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忘れ得ぬ人々& 道草ノート

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折々通信ⅡNo.3 露おく芝生で

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        捩り花露おく芝で寄り添ひて

  6月も第四日曜日に。一昨日来、大気の不安定な状態が続いております
  が、今日は時々陽が射すものの薄曇りの一日でした。
  
今年はどうかしら…と小平団地へ。2街区の芝生で捩り花がひっそり。草
  丈10㌢余りですから、目につき難いのですが、細い花穂
に米粒くらいのピ
  ンクの花を螺旋状に。
  
昨年は開花前に芝刈機で刈り取られて、出会うことが出来なかったので、
  捩り花に出会うのは2年ぶり。一斉草刈りされても生
き延びておりました。
  なよなよしているように見え
て、かなり逞しく繁殖力も旺盛だとか。

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  接写してみると、ラン科の花に多い唇弁型の極小の花を、螺旋状に付けて
  おります。右巻きと左巻きがあり、ほぼ直線状の花穂も。
  
いずれも上唇弁は淡いピンクで、下唇弁は白のツートンカラー。その精緻
  で可憐な容姿に魅せられてしまいます。

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  捩り花は螺子(ねじ)花、文字摺り(もじずり)とも呼ばれ、《古今集》巻十
  四には河原左大臣・源融の〈陸奥のしのぶもぢずり誰ゆ
ゑに乱れむと思
  ふ我ならなくに〉の歌が有名。
  
しのぶもぢずり(忍捩摺)は信夫郡(福島県)の名産で,石に草木をこすり
  つけ,布にその色を移した染物。山口地区に文字摺石と
いう石があり,芭
  蕉も《おくのほそ道》の紀行で訪ね,〈早苗とる
手もとや昔しのぶ摺〉の句
  が詠まれています。
  
上は左巻きと右巻きのツーショット。10年ほど前に同団地で撮影。

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  捩り花の近くの号棟付近では、オオバギボシ(大葉擬宝珠)が雨に打たれ
  て傾きつつ、漏斗状状の薄紫色の花を。蕾が橋の欄干
などの擬宝珠に似
  ているので大葉擬宝珠。長楕円形の大きな葉
は葉脈がくっきりとして美し
  い。料亭などでは料理の盛り付けに使うことも。

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  茂みにはトキワツユクサ(常盤露草)の姿も。茎と葉はムラサキツユクサに
  似ていますが、頭花は直径1.5センチぐらい。三角形に
近い三枚の花びら
  は純白で、雌雄の蘂が絹糸をほぐしたように
フワフワ。黄色の葯が際立っ
  て優しい風情を。
  日本的な情緒の花
ですが、南アメリカ原産で昭和初期に園芸植物として
  導入され、
その後野生化して、路傍の日陰でも見かけます。
  
大気の状態が不安定で上水散歩もさぼりがちですが、ノカンゾウ(野萱
  草)薮萱草が見頃を迎えていることでしょう。

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by love-letter-to | 2019-06-23 17:28 | 折々通信 | Comments(0)