11月も半ばを過ぎて、遅れがちだった紅葉も日一日進みつつある第三日曜日。午
後から、北西の風が強まって木枯らし一号に。
このところ、ふと見上げると桜もケヤキなど雑木たちも色変わりして、辺りがハッと
するほど違って見えることがあります。 少々オーバーですが世間が違って見える
ようです。
先週、思い立って小川寺付近まで足を延ばして見ました。350年余り前、小平の
地の開拓とともに開山されたという古刹です。境内の紅葉は始まったばかりでし
たが、池の脇の冬桜が淡いピンクの花をいっぱいつけて、空を仰いでいました。
この冬桜がこんなに沢山の花をつけているのを見るのは、初めてでした。下枝に
つけている花を見ると八重咲きで、花弁はほっそりとしていました。冬桜あるいは
十月桜と呼ばれている中には、11月から1月に開花するサクラの栽培品種の他
に、春と秋に二度咲く桜、返り咲きなども 広く「冬桜」と 呼ばれることも。
門前の楓はもう真っ赤に紅葉していました。「二天門」といわれる二階建ての山門
の屋根に、降りかかるように紅葉して風格が一段と!
本堂の裏を流れている小川分水の傍には、初冬を告げる ツワブキが咲いており
ました。石蕗あるいは艶蕗と書きツワブキ。石川、福島県以西の海岸に近い岩場
に自生し、蕗に似た葉が艶やかなことから艶蕗が転じて、ツワブキになったと考え
られています。この濃い黄色の花には大人の色気というか渋さがあり、 歳を重ね
ると共に惹かれるようになるみたいです。
寺橋から上水堤を下って来ると、ムラサキシキブの実も艶やかに熟して、控えめな
色気を放っていました。世界最古の長編小説とも言われる「源氏物語」の作者・ 紫
式部の名に因んでいるだけに、その色艶に魅了されてしまいます。園芸種のコシキ
ブ(小式部=本名コムラサキ) は対生した葉の付け根に、整然と実の房をつけるの
に対して、ムラサキシキブはランダムに付けています。
西日に照らされたムラサキシキブの実は、また違った趣が感じられました。
小平団地のバス停付近の公孫樹の数本はもう金色に…と思えば、まだ青いままの
公孫樹もあって、ばらつきが目立ちます。木枯らし一号が吹いて、明日から冷え込
みが一段と厳しくなり、季節が進みそうです。