近くに新設された土鈴工房「鈴蔵」で、昨日か

     ら始まった「重陽の節供・のちのひなの会」を訪ねてみま

     した。重陽は九月九日、九が重なる日で、五節供の一つと

     して平安時代には宮中でも雛を飾り、“後の雛祭り”と称し

     て、雛飾りや衣類の虫干しも兼ね、健康・長寿を願いなが

     らお供えを頂く行事として、大事にされていたとか。

     菊節供とも呼ばれます。

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        石神井池のほとりで、練馬区立「ふるさと文化館」の東隣
       りという絶好のロケーションにある同工房は、数寄屋造り
     風2階建て。その一部が土蔵造りに。

     青梅市御岳の旧家の蔵を借りて、土鈴展示館として全国
     から集
めた土鈴、約3000種を展示していた藤沼万治子さ
     んが、
自宅に近い作業場として設け、節供などの行事の時
     だけ
公開することにしたそうです。

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     今回の「重陽の節句~のちのひなの会」は10月16日
     まで、10301630分公開しております。

     3月3日の雛節句には飾られることのない古布を使った

     雛飾り、大人びた顔の永寿雛、翁媼の姿をした高砂人形

     などのコレクション、藤沼さんオリジナルの土鈴雛など、

     ユニークで味わいのある小さな内裏雛、下坂笑美子さ

     んの手の込んだ端切れ細工などが、ゆっくり見られます。

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     9月1527、28日、10月4日の13301530分には、五節供
     の話、菊合わせや被綿(きせわた=真綿細工)など平安の

     昔の雅な遊びなどについて、藤沼さんのお話会も。
     菊節供に寄せたお茶と菓子、菊酒(菊の花びらを散
らした
     甘酒)にお土産付きで2000円です。

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       因みに五節供とは一月人日(7日)七草粥、三月三日雛節句、
     五月五日端午の節供、七月七日七夕節供に
続いて、
     その最後を締めくくる九月九日重陽の節供は、
健康と長寿
     を祝ったり願う節供として、古くは最も大事
にされていたそ
     うです。その習わしが「敬老の日」に受
け継がれたのではな
     いかと。

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       土鈴工房「鈴蔵」へは西武新宿線上井草駅から、石神井公園
     南口行バスで「JA東京あおば」下車、進行方向に約500㍍、練
     馬区立ふる
さと文化館東側。09060169953鈴蔵へ。会
     期中定休日はあり
ませんが、留守をすることもあるので電
     話でお確かめの上訪ねて下さい。
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by love-letter-to | 2017-09-10 22:12 | 折々通信 | Comments(0)

折々通信No.109 色なき風と

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        野の花と色なき風のささやきを

    もう9月!最初の日曜日を迎えました。9月に入るなり、劇的に

    ひんやり!朝夕は肌寒いくらいで驚きました。

    もう、ツリガネニンジンは開花しているのではないか…と上水

    堤を訪ねてみました。

    釣鐘そっくりの小さな花を5~6個づつ、段々きにつけている

    ツリガネニンジン。淡い紫の釣鐘の縁に、小筆で緑色をポッと

    描いたような繊細さに惹かれます。そして、ツリガネニンジン

    と共に、この時期の澄んだ風:色なき風の声を聞いているよ

    うな気持ちに・・・。

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    ツリガネニンジンはキキョウ科の多年草。根が朝鮮人参に似

    ていることから、釣鐘人参の和名に。

    ツリガネニンジンは、小平市域の一位橋~桜橋下流にかけて

    も見られますが、貫井橋下流左岸はフェンスも低く、法面が広

    いので野草の観察に好適です。そして野草にとっても好適な

    条件が揃っているようで、豊富です。

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    喜平橋~貫井橋にかけて下草の間に間に、淡い紅紫色の小花

    をつけたツルボも。開花のピークはやや過ぎていましたが、可

    憐な花穂を楽しませてくれました。

    蔓穂と書いてツルボ。ユリ科シラー属で別名は「参内傘」。公家

    が宮中に参内する時、使用した傘に似ていることからだそうで

    す。そんな風情が感じられます。

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    喜平橋~茜屋橋にかけては、立木に覆いかぶさっているクズも

    茂った葉の間から、赤紫の濃淡の花穂を覗かせていました。

    秋の七草の一つで、マメ科の蔓性植物。蝶型の花を円錐形につ

    けた花穂は優美ですが、強靭で巻き付いた木々を枯死させてし

    まうので、山や林にとっては厄介な存在。

    その根・葛根(かっこん)は漢方の解熱薬に。また、多量の澱粉を

    含んでおり、葛粉は葛餅など食用として用いられてきましたが、

    昨今では本葛は希少だそうです。

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    センニンソウも大小の木々や下草にも絡みついて、純白の花を

    無数につけておりました。その清楚な花からは想像できないけ

    れど、実になると白い髭が伸びて、仙人の髭を連想させること

    から、仙人草の名前に。

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    今春から季節にさきがけて、開花していた上水堤の野草ですが、

    8月に雨の日が多く、日照不足が続いたせいか、秋を迎えて、暦

    通りに戻ってきたみたい。自然のリズムは、人間には察知できな

    いセンサーを持ち合わせて、回っていることを感じました。

    上はノハラアザミ(野原薊)の花に止まっていたショウリョウバ

    ッタです。一見、笹の葉に見えました。

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by love-letter-to | 2017-09-03 23:08 | 折々通信 | Comments(0)