ビートルズ幼く聞こゆ今年秋
数日前、朝の片付けをしていると、ラジオからビートルズメドレーが流れてきて、彼らの
歌声がやたら幼く聞こえました。そのはずですよね。ビートルズが世界を席巻し始めた
1965年当時、メンバーの年齢は二十歳そこそこですから、後期高齢者の私の耳に餓
鬼っぽく聞こえるのは当然でしょう。
先ごろ総務省から発表された高齢者人口推計によると、ビートルズを聴いて育った65
歳以上が全人口の26.7%に上り、80歳以上が1008万人を超えたそうです。
月めくりカレンダーも残り三枚。前月のカレンダーを切り離した時の感触が、木の葉が
舞い落ちるように感じられました。10月は木の葉月とも呼ばれるそうです。
街路樹のハナミズキの葉が色づき始め、赤く熟れた実が覗くようになり、この間まで、
警鐘を鳴らすように聞こえたカネタタキの声も、絶えてしまいました。
上水堤ではユリ科の可憐な花・ツルボの群生がシルバーウィーク頃まで楽しめました。
10~20㌢丈の花茎に淡いピンクの小花をつけて、堤の縁に添って帯状に行列してお
りました。植生の変化が激しい上水堤でツルボは殖えています。
その昔、公家が宮中へ参内する時に使用した傘に似ていることから、別名を「参内傘」。
末枯れかけた花穂に黄蝶がしがみついていました。カメラを向けても子孫を残すため、
必死でアタックしていました。
ワンルームマンションでもバス付きが当たり前になった今日ですが、銭湯(公衆浴場)
に通った世代には懐かしい富士山や海岸風景などの背景画。「貴方はもう忘れたかし
ら、赤いてぬぐいマフラーにして、二人で行った横丁の風呂屋…」の歌詞でお馴染みの
『神田川』が流行った時代は、都内に2700軒以上もあった銭湯も現在は4分の1に。
背景画を描く絵師も全国で現存しているのは3人だけ。その一人、丸山清人さん(80歳)
の作品展とライブペインティングが国立駅南口近くのギャラリー・ビブリオで開かれ、見
学してきました。
畳一枚大のベニヤ板に富士山と湖を描き上げる刷毛さばき、赤、黄、ブルー、濃紺、白
の5色のペンキで空や湖の微妙な色彩、山の緑の濃淡などで遠近観のある絵に仕上
げて行く職人技は、日本の伝統技術として残したいと言う声も高まっています。
銭湯ファンだと言うフランス人の女性も、熱心に見学していました。
作品展は明日10月4日まで11~19時開催。入場無料です。問合せ:042・511・4368