記録的な豪雪や厳しい寒気に見舞われた地方にも春が訪れつつあるようで、相変わ
らず寒暖の差が激しく、日替わりの陽気ながら二月も明日で尽きます。
押しなべて春の野の花の開花が遅れていますが、茜屋橋の上流左岸の路肩に薄紫
色の花弁がチラッと目につきました。まさか!と思いましたがキクザキイチゲでした。
年々崩落が進んで堤の奥行が狭まっており、一斉の下草刈りも行われて、絶えてしま
ったのではないかと気をもんでいただけに嬉しい姿でした。
崩れかかった路肩にかろうじて数株が開花していました。キンポウゲ科の多年草で一
株に一輪の頭花をつけ、葉が菊に似ているので菊咲き一華。ほっそりした花びらは透
き通るように淡いラベンダー色で、草丈はせいぜい15センチですから目立ちませんが。
下流の境橋付近に自生しているアズマイチゲ(東一華)も一株に白い頭華を一輪つけ、
花の姿もよく似ていますがキク科です。どちらも春に先駆けて咲くキューピッドです。
玉川上水堤では国の文化財指定に基づいて、今年度から東京都が策定した「史跡玉川
上水・小金井桜整備活用計画」プロジェクトが始動し、その目的や整備工程を記した
掲示板が各所に設けられています。両岸の欅などの伐採や下草狩りが徹底され、歩く
と見通しが良く成り、明るくなっているのが実感できるでしょう。
小金井正門前から関野橋までは「名勝小金井桜」復活のモデル地区として今春から、
小金井桜後継種の苗木(山桜)が植樹されています。この名勝小金井桜復活事業に小
平市のボーイスカウト第5団のメンバーも参加。昨年の6月には堤でサクランボを拾い、
その種を今年2月に苗床に蒔きました。4~5月には発芽して 1年で1メートルほどに
成長するそうです。花が咲くのは5~6年先だそうですが、隊員の少年たちが成人する
頃にはお花見もできるかも!
昨年の記録的な猛暑と例年にない厳しい寒さで、遅れていたテイカカズラの種子の
散布も最盛期!喜平橋下流右岸では、落下傘のように開く寸前の冠毛を目の高さ
の位置で見られて眼福に与りました。