何たる残暑!何たる長い夏!9月に入っても猛暑の記録を更新中で、気象庁観測史上
113年間で一番熱い夏!
玉川上水堤もカラカラに乾燥して、前を歩く人の土煙が逆光に浮かび上がって見えるほ
どです。直射日光を浴びているエリアでは、ミズヒキの葉が赤茶けて「雨が欲しい!」
と叫んでいるかのよう。熱中症かもしれません。
そんな上水堤沿いで元気印はノウゼンカズラと百日紅、千日紅に百日草、向日葵、日
日草に蔓日草など。名前に“日”がつく花が猛暑にめげず長寿のようで…。
凌霄花と書いてノウゼンカズラ。蔓性の木本だそうで、それ自体では立ち上がれなく
て、周囲の樹木や生垣などに絡みついて“木”になり済ましています。夏から秋にかけ
緋色のラッパ型の花を咲かせ、門口で悩ましげに揺れているのをよく目にします。中国
原産でノウゼンというのは凌霄の字音によるといわれ、古くはノウセウと読まれたとか。
メラメラと燃え上がる炎天下、樹木を虜にして奔放に日々新しい花をつける凌霄花。ま
とわりつく習性からか艶っぽく感じられてしまいます。夕方にはポトリポトリと散ってしま
う一日花でもあります。
街路樹にも多いサルスベリは、7月初旬から10月頃まで100日余りも咲き続けることか
ら百日紅と称されるのは有名ですが、群がって咲く花の “素顔”はなかなか複雑でミス
テリアスです。一つの花は短い花柄の先にフリル状の花弁を6枚つけ、花の径は4~5
センチ。6枚の花弁は不揃いで重なり合っている上に、一度咲いた枝先に再度芽を出し
て次々に花を咲かせるので、長~く咲き続けているように見えるそうです。シャッター
を下ろした商店街で百日紅だけが元気に咲いているのは複雑な気持ちに。
さらに寿命の長い千日紅はドライフラワーにしても3年前後は色が変わらないことから
その名称が!アジア・アフリカ・オーストラリアの熱帯地方と、アメリカ合衆国南部か
ら南米にかけて100種近く分布していますが、身近で見られるのは園芸種。百日草と金
色コスモスは市街地に最近増えてきたアカボシゴマダラ蝶がよく訪れています。厳しい
残暑の中でホッとさせてくれるシーンです。
向日葵は日中はさすがに葉をしょぼんと垂らしていることもありますが、花は元気。で
も最近は“小顔”ブームのようで、一株に小ぶりの花を多数つけています。日日草、蔓
日草、芙蓉もまだ日々新しい花を次々と咲かせていますが、そろそろ秋が恋しいなあ。
上は緑のカーテン(小平市役所で)