忘れ得ぬ人々& 道草ノート

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2010年 07月 10日 ( 1 )

道草フォト575 その42 捩花今昔

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   ムシムシとして不安定な大気が続いているうちに、草地の中で身悶えるようにして可憐
   に咲いていた捩花(ねじばな)のシーズンも終わりに近づきましたが、今日も小松橋下流
   でほんのりピンク色をした米粒大の花を螺旋状につけた捩花に出会いました。
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   草丈10~30センチで花茎が何故だか捩れており、その捩れた花茎に従って小花をつけ
   るラン科の一種です。米粒大でもシンビジュームなどに似た花弁や唇弁を一人前に備え
   ているから愛らしくって!綟摺(モジズリ)あるいは捩り花、螺旋花とも呼ばれ花言葉は
   その姿から「思慕」とのこと。下のように右巻きも左巻きもあります。
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   綟摺といえば、小倉百人一首にも選ばれている河原左大臣の恋歌「陸奥のしのぶもぢ
   ずり誰ゆえに 乱れそめにし我ならなくに」がよく引き合いにされます。ある解説書による
   と「陸奥・信夫(福島県)産の綟摺布のように、私の心が乱れ始めてしまったのは、誰の
   せいでしょうか」と、女性を口説いている一首のようです。綟摺は信夫地方独特の染織
   技法で、歌からすると“よろけ縞“のような乱れ模様だったのでしょう。「愛している」とか
   「好きだ」とか告げられるよりも、女性にはぐらぐらっときますよね。

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   河原左大臣(823~895)は嵯峨天皇の第十二皇子で源融(みなもと とおる)、源朝臣姓
   を与えられて臣籍に下ったものの、天皇の地位にも焦がれて当時の最大勢力を誇ってい
   た藤原氏と政治的確執が多かった人物のようです。あの光源氏のモデルと伝えられてい
   ますから、恋愛沙汰は推して知るべし。
   比喩に富んだ歌に託して胸の内を伝えた平安の昔と違って、平成の昨今は携帯かメール
   で、身を捩るような思いもハートの絵文字一つで済ませてしまうのかも?
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   ここ数年、捩花が近隣で多く見られるのは小平団地の芝生です。駐輪場の波型の屋根
   にまで繁殖しており意外にタフなようです。あかしあ通り沿いの建築資材置き場の壁面
   に接して、小野小町か楊貴妃か…といった超美人の捩花もあったのですが、今年の夏
   は根こそぎ削られたようで出会うことができなくて残念!
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   上の画像は昨年の6月末撮影。
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by love-letter-to | 2010-07-10 23:32 | 道草フォト575 | Comments(6)