1月最後の日曜日の今日は陽射しが眩しいくらい。久々に寒が緩んで、この大寒の
先に春が…と思っていたら、イスラム過激派組織・イスラム国により拘束されていた
日本人の一人が殺害されたらしいという寒々としたニュース。73億の人が住む星・
地球で、太陽と地からの恵みを仲良く分かち合えないものでしょうか…。そのための
宗教であり科学であり発展だと思うのですが…。
手水鉢に溜まっている僅かな水には、青く澄んだ寒の空が映って底なしに見えました。
昨日、玉川上水堤に向かう時、あかしあ通りの街路樹の下に白い点々が目に入り
ました。膝を追って見るとハコベではありませんか!
昨年ハコベを初めて撮影したのは1月31日でしたから、開花は1週間ぐらい早いよ
うです。五弁の花びらの切れ込みが深いのが特徴で、細長いハート型に見えます。
春の七草の一つハコベに春の兆しを告げられたようで、足が弾んできました。
場所によってはもうこんなに開花しているハコベも。
ガードレールの柱の脇にはナズナも茎を伸ばして、小花を開花させていました。下部
はもう莢果になっており、三味線のバチのような実をつけているのに驚きました。寒
いから開花するのは、まだまだ先のことだと 観察をサボっていたので、この日は新
鮮でした。
空き地の砂利の中にもナズナが開花していました。砂利地で目立ちませんが、分岐
した茎の頂部に散房状に小花をつけて、ペンペングサとも呼ばれる姿で奔放に。
歩道ブロックの目地にはタンポポも、辺りの空気を窺いながら頭花を開いて…。まだ
茎丈は5~6センチ。市街地に棲息する野草にとって、輻射熱で温まっているブロッ
クやアスファルト道路は、開花を促進するようです。「越冬タンポポ」とか「ど根性タン
ポポ」と呼ばれる冬知らずのタンポポも、市街地では殖えているそうです。
上水堤は昨年暮れから今年にかけて除草と間伐・剪定が進んで、さっぱりしたと言
うより間の抜けた感じがします。そんな上水堤で 目を引いたのは枯葉を落とさない
まま、突っ立っている 一本の木でした。ほっそりとした木は枯死したように見えます
が、伐採されてないので生きているはず。ヤマコウバシという クスノキ科の落葉低
木です。
ヤマコウバシは葉を揉むと芳香があるためについた名前で、漢字では「山香ばし」
と。別名のモチギは、葉を乾燥後に粉にして餅に混ぜて食べたことに由来するそう
です。落葉樹でも葉を落とさないで越冬。春に新芽を吹く頃に落葉していきます。
気をつけて歩いていると、上水堤のあちこちでヤマコウバシに出会います。枯葉を
まとって厳寒期を耐えているヤマコウバシは、高齢世代にとって心強い存在です。
例年ならマユミが紅梅色の実を鈴生りにつけているシーズンですが、今冬はその
実が全く見られなくて、色気に乏しい上水路。上水について博識な画家で 写真家
の鈴木忠司さんも、マユミの実がさっぱりなくて、メジロやシジュウカラの姿が激減
していると心配していました。この日赤い実をつけていたのはマンリョウだけ。
春よ来い!