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忘れ得ぬ人々& 道草ノート

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折々通信No.63 堤を彩る花と実と

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         美大生通う堤に咲く野菊 
  10月も終わりに近づき、紅葉も高地から里へと近づきつつある今日23日は二十四
  節気の一つ「霜降」。北国では霜が地を白く染め始める候ですが、今秋は早々と
  北海道からは雪の便りも。
  玉川上水堤でも遅れていた秋草が咲き揃い、晩秋の装いに。西武線鷹の台駅付近
  から西への 堤沿いには創価学園、白梅学園、武蔵野美大、朝鮮大学校、都立小
  平西高のキャンパスが続き、堤は通学路になっています。“哲学の小径“と称され
  ることもあります。武蔵野美大に差し掛かる上水堤の一角に、白い小花を群がり
  つけた野菊が一様に 首をかしげていました。風向きのせいでしょうか。 それと
  も人待ち姿かしら。
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  上水堤には8月半ばから シラヤマギク(白山菊)、ノコンギク(野紺菊)、ユウガギ
  ク(柚香菊)、ヤマシロギク(山白菊) ヨメナ(嫁菜)などが咲くのですが、見分け
  が付きにくくて…。これらを総称して野菊あるいは野路菊と呼ばれているようで
  す。上はヨメナあるいはシロヨメナでしょうか。野菊には混雑種もあるとのこと
  で見分けにはお手上げですが、さりげなさと初冬まで咲き続ける健気さに惹かれ
  ます。
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  首折れていたノコンギクを持ち帰って、一輪挿しに挿しておきました。しばらく
  楽しめそうです。
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  創価学園付近の堤では、ツリバナの実が外皮を弾かせてユラユラ。5つに裂けた
  外皮の縁に朱赤色の種をくっつけて、ぶら下がった姿はユーモラスです。
  実の直径は1㌢前後ですが、かなり離れた処からも目につきます。種を飛散させ
  る術はお見事です。
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  ツリバナは4~5月に長い花柄の先に、淡いラベンダー色の5弁の花をつけま
  す。花径は6~7㍉で、あまり目立ちません。実が赤熟してくると存在に気が
  付きます。上のようなツィンショットも。
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  木々の実の熟した姿は色も形も様々で、秋の野山で出会う楽しみの一つです。
  それぞれユニークな色や形をしていますが、朝鮮大学前付近の堤で出会ったゴ
  ンズイ (権萃) の実は直径1~2センチの球状の袋果で、パックリ二つに割れ
  て、黒大豆のような種をくっつけている姿にはドッキリ!
  ユーモラスでもあり、怪獣が大口を開いて玉を飲み込もうとしているようにも。
  5月下旬に開花するゴンズイの花からは想像できない変身ぶりです。
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  ツリバナやゴンズイの実に見惚れていると、亜麻色のロングヘアをなびかせて、
  モデルさんのように超スタイルのいい女性が通り過ぎました。長い脚とヒップ
  のカッコよさにうっとり。武蔵野美大生かしら?
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  鎌倉橋の新堀沿いに、シャクチリソバが繁茂して白い小花の房をつけていま
  した。ソバの花と同じ タデ科の仲間ですが、ヒマラヤから中国南西部に分布し
  ていた帰化植物です。 昭和初期に日本に導入され、薬草園などで栽培されてい
  ましたが、1960 年代にエスケープして野生化。全国にして広がったそうです。
  シャクチリという変わった和名は「本草網目」という中国の本草学史上最も内
  容の充実した本の中の漢名にならって、植物学者の牧野富太郎博士が赤地利し
  ゃくちり)と1933 年に名づけたそうです。
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  見た目には白い小花の房はありふれた雑草の類にみえますが、花径5㍉前後を
  マクロレンズで接写してみると、白い5弁の花びらは清楚でチャーミングです。
  ことにピンク色の雄蕊の葯がとても愛らしく、野草の花の魅力を見直すことで
  しょう。
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by love-letter-to | 2016-10-23 19:43 | 折々通信 | Comments(0)