5月も最後の日曜日を迎えました。先週の日曜日には、バラ作りを楽しんでいる友人
に誘われて、八王子市内の彼女の“バラ友” のお宅を訪ねました。バラ愛好家をロザ
リアンと称するそうです。丹木町1丁目、新滝山街道(都道169号淵上日野線)沿いに
ある「ロザリアン八王子」は個人宅ですが、一般公開もしています。
50坪前後の前庭にはバラとジキタリスやデルフィニューム、カモミール、カリフォルニ
アポピーなどの草花が咲き競って、そのハーモニーと牧歌的な雰囲気にうっとり!
神代植物公園のバラ園、古河庭園など と比べようもないほど 小規模ですが、草丈の
高低差、様々な色と表情の草花、それらの葉の緑に包まれたバラたちは、オペラのマ
ドンナみたいに感じられました。その演出家の細野信夫さんによると、イングリッシュガ
ーデンのようなバラと野草のコラボレーションを大切にしているそうです。
新滝山街道の建設で自宅前の道路も拡張されることになり、建物を10メートルほど後
ろに引き屋して、南面の庭で「野菜作りでも」と、土を掘り起こしたところ砂利や瓦礫が
多く、野菜作りは諦めて2005年からバラ作りを始めたそうです。50 品種くらいから始
めて、一時は300品種にも殖やしていたそうですが、現在は204品種、香りのいい品
種を中心に育てているとか。
垣根代わりに仕立てたパレード種のバラが真っ盛りで、薔薇の館みたいした。
上は鉄製トレリスにからませたアンジェラ品種。初心者でも育てやすく花付きがいい
そうで、淡いグレイのザルツブルグ、ピンクのアッシュウェールズと組み合わせて…。
一歩進むと“景色が変わる”みたいで、ドラマティックなガーデン作りに一番忙しいのは
冬から春先だとか。野草のこぼれ種をプランターに播いたり、バラの枝の剪定したり、
寒肥をほどこし、前年に伸ばした蔓をリードする作業は一日4時間、 2カ月たっぷり
要するそうです。草花をプランターから地植えにする時は、頭に中にある設計図通り
に配置しますが、期待以上に育ってくれるのが細野さんの楽しみだそうです。
クィーンエリザベス、プリンセスモナコ、アンネフランク、クリスチャン・ディオール、
シャルル・ドゴールなどセレブの名前がつけられた薔薇を集めた一角は“有名人通り”
と称しているとか。
訪ねた日はクィーンエリザベスがその名のように、気品のある花を輝かせていました。
大変丈夫なバラで株も大きくなるそうです。
続いて訪ねたのは谷野町のYさん宅。住設会社を経営しているYさんはサーファーで、
クラシックなオープンカーのドライバー。アーチにからませた淡いピンクのスパニッシ
ュビューティと、愛車の車庫がアメリカングラフィティ車にぴったりでした。
みつい台緑地に面した住まいの南側のデッキも、車庫のドアと同じオリーブグリーン
色に塗装して、フェンスに蔓バラのアンジェラを。木影に取り付けた巣箱の回りには
黄色いゴールデンハートが!フェアストリーの世界に惹き込まれそうな雰囲気を楽し
みながら、アフタヌーンティーをご馳走になりました。
みつい台のMさん宅はフェンスだけに蔓バラをからませていました。細野さんに相談
して、住まいの外壁に合うピエール・ドゥ・ロンサールともう一種ピンク系の蔓バラを
コラボさせているそうです。こういうロザリアンも。
同じみつい台のSさん宅は、築30年も経つと庭木が大きくなりすぎて、枝払いも大
変になり、全て根本から伐ってバラ園にされたとか。20~30種くらいあるそうです
が、最近は数えたことがないとのこと。玄関先には姿と色の美しい大輪系、庭には
蔓バラのアーチと和風の灯篭を組み合わせたり、最近はオールドローズに惹かれ
ているそうです。