春が行ったり来たりしつつも三月も半ばを迎え、そろそろシュンラン(春蘭)が立
ち上がっているのでは…と、鎌倉橋から下流に向かって歩き始めると、笹鳴きら
しき声も。
鎌倉橋から下流の小松橋にかけての玉川上水堤の法面は、笹類も刈り込まれてお
り、穏やかな日差しがポカポカ。春蘭がサーベル状の葉の茂みで見え隠れに。
開花したばかりの春蘭は葉の色と似通って見分け難いので、カメラを向けている
と、「何が咲いているのですか?」とか「春蘭が咲いていると聞いて来たのです
が…」と、声を掛けられ、「ほら、あそこに春蘭が」と指さして告げることもし
ばしば。しばらくして、春蘭を見極めたのか「まあ、可愛い!」とか、「有難う
ございました!」と、笑顔を残して立ち去る人も少なからずです。
春蘭はラン科シュンラン属の多年草で雑木林に自生し、ラン科の仲間では最も
ポピュラーな存在として親しまれていますが・・・。
次々と雑木林が滅びていく武蔵野にあって、玉川上水土手では未だその姿を見
ることができるシュンランも、上水堤の崖縁の崩落と共に消滅して行くことも
多く、先行きが危ぶまれます。
こんな素敵な自生蘭が滅びゆくなんて!上水堤の保全に関わる機関や担当部署
に「自生野草の保護育成にも力を入れて欲しい」とお願いしたいです。
春蘭は鎌倉橋~小松橋間で20株くらいは棲息しているのでは?と思う一方で、
それ以外のエリアでは笹類が繁茂して、自生野草は激減状態でないか・・・と
思われ、寂しい春でもあります。笹類を根絶やししないと、玉川上水開削以前
の萱芒の原野に戻ってしまうのではないか…とも。
商大橋から下流は上水右岸(南岸)に沿って下ると、「自生野草観察ゾーン」として
下草刈りがされ、ノカンゾウやヤブカンゾウの新芽もボツボツ。
その間にほっそりしたアマナ(甘菜)の葉らしき姿も。10㌢前後の長さの線形の葉の
縁が赤紫がかった色で、この葉がアマナ開花を告げる目印のよう。
気をつけながら歩いて行くと、桜橋上流50~60㍍付近でアマナの花を発見!
草丈5~6㌢、花冠の径は3~4㌢、寝そべったような姿で開花しているので、目
を凝らせてないと空振りしてしまいそうでした。
細い花茎の先端に乳白色の釣鐘形の花をつけて咲くアマナ。釣鐘の奥を覗くと赤紫
色の雄しべの葯があでやかだ。チューリップの原型によく似ており、かつてはチュ
ーリップ属に入れられていたとか。球根が甘く食用できることから甘菜(アマナ)と。
草丈が低く葉もほっそりしているので、見逃すことが多く、花が開くのは日の
当っているときのみで、曇りや雨の日は花を閉じてしまう。
花が10日前後で終ると葉の部分は1カ月前後で枯れるように目に止まらなくなるス
プリングエフェメラルの一つです。末永く棲息して欲しいと願いつつ。
ここ数日はは最高気温が18~19℃初夏並みの陽気で、都内のソメイヨシノの開花日
が来週末と予報されていますが、昨日、小金井公園の桜の園を訪ねましたら、早咲
きの「大漁桜」が満開でした!早咲きの大島桜と寒桜の交配種と伝えられ、二月半
ば過ぎから開花。
ソメイヨシノよりピンクが濃い目で桜鯛の色に似ていることから大漁桜と。原木は
熱海の網代漁業組合の網干場にあるそうです。
明日からまた寒気が戻ってくるそうで一喜一憂、春は悩ましい季節でも。
「春は名のみの風の寒さや…」と、歌い継がれてきた中田章作曲の『早春譜』
その歌詞(吉丸一昌作詞)に謳われている通り、風の寒さが身に染みる昨日今日。
気温のアップダウンも激しくて玉川上水散歩も見送りがちですが、先週初め喜
平橋~貫井橋まで歩いた時、茜屋橋上流左岸の法面のヘリに薄紫と白い頭花が
6~7輪、開花しているのが目に止まりました!
草丈10㌢前後で歩道側からは2㍍余り隔たり、周囲の木の下枝などに埋もれて
いるので、通り過ぎるところでした。花径3~4㌢の薄紫色と白の頭花を開き
加減に。
南側から差し込む陽光に向かって開花するので、歩道側からは後ろ姿しか見られ
ないのがもどかしいけれど…。可憐な春の妖精の存在に心も足も弾んできました。
野の花を友にして20数年、どれだけ励まされ、教わることも多かったことか!
かつて、この一帯にはカタク(片栗)リやアズマイチゲ(東一華)、バイモ(貝母)な
ども開花して、秋には彼岸花の群生も楽しませてもらったけれど…。見守る人が
絶えたのか年々、花も絶えつつあるみたい。
花びらに見えるのは萼片で、陽が射してくると10~13枚の萼片を精一杯広げた
花径は4㌢あまり。比較的大きな花冠のわりに地面すれすれにひっそり開花し
ているので、人目にはつきにくい。それが幸いして上水堤でも生き延びている
のかもしれない。
この時期に小金井公園正門前より500㍍ほど下った新橋下流付近には、アズマ
イチゲ(東一華)もまだ棲息しているかしら…と。
本来は奥多摩や浅川上流の山麓や落葉樹林に自生する多年草ですが、多摩川や
浅川の流れによっそのて根茎が運ばれ、玉川上水堤にも漂着。
壁面や法面に棲息するようになったのではないか…と、有識者らが語っている
山野草です。10年ほど前には新橋下流右岸にかなり群生していましたが…。こ
こ数年は確かめてないままに。
草丈は15~25㌢くらい。茎葉は3出複葉で3枚づつ輪生しているのですが、晴
れてないと花を閉じて俯いているので、その姿を捉えるのは難しい。開花後は地
上から姿を消してしまスプリング・エフェメラルで…。画像はネットから。
津田町3丁目アパートの敷地内ではムラサキカタバミの花も早々と。濃い赤紫色
のイモカタバミは南アフリカ原産に外来種で、上水堤など市街地ではで越年化し
ていますが、淡いピンクの在来種ムラサキカタバミは初夏から晩秋まで、息長く
咲き続けています。
生命力が旺盛で至る所で見られるので、雑草扱いをされていますが…。昼開性の
植物で曇りの日や夜には,花を閉じてしまう。ハート型の葉も夕方には閉じて、
半分食べられてしまったように見えることから片喰と名づけられたそう。今どき
咲いていると、嬉しくなりました!
あかしあ通りのニセアカシアの根元に伸びてきたナズナ(薺)が、もう花盛りで、
三味線の撥に似た果実も数えきれないほど沢山に!
その三角型の果実からペンペングサとも呼ばれますが、ニセアカシアが台風で
倒れたり、衰弱していることや歩道の根上がり、幹や根元の損傷等の問題もあ
ることから陽光桜に植え替えられつつあります。
その根元の除草作業でペンペングサも見られなくなりそうで…。ハコベやタチ
ツボスミレ、ハコベ、ホトケノザなど路傍の野草たちも少なくなりました。
いよいよ三月!第一日曜日の今日、三月三日は「桃の節供」あるいは「雛祭り」。
小さな夫婦雛があったのですが、探しても見つからなくて「小平ふるさと村」の
神山家の段飾りを見に行ってきました。
小平駅南口からグリーンロードを東へ。多摩湖から境浄水所までの導水管の上に
設けられた遊歩道・自転車道の道々には、オオイヌノフグリをはじめ、カラスノ
エンドウ、ヒメオドリコソウ、ホトケノザ、姫リュウキンカなどが「春が来たよ
!」とニコニコ。
ことにオオイヌノフグリは花径5~10㍉程度ながら遠目にも目立つブルーの花は
“昼間の星”とか“星の瞳”“青い宝石”などとも呼ばれて、るり色とかコバルトブルー
といわれる4弁の花の群落を見つけると、春が来たと心もウキウキ!
犬の睾(ふぐりとは陰嚢のこと)で、果実の形が雄犬の陰嚢に似ていることから。
もう咲いているのか?と驚いたのは、あじさい公園入口付近で出会ったカラス
ノエンドウ(烏の豌豆)。茂らせた葉の脇で長さ1㌢センチ程の紅紫色の花が5
~6個も。ありふれた蔓性野草ですが、今時に出会うと可憐で懐かしくて…。
花が終わるとサヤエンドウを小さくしたような豆果となり、その名が付
いたのではないかと言われています。
頬に吹く風はまだ冷たいけれど、陽射しは明るく餐燦!日だまりにタネツケバ
ナ(種浸け花)も。菜の花と同じアブラナ科で、4枚の花弁は直径3~4㍉、花
弁の基部の萼は紫色。関東以北の農家では畦道や小さな流れのほとりにこの花
が咲くのを目安に種籾を水に浸け、豊作を祈りながら農作業に取りかかったの
が、名前の由来とされています。
写真の右側はオランダミミナグサ(阿蘭陀耳菜草)。市街地の路傍に繁殖してい
る越年草で、草丈は20㌢程度。渡来した江戸時代に国交のあったのはオランダ
だけで、在来種に葉の形がネズミの耳に似ているミミナグサ(耳菜草)があり,
それと似ていることがら名前の由来のようです。
おじさん畑「吉野体験農園」先の一角には、ヒメリュウキンカ(姫立金華)がも
う開花最盛期に。付近の住民が手入れをされているようで、ヒヤシンスも。
ヒメリュウキンカはイギリスやヨーロッパ大陸の山地や林に分布する山野草、
日本に自生するリュウキンカに似ているため、姫リュウキンカと。
でもリュウキンカの小型種ではなく別の植物で、黄花のほかに白花や八重咲き
などの変異種や園芸品種があり、春先の花の少ない時期に開花するので、人気
が高まっているそうです。
久々に「小平ふるさと村」をに訪ねた三月一日正午前後は、訪問者は殆どなか
ったけど、旧神山家住宅の座敷に七段飾りと内裏雛一式に早春の柔らかい日差
しが注がれて…。
この建物は江戸時代後期と推定される時期に、小金井から「廻り田新田」に移
築されたもので、その際、間取りが広間型から喰違い四ツ間型に変更され、江
戸時代中期の武蔵野新田農家の特徴を留めているそうです。
「段飾り怖いと泣いた日も遠く」この七段飾りを見ると、幼い頃、生家の離れ
に飾られた当時のことが思い出されます。あまり家人が立ち入らない離れの床
の間に飾られた段飾りを、幼い私は「怖い!」と恐れて、近づかなかったので、
母や祖父母はがっかりしたとか。父は満州(中国東北地方)へ出兵中でした。
能登半島、ウクライナ、ガザ地区にも平安と春を!
寒緩みメジロ仲間も嬉々として
二月最後の日曜日で三連休最終日の今日は、都心部も小平周辺でも日中の最高気温
でも3℃前後で、ブルブル。大寒中よりも冷え込んだ一日になってしまいましたが
昨日の日中は陽が燦々!気温も10℃を上回ったので、買い物の道々、あかしあ通り
と青梅街道の交差点付近の河津桜に立ち寄ってみました。
私の背丈ほどの生垣越しですが、二階の庇に届くほどに枝を張った河津桜が満開!
チチチチ…とメジロの群れが、濃いピンクの花房を啄んでいるではありませんか!
5~6羽はいたと思われたのに、私の姿を警戒して瞬く間に飛び去ってしまいま
したが、しばらく待ち構えることに…。
10分近く見守っていると、数羽が舞い戻って嘴で花をつつき始めました。入り組ん
だ花枝で、その姿をカメラに捉えることは難しく、めくらめっぽうシャッターを押
してみたところ、数カットにメジロの姿が!!
庭先にミカン輪切りを置いたり、枝先に刺しておくとメジロが啄みに来るほど人慣
れした野鳥で、河津桜の蜜もお気に入りのよう。
梅とほぼ同時期に開花する河津桜は、日本の固有種オオシマザクラと寒緋桜の自然
交配種で、1955年、伊豆河津町で発見されて以来、二月初旬から開花すること
で人気高騰!今や河津桜の名所が東北以南で増えていますね。
柘植(つげ)の生垣越しに撮った河津桜。二階建ての住まいが隠れるほど枝を張って
周囲を紅色に染めて道行く人の目も楽しませています。
あかしあ通りの仲町バス停近くの農地内にも、河津桜が2~3本満開でした。
その東側に建つマンションとの対比が“プチ田舎”小平市のイメージ通りみたい
です。
その河津桜の根元付近には、クロッカスが濃い青紫色の愛らしい花を!
黒土に映えて早春を告げています。二月第三日曜日の今日、日中は晴れたり曇ったりでしたが、小平市周辺の最高気温
は18℃を上回り春本番の温かさに。関東地方に春一番が吹いた15日、津田町三丁目
アパート敷地内で蕗の薹に出会いました。
年々減少傾向ですが、落ち葉を掻き分けてみたら、苞にくるまれたり、苞を押し広
げて蕗の花の莟が!
フキ(蕗)は数少ない日本原産の野菜の一つだそうで、平安の昔から栽培され特有の
風味が賞味されてきたそうです。薹はもちろん、ほぼ円形に近い葉も佃煮などに活
用されますが、その葉柄の歯ざわりは応えられません。
湯がいて強いアクを取り、ほろ苦さが残るくらい翡翠色に煮て食べると絶品!
幼気な命をむしり取るのは酷だと思いつつ、5~6個頂いて帰りました。
一昨年だったか、そのまま通り過ぎて数日後、再訪したら花茎を伸ばしてハ
ルジョオンかヒメジオンの花に似た小花を。その間延びした姿にがっかりした
記憶があります。
蕗の命:蕗の薹を有難く頂いて、天ぷらに!人参とゴボウの千切りと乾燥桜
エビとで掻き揚げも…。早春の味と香りで幸せな夕食でした。
この日、小平市総合公園の南側:上水本町の旧家:粕谷家の梅林にも立ち寄っ
てみましたら、枝垂れ梅の古木も、母屋前の紅梅も満開で心身もリフレッシュ!
を低く剪定させて下さっている配慮に、感謝感謝です。今月中は見頃ではない
かしら?
『控えめで手仕事の得意な.. |
by yasashii-hito at 19:20 |
少年像、かわいい! とこ.. |
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