九九の日や色づく稲穂風渡る
今日9月9日は重陽の節供。旧来の祭日であった五節句の最後を締め
くくる節供で、九が重なるこの日は中国の重日思想から、お目出度い
一日とされてきたとか。菊節供とも呼ばれますが、先週は相次ぐ自然
災害に落ち込む一週間でした。
関西空港が浸水するなど甚大な被害をもたらせた台風21号直撃に続
いて、最大震度7が観測された北海道・胆振地方大地震に言葉を失いま
した。
近年は災害が巨大化していると憂える日々、近隣の東京学芸大構内に
ある教材植物園に足を向けてみたら、稲穂が黄金色に…。 同植物園の散策は自由で、親子連れや散歩者に出会います。果樹園
からミンミンゼミやツクツクボウシの声も絶え間なく、住宅街に近接
した緑地の心地よさを。 時折りバッタが飛び跳ね、シオカラトンボが尾の先をチョンチョンと、
稲の根元を流れる水に浸けていました。雌の産卵行動かしら。雌雄が
尾をからませドッキングしているシーンにも出会いました。 牧歌的な園内の一角では山羊が2頭のんびりと草を食んでいました。
市街地で山羊を飼う効用、グランドカバーに適した植栽などについて
実験をしているとか。 トマトやナス、キュウリなどを栽培している菜園の端っこで、ニラが花
を咲かせていました。6弁の花びらからなる花冠は5ミリ前後で、20数
個の花が茎の頂部で散房状に。ニラ臭からは信じられないほど清楚な
姿です。平安末期頃から盛んに栽培されるようになったそうで、万葉集
には”久々美良”として登場し、この“みら”がなまって、“にら(韮)”となっ
たという説もあります。 芝生地にはベンチも。アップルミントや金色コスモスが蝶や昆虫を呼
び寄せていました。