今日から三月!そして最初の日曜日を迎えました。昼前後から関東全域は雨になっ
てしまいましたが、草木にとっては芽ぐみの雨。「めぐむ」というのは、もともと植物の
芽が出る、芽をださせることが語源になっているようです。
三月と言えば雛の月、雛節句も いよいよで、4月並みの気温と伝えられた日、玉川
上水・中島橋から立川幸町団地を抜けて川越道緑地古民家園へ。江戸時代から続
く旧家・小林家が立川市によって移築されており、オカッテ (囲炉裏の間) やザシキ
(座敷)、最上級の客をもてなしたとされるオク (奥の間)などに、江戸末期から昭和
初期にかけての内裏雛や段飾りが 10組くらい飾られていました。ひっそりとした古
民家にひっそりと飾られているお雛様もいいものですね。
小林家は砂川九番組に属してきた旧家で、茅葺・入母屋造り。砂川には数少ない六
間型(土間を除いて6部屋で構成)で、ことにオクとトバノオク(奥の間の次の間) のし
つらえは武家屋敷に匹敵する格式だそうです。私が訪ねた時間帯は 先客が一人で
したが、午前中は 近隣の保育園や幼稚園、小学校からの団体見学で賑わっていた
そうです。
小さなお道具まで数えると1000点に上るそうで、飾り付けはボランティアの手で行っ
ているとのことでした。屋敷前の紅梅も今日の雨で開花しているのではないかしら。
お雛様は今月8日(日)まで展示され、8日と31日11~13時にはお茶会(受付12時
半まで)が開かれ、お抹茶が無料で振る舞われるそうです。
立川市幸町4-65 9~16時半開館。入場無料、月曜定休。
帰途、上水堤を観察しながらテクテク。約4キロほど下流の商大橋付近ではマンサク
(満作)がもう満開!黄色の紙片を捩ったような花びら4枚があっち向き、こっち向きし
て春を告げていました。
早春の花にさきがけて“まず咲く”の“まず”が転じてマンサクとされる説が一般的です
が、樹木全体を黄色く染めるくらい花をたくさんつけるので 「豊年満作」から命名され
たとも。この分では、今年の農作物もまんず、まず豊作か…と。
途中の久右衛門橋右岸のたもとには、ヒヤシンスも開花していました。茎丈10センチ
ほどですが、青紫色の瑞々しい小花を 5~6個つけていました。 ギリシャ神話で、太
陽神アポロンに愛されたという美少年ヒアキントスに由来するヒヤシンス。スイセンの
学名Narcissusは、ギリシャ神話に登場する美少年ナルキッソスに由来するそうで、
上水堤で美少年系の花に出会うなんて、ウフフ…です。陽気がよくなりウォーキングを
する人たちも増えてきました。
その足元ではコナラの実が根を下ろし、固い殻を割って小さな命を育んでいます。そ
の凄いエネルギーに圧倒されます。