雨の音で目覚めた8月最後の日曜日。島根県内をはじめ西日本の各地では、記録
的局地的な豪雨による災害が伝えられていますが、小平付近では久しぶりに雨ら
しい雨が降りました。暦の上では処暑に入り夏の暑さも衰え始める候に。
先日、国分寺市内に住む友人を訪ねた帰途、駅南口にある殿が谷戸庭園に立ち
寄ってみました。古代多摩川が南へと流れを変えていく過程で、武蔵野台地が削
り取られてできた段丘を生かした庭園内で、思いがけずレンゲショウマに出会いま
した!
深山の林床に自生して、細長い茎先に蓮に似た典雅な花をつけるので、深山を灯
すランプとか深山の妖精と呼ばれるレンゲショウマが、駅前の繁華街のすぐ近くに
咲いているとは!白く透き通るような花冠の径は3センチ前後で、その姿はハスに
似て、葉がサラシナショウマ(晒菜升麻)に似ているので、レンゲショウマ (蓮華升
麻) の名がつけられたそうです。日本固有のキンポウゲ科の花です。
処暑を迎えたばかりの庭園内では、湧水口から流れ出る水のささやき、斜面には
キツネノカミソリやホトトギスの姿も。萩のトンネルでもチラホラ咲き始めていました。
9月15日~23日には「秋の七種(ななくさ)を楽しむ会が開かれ、21日の10:00
~と13:30~山野草研究家の沖伊助さんのガイドで野草観察会も開かれます。
雨天は中止に。
連日の猛暑で砂漠化していた玉川上水堤の野草たちも、今日の雨で一息ついたか
しら?茂みの縁に行列して開花していたツルボ(蔓穂)も、写真に撮るには忍びない
状態でした。円錐形の花序に淡いピンクの小花を可憐に咲かせるツルボですが、今
夏は花穂が立ち上がったと思ったら、 1~2日でもう老化していてがっかり。 下草の
ジャングルの中で、陽射しを避けて開花していたのを見つけて、やっとシャッターを切
りました。
ツルボは大名が宮中に参内するとき、行列を先導する傘に見えることから「参内傘」
の別名も。
下草のジャングルの中に、ひと際鮮やかな濃いピンクの大輪を咲かせていたのはボ
タンクサギ(牡丹臭木)。連日の猛暑で少な目ですが、晩夏から秋口にかけての玉川
上水堤を元気にさせてくれる花の一つです。中国南部・印度北部原産の落葉低木で、
中国名は臭牡丹。
別名はヒマラヤクサギまたはベニバナクサギ。十字手裏剣に似た小花がボール状に
集まって、大きなものになると、直径20センチ大で、手の込んだ細工の薬玉のよう!
樹高は1~1.5メートルぐらい。 観賞植物として持ち込まれたものが暖地ではエスケ
ープして野生化しているとのこと。クサギの仲間だから葉をもむと異臭がしますが、
花には芳香があります。
草花たちは気温よりも、日の長さで季節の訪れを察知するので、私たちよりも季節を
先取りするみたいです。そういえば、日暮れが早くなりました。