人気ブログランキング | 話題のタグを見る

忘れ得ぬ人々& 道草ノート

ankodaira.exblog.jp
ブログトップ

道草ノート:捨て猫ホームレスその62

                石 塔 が 窪
道草ノート:捨て猫ホームレスその62_f0137096_14203164.jpg
       残暑がひと休みしていた日、吾輩捨て猫ホームレスも秋めいた風に誘われ、
       小平の開拓創始者小川九郎兵衛が幕府の許可を得て明暦2年(1656)最初
       に鍬入れをしたとされる窪地を訪ねてみた。
       青梅街道と旧鎌倉街道が交わる地点から北へ100メートルほどの地点、か
       つては大きな石塔が建っており『石塔が窪』と伝承されている。確かに青梅
       街道から緩い下り坂にはなっているが、それらしき目印も痕跡もなく吾輩は
       途方に暮れてしまった。

       伝承によると、江戸末期までこの地には秩父青石のかなり大きな板碑が建っ
       ていたが、府中の六所祭りの神輿かつぎに参加した若衆たちが酔った勢いで、
       その板碑を担ぎ出し、毎年担ぎ運んでいるうちに久米川宿の古刹・正福寺参
       道付近まで移動されてしまったとか。

       参道入り口を流れる小瀬川に、その石碑を渡して何と石橋代わりに使用して
       いたんだって!お誂え向きだったのだろう。碑銘が水面に映るので経文橋と
       か念仏橋と呼ばれていたそうだ。
       時代は下って昭和初期に橋の改修をしたところ、板碑は動かすと疫病が流
       行るという言い伝え通りに周辺で赤痢が流行!で、法要を営み正福寺境内
       に保存堂を設けて懇ろに収めたそうだ。
道草ノート:捨て猫ホームレスその62_f0137096_14282897.jpg
       その板碑は高さ2.85メートル、幅55センチ、都内で最大で『貞和の板碑』と
       して東村山市の有形民俗文化財に。同市ふるさと歴史館に原寸大の複製が
       展示されているのを吾輩も確かめて来たんだ!
       今回は初夏から咲き続けているクサノオウと秋口に咲く山芹を。
道草ノート:捨て猫ホームレスその62_f0137096_14302190.jpg
道草ノート:捨て猫ホームレスその62_f0137096_14305022.jpg

by love-letter-to | 2009-08-27 14:32 | 小平の原風景求めて | Comments(2)
Commented by golf9243 at 2009-09-01 16:30
もぐらさん こんにちは
石塔が窪ってピンポイントでは特定はできないようですね。貞和の碑の口伝、本当だと面白いのですが、なにも根拠なく伝承されることもないはずですから、信じたいところですね。
Commented by 小平のモグラ at 2009-09-02 10:57 x
golf9423さん、お早うございます。ここ数日の政権交代劇と
気温の高低差に追いついて行くのが大変!
石塔が窪の地名の由来は伝承にしても、小平には珍しく
面白いエピソードですね。東村山ふるさと歴史館にその伝承
の板碑がレプリカながら展示されているのを目にして、石塔が
窪の地名の由来に親近感を持ちました。あの見事な板碑なら
かつての人も一目置いていたに違いありません。土地の歴史
や由来が残る町にしたいです。