あれよあれよと言う間に三月も明日で終わり、最終の日曜日に。都内の桜も満開を
迎えたそうですが、小平市周辺はこれからが見頃のよう。“花に嵐”の譬えもあるよう
に、桜の季節は気象の変化が激しく、今朝から雨に。午後からは強風が時折り吹い
て、生憎の週末です。
ここ1週間は夏日に近い気温の日もあって、上水堤でもシュンランに続いてアマナ、カ
タクリ、アズマイチゲ、タチツボスミレ、ニリンソウ、ハナニラなど野の花が競うように開
花。コブシやレンギョウ、モクレンなど木々の花も咲いて花に追われるような日々です。
茜屋橋上流左岸の一角ではカタクリとキクザキイチゲ、バイモ例年通りも開花して二月
の二度の大雪が信じられないくらい、後遺症もないようです。先にカタクリを撮影してい
たシニアの女性は「昨年より殖えたみたい。近くでカタクリに出会えるなんて幸せ」と、一
眼レフのシャッターを盛んに押していました。上はちょっと恥ずかしそうに葉陰で開花し
ていたカタクリ。その栗の片割れに似た球根から片栗と。球根から澱粉質を取り出した
り、花や茎も食用していたほど、たくさんのカタクリが自生して時代も。
カタクリの近くには純白と淡いラベンダー色のキクザキイチゲも、太陽に向かって頭花
を広げていました。キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草で、菊咲一輪草とも。
落葉広葉樹林の林床などに生育。茎丈10~30㌢。花期は3~5月で、白色~薄紫色
のキクに似た花を一輪つけることから、この名がつけられたそうです。葉も菊の葉よう
に切れ込みが多く、濃い緑色です。
桜橋上流右岸ではアマナも咲きました。開花が例年より2週間ほど遅くて、やきもきし
ておりましたが、周囲の草が萌え出しているので、発見しやすいみたいです。
枯草の中に開花していると、赤味がかった乳白色のアマナは目立ちませんから。
アマナはユリ科の多年草で、10センチ前後の2枚の細い葉の間から7センチ前後の
細い花茎を伸ばして、先端に赤味がかった乳白色のチューリップ形の花を。花を覗く
と赤紫色の雄しべの葯があでやかですが、開くのは日の当っているときのみで、曇っ
ていると花を閉じてしまいます。球根が甘く食用できるところか甘菜。別名はムギクワ
イで、球根の形をクワイになぞらえたもの。調理法もクワイと同様だそうですが、とて
も食べるなんてできそうにない愛らしい野草です。
先週は友人と昭和記念公園へも 足を伸ばしてみました。曇りがちの天候でしたが、
こもれびの丘の北側斜面にはカタクリの花が見頃を迎えていました。程よく陽射しが
射し込む雑木林の中に、数輪ずつ散在しておりました。その花の数ほどカメラを向け
ている人もいました。さすが 野の花の貴婦人と呼ばれるだけに、カメラマン達も多い
こと!
中でも一番花数の多い群落は雑木林の真ん中辺りにあり、高倍率の望遠レンズを
使っても、四苦八苦しているようでした。「ああ、しんどかった!」 と立ち上がった熟
年男性は、「もう5㍍ほど近くにあったらなあ」と、言い残して立ち去って行きました。
貴婦人には近寄り難しでした。
この日の昭和記念公園砂川口付近は、サンシュユが真っ盛りで、レンギョウ、トサ
ミズキ、ヒュウガミズキ、遅咲きの紅梅、早咲きの枝垂れ桜に芽吹いたばかりの柳
の緑がひと際鮮やかでした。友人は「まさに百花繚乱!夢の園へ来たみたい」と、
繰り返していました。上は枝垂れ桜で、そろそろ満開を迎えているのではないでしょ
うか。